top of page


デンマークの保育施設の質が明らかに
質へのアプローチが浮き彫りにした課題 デンマークのEVA(The Danish Evaluation Institute、デンマーク国立評価研究所)とVIVE(The Danish Center for Social Science Research、国立福祉研究分析センター)は子ども・教育省の委託を受けて、3~5歳児を対象とした公立保育施設の質を調査し、報告書を取りまとめています。 報告書そのものは昨春に公表されたものですが、日本においても保育の質や評価スケールの活用に関する関心が高まりつつあるため、ここで改めて報告書のポイントを整理してお伝えしておきます。 調査は、公立保育施設100か所(クラス数185)を抽出し、教育的学習環境の質についてはKIDSと呼ばれる評価スケール(観察ツール)を用いて、人間関係や遊びと活動、物理的環境という3つの基本領域に焦点を当てて評価しています。 その結果、「卓越している」「良い」「十分である「不十分である」「極めて低い」という5つの品質カテゴリーで捉えると、総合的な評価として「卓越している」または「極

吉田正幸
1 日前


今後の子育て支援で重要性の高まる住宅政策
こども園は地域戦略を含むハブ機能を持てるか 少し前の公表データになりますが、「子育て世帯に配慮した住宅支援等の在り方に関する調査調査研究報告書」(令和8年3月)がまとめられています。文字通り子育て支援と住宅政策の関連性や方向性を探ろうとしたもので、今後の子育て支援政策にも大きく関わるものとして注目されます。 結論的なことを言えば、今回の報告書からは、「住まい」と「子育て支援」と「地域コミュニティ」と「教育・保育施設」を一体として整備しようとする新しい方向性が示唆されています。 言い換えると、これから求められる少子化対策は、児童手当等の現金給付や保育の無償化、保育サービスの充実といった個別の施策を超えて、住宅政策を含む子どもを産み育てる環境そのものの整備や、多様な施策・事業・サービスの複合化・総合化・包括化を図ることが重要になると考えられます。 そう考えると、住まい、子育て支援、コミュニティ(地域交流)、教育・保育施設といった各要素を一体化させることが重要であり、こうした流れの中で総合的な機能を持つ認定こども園には教育・保育・子育て支援

吉田正幸
7月2日


人口減少社会に挑む飛騨市の先駆的実践!
予防的発達支援モデルとしての保育園作業療法とは 全国認定こども園協会のトップセミナーがこのほど開かれ、行政説明や基調講演のほか、都筑淳也・飛騨市長、西岡隆・臼杵市長、吉田・弊研究所代表によるディスカッションが行われました。 この中で、都筑飛騨市長の話には、「消滅可能性」を「持続可能性」に変えるヒントがたくさん見られました。 そこで、ディスカッションの中から筑飛騨市長の話に絞って、そのエッセンスをお届けします。 ちなみに、都筑飛騨市長は、こども家庭庁幼児期までのこどもの育ち部会委員も務め、「はじめの100か月の育ちビジョン」作成にも関わっっています。 飛騨市長の話の核心は、「人口減少を不可逆なものとして受け入れ、人口増を目指すのではなく、住民一人ひとりの幸福(ウェルビーイング)の向上に舵を切る」という明確なパラダイムシフトにあります。 主要なポイントを以下の4つの軸に整理しました。 1. 基本姿勢・政策理念:人口減少を前提とした「ウェルビーイング」の追求 ○人口回復への過度な期待を捨てる: 人口減少は不可避かつ不可逆的な現実であ

吉田正幸
6月28日


看護師の養成・確保に向けた検討に着手!
保育士等の養成・確保策についての検討は? 厚生労働省では現在、「2040年に向けた看護職員の養成・確保の 在り方に関する検討会」を立ち上げ、看護師等の養成のあり方や確保策について検討を重ねています。4月に第1回会議、5月に第2回会議を開き、今月22日に第3回会議(予定)と毎月開催しており、今年冬頃には検討結果を取りまとめることにしています。 実は、看護師と保育士の養成・確保をめぐる問題状況は非常に似ていることから、その検討結果は保育士の養成のあり方や確保策を考える上で大いに参考になると考えられます。というより、保育人材の養成・確保のあり方についても、こども家庭庁は早急に検討に着手してもらいたいものです。 その期待も込めて、看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会で示された各種資料を基に、看護職員の養成・確保に関する主な論点を整理するとともに、保育士等との共通点や類似点を指摘しておきたいと思います。 なお、今回始まった「2040年に向けた看護職員の養成・確保」の議論は、単なる人材不足対策ではなく、人口減少社会において「量の確保」と「質の向上

吉田正幸
6月16日


経済学者の4人に1人は少子化対策に疑問
少子化対策としての優先順位が低い児童手当 日本経済新聞社と日本経済研究センターが約50人の経済学者に政策への評価を問う「エコノミクスパネル」を実施したところ、現在の少子化対策に関して有効性を疑問視する意見が相次いでいることが分かりました。現在の少子化対策の実現可能性や児童手当など現金給付の有効性などについて、経済学者によっても意見が分かれており、言い換えれば実効性の高い少子化対策を進めることの難しさが改めて浮き彫りになったとも言えそうです。 この「エコノミクスパネル」は、経済学者に政策への評価を問う試みとして2024年11月にスタートしたもので、今回は少子化対策というテーマについて質問に答えたものです。 それによると、出生率の低下トレンドを反転させる実現可能な少子化対策があるかを聞いたところ、「存在する」が34%と3分の1あったものの、「存在しない」も26%と4人に1人いたほか、「どちらともいえない」が38%あり、現在の少子化対策を有効だと受け止めている経済学者は決して多くないことが明らかになっています。 否定的な意見としては、少子化のト

吉田正幸
6月13日


保・小・親3者それぞれの認識にズレ!
保育士・小学校教師・保護者の合同アンケートで見えた違い 小学館が発行している3つの媒体(『みんなの教育技術』『ほいくる』『HugKum』)が先ごろ、合同で実施した子育てに関するアンケート調査結果の概要が明らかになりました。それによると、小学校入学前に育ってほしい力や互いの果たす役割などについて聞いたところ、保育士・小学校教師・保護者それぞれで認識や受け止め方に違いのあることが分かりました。 調査は、3つの媒体のWEBサイトを通して今年2月~3月に実施し、保育士132人、小学校教師226人、保護者549人の計907人から回答を得ました。 この中で、「入学前に育ってほしい力」を聞くと、保育士は「感情を言葉で表現する力」70.5%、「指示を聞いて行動する力」68.9%、「身辺自立(着替え・片付けなど)」56.1%などとなっていました。これに対して小学校教師は、「身辺自立(着替え・片付けなど)」88.1%、「指示を聞いて行動する力」67.3%、「感情を言葉で表現する力」51.8%などとなっていました。 「身辺自立」は保小とも3位以内に入っています

吉田正幸
5月28日


高市首相案件のベビーシッター利用促進が加速!
家事等の負担軽減で人材確保を目指す ベビーシッターの利用促進に向けた動きが加速しつつあります。そのため政府では、税制優遇をはじめとした支援策の検討に乗り出しています。これは、高市早苗首相の意向が反映したものだと考えられます。 さる4月22日に開かれた日本成長戦略会議では、内閣官房の事務局から示された「分野横断的課題への対応の方向性」の中で、人材の確保・育成が取り上げられ、その一環として「家事等の負担軽減」策であるベビーシッターの利用促進も課題に挙げられました。 そこでは、「ベビーシッターを含む、保育士、看護師等による安全で質の高い認可外の保育サービスの利用に対する税制措置を含む新たな支援策を検討する」ことが明らかにされました。税制優遇に関しては、ベビーシッター利用料の一部を税額控除するなどの手法が検討される見通しです。 このベビーシッターの利用促進については、高市首相が強い関心を示しており、2月18日の第2次高市内閣発足にあたり、全18閣僚に向けた指示書を出していますが、その中で次のような指示が出されています ◇城内経済財政相に対して、厚

吉田正幸
5月1日


2040年までに大学の1/3が不要に!
保育分野にとっても他人事でない大学淘汰の時代 財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会がこのほど開かれ、人口減少社会の中での総合的な国力の強化をめぐって検討しました。この中で、人材力・経済力の強化に関して人口減少を踏まえた大学規模の適正化が課題に上り、「2040年までに、少なくとも学校数は250校程度、学部定員は18万人程度の縮減が必要と推計される」との驚きの見解が示されました。 さらに、「仮に、2040年までに一定のペースで規模の適正化を図る場合は、国立大学の学部定員は年間1,700人程度、私立大学の学校数は少なくとも年間16校、学部定員は年間8,700人程度の縮減が必要」との推計も示しています。 こうした見通しを踏まえて、同分科会では「大学の円滑な撤退等を可能とする仕組みや条件を整えつつ、経営体力がある段階での撤退等を促すべきではないか」指摘。その上で、「将来人材不足が予測される分野やイノベーション創出を通じた経済成長に資する分野等の学科・大学に対しては重点的に支援していく必要」がある旨を強調しています。 2040年というのは、今から

吉田正幸
4月30日


人口減少地域でも持続可能性な保育を探る
市町村の主体的な検討を北海道が支援へ 北海道庁はこのほど、人口減少地域における持続可能な保育提供体制に関する調査研究事業に取り組むことを決め、その委託業務を公募型プロポーザル方式で企画提案を募集しています。国も人口減少地域における保育機能の確保・強化に向けて、調査研究事業やモデル事業に乗り出していますが、都道府県レベルで市町村支援を目指すのは珍しいと言えます。 道の公募資料によると、人口減少・少子化が進行する中で、その目的は「将来の保育提供体制について市町村が主体的に検討を進めるための基礎的な材料を提供すること」にあると説明。委託業務の内容については、「管内市町村における保育提供体制の現状構造、持続可能性の限界及び将来見通しを客観的に整理・可視化するとともに、地域特性に応じた体制の類型やモデルを提示することにより、市町村及び関係者間で共通認識の下、将来検討が進められる環境整備を図る」ことだとしています。 平たく言えば、人口減少地域における保育機能の維持・確保に向けて、様々なシミュレーションによって把握した地域特性を踏まえ、基礎自治体である市

吉田正幸
4月17日


生成AIは平気で間違える?!
生成AIを鵜呑みにせずファクトチェックを 文部科学省の幼児教育ワーキンググループの第6回会議がこのほど開かれ、この中でいわ 使ってみると非常に便利で、予想以上にきちんとした回答をしてくれる生成AIですが、間違いや勘違いをすることも決して珍しいことではないようです。具体的なケースで見てみましょう。 〈ケース1(Gemini)〉 ○プロンプト:小規模事業場ストレスチェックで、労働者数 50 人未満の事業場におけるストレスチェックの実施が義務化されるのはいつからですか ○回答:「労働者数50人未満の小規模事業場におけるストレスチェックの義務化は、2025年(令和7年)12月1日からスタートする予定です」と間違った回答 ○正解:2025年5月14日に公布された改正労働安全衛生法によると、施行期日は公布後3年以内に政令で定める日とされています(つまり2028年5月13日までに施行) 〈ケース2(日経新聞の生成AIであるNIKKEI )〉 ○プロンプト:「こども誰でも通園制度」の経済効果を教えて ○回答:「直接的な経済効果に関する具体的な記述は見つかりませ

吉田正幸
4月5日


預かり保育は教育課程外から標準時間外へ?
幼児教育の一環としての預かり保育へ 文部科学省の幼児教育ワーキンググループの第6回会議がこのほど開かれ、この中でいわゆる「預かり保育」のあり方についても論議しました。それによると、これまで「教育課程外の教育活動」と位置づけてきた預かり保育について、「標準時間外の教育活動」であるとの位置付けを再確認してはどうかという論点が示され、幼児教育の一環としての“預かり保育”というニュアンスを強調する方向性が示唆されました。 同省の資料によると、「標準時間」とは、「1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準とする」と規定していることを踏まえたもので、4時間標準を超える教育活動を「標準時間外の教育活動」と捉えています。これは、預かり保育が普及・拡充したことを背景に、改めて教育活動としての預かり保育の充実を目指したものと考えられます。 そのため、資料では、「教育活動としての一貫性が図られるよう、教育活動の計画を作成して全体的な計画に位置付けるとともに、地域や保護者の実情を踏まえて弾力的に運用するものとしてはどうか」との論点が示され、全体的な計画に位置づける

吉田正幸
3月25日


保育所や幼稚園等でもメンタルヘルスチェックを
再来年 5 月までに職員のストレスチェックが義務化へ 厚生労働省はこのほど、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しました。これは、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、労働者数50 人未満の事業場においてもストレスチェックの実施が義務化されたことを踏まえ、小規模事業所に即した「現実的で実効性のある実施体制・実施方法等についてのマニュアルを作成」したものです。 保育所や幼稚園、認定こども園などについても、おおよそ2年以内にメンタルヘルスチェックの実施義務が課されることから、今回まとめられたマニュアルも参考にしながら、園内のメンタルヘルスチェック体制を整備することが求められます。また、それに伴う職場環境の改善などにより、保育人材の定着につなげることが期待されます。 今回のマニュアルは、同省の「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」で検討してきたもので、小規模事業場の特性を踏まえて、職員のプライバシー保護の徹底や地域産業保健センターなど外部資源の活用が大きなポイントになっています。...

吉田正幸
3月13日


乳幼児の約7割がインターネットを利用
ごく僅かながら生成AIを利用する幼児も! 文部科学省はこのほど、「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果(速報)」を発表しました。それによると、小学校就学前の幼稚園や認定こども園、保育所等に通園している乳幼児の約7割がインターネットを利用していることが分かりました。 平日1日当たりのインターネット利用時間をみると、「1時間以上2時間未満」が35.0%で最も多く、次いで「2時間以上3時間未満」が27.2%、「1時間未満」が18.5%、「2時間以上3時間未満」が9.3%などとなっていました。平均利用時間は1時間49分、2時間以上の割合は45%でした。 すでに乳幼児の段階で大半の子どもがインターネットに接しており、その時間も2時間近くに及んでいることが分かります。5歳の子どもの場合、5時間以上利用している割合が7.2%もあり、インターネット利用が常態化している様子がうかがえます。 インターネットを利用している機器としては、テレビや自宅用のパソコン・タブレット、ゲーム機、スマートフォンなど多様化しており、いつでも、どこでもインターネ

吉田正幸
2月26日


質・量とも充実した“横浜型一時預かり”
こども誰でも通園制度の利用低迷の可能性も 横浜市は手厚い一時預かり事業に取り組んでいますが、令和8年度予算案においてはさらに拡充した事業が盛り込まれており、他の自治体に比べて質・量ともに充実ぶりが際立っています。ここまで一時預かりが充実すれば、事業の趣旨や目的が異なるとはいえ、こども誰でも通園制度を積極的に利用しようと考える子育て家庭は決して多くないのではないかとさえ感じます。 同市の一時預かり関係事業は、“横浜型一時預かり”と呼ぶべき事業と一般的な一時預かり事業に大別できます。“横浜型一時預かり”は、「安心・安全」と「使いやすさ」を両立し、子どもが楽しく過ごせる「横浜型短時間預かり」の推進や既存事業の拡充、手続きの簡便化など、一時預かりのさらなる充実を目指すとしており、前年度の4倍近い2億8000万円を計上しています。 具体的には、イベント時等の横浜型短時間預かり補助事業や、商業・集客施設等での横浜型短時間預かり事業、こどもが楽しめる体験プログラム付き一時預かり事業、市庁舎・区庁舎での土日祝預かり事業など、ユニークな取り組みが数多く盛り込

吉田正幸
2月9日


KPIは保育分野でどこまで役立つのか?
成果の見える化に向けた指標が求められる時代へ 最近、いろいろな分野で「KPI」という言葉を耳にします。企業関係やマーケティング分野では以前から用いられていた言葉ですが、約3年前にこども家庭庁が創設されて以降、保育政策や少子化対策などでもしばしば目にするようになりました。 そもそも「KPI」というのは Key Performance Indicator の略で、重要業績評価指標(業績を評価し管理するための定量的な指標)のことです。Indicatorすなわち定量的な指標ですから、基本的には数値化されたものとして示されます。 保育分野においては、定量的に把握できるものが決して多いわけではありませんし、定量的な指標に重きを置こうとする土壌もありまでんした。デジタルよりアナログを大切にしてきた風土が長らく続いてきたということもあるでしょう。 しかし、どこまで有効なKPIを設定できるかは別として、いわゆる「ヒト・モノ・カネ」といった資源を投入する事業である以上、それによる成果が問われることは確かです。そして、その成果を可能な限り見える化しようというの

吉田正幸
1月25日


アフォーダブル住宅は子育て支援効果が高い!
住まいの問題は少子化対策の「一丁目一番地」? “アフォーダブル住宅”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 アフォーダブル住宅(Affordable Housing)というのは、直訳すると「手頃な価格の住宅」のことで、一般的には「住居費が世帯収入の30%以下に収まる住宅」を指すそうです。 子育て世帯にとっては、経済的負担の軽減につながるほか、家賃の高騰に左右されにくいため転居リスクを低減できたり、利便性の高い場所に比較的安く住めることで職住近接を実現できたりするメリットがあると言われています。 さらに、家賃が安いだけではなく、転落防止のベランダや段差の解消、防音性の向上、ベビーカー置き場の確保、見守りサービス、子育て相談など、「子育てに適した質」も重視されているのが特徴です。 こうした中、マンション価格や家賃が高騰し続ける東京都は、「東京都の少子化対策2025」の中で、安心して子どもを産み育てることができる社会の実現を目指す一環として、「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」の組成を進めています。これは、民間活力を活用しながら、子

吉田正幸
1月13日


緩和と適応という2つの人口減少対策を謳う
富山県が「幸せの関係人口」に着目した総合計画を策定 2024年に人口100万人を下回った富山県はこのほど、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~を目指して」と題する総合計画を発表しました。「未来に向けた人づくり」と「新しい社会経済システムの構築」を政策の2つの柱とし、そこに12分野の政策を位置づけ、「ワクワク」「しなやか」「共創」という3つの視点で政策を展開していくという、ユニークな計画となっています。 注目されるのは、重点的に推進する人口減少対策として、人口減少の「緩和」と人口減少社会への「適応」という2つの軸を示していることです。これまで多くの人口減少対策は、どちらかと言えば出生数を増やすことに主眼が置かれ、目指す理想と現実のギャップが乖離した対策に陥りがちでした。 それが今回の計画では、「緩和」と「適応」という観点から、人口減少社会を乗り越えようとするスタンスに立った政策や施策が示されており、現実的な対策として成果が期待できそうです。 ちなみに、「緩和」と「適応」について、総合計画では次のように説明しています。...

吉田正幸
1月4日


データが示す保育人材不足の要因とは
職員不足と現場の負担増が招く負のスパイラル 福祉医療機構はこのほど、「2025年度保育所・認定こども園の人材確保に関する調査結果」をまとめましたが、そこからは「職員不足⇒現場負担の増加⇒退職者の増加⇒職員不足」という悪循環に陥る負のスパイラルが見えてきました。 言い換えれば、保育人材の不足を招いている要因を積極的に取り除くことができれば、人材不足に陥らずに済む可能性が高まるとも言えそうです。 調査結果によると、職員不足の理由として、「採用したい人数を採用できていない」が8割と最も多いのですが、これはそもそも職員不足からもたらされた問題に起因するものです。職員不足がもたらした影響を聞くと、「現場負担の増加」が8割を超えていますが、現場の負担の大きさが職員の退職を招き、それによって職員不足が生じ、それがさらに現場の負担増につながるという悪循環を生むことになります。 また、近年、急速に普及し始めているICTを活用するかどうかも、職員不足に影響を及ぼすようです。調査結果によると、ICT機器が充足している施設のほうが、不足している施設より職員不足と

吉田正幸
2025年12月25日


共働き子育てしやすい街ランキングの意味
大幅なランクの変動は何によってもたらされたのか? 情報サイト日経クロスウーマンと日本経済新聞社はこのほど、全国の市区を対象に11回目となる「自治体の子育て支援制度に関する調査」を行い、2025年版「共働き子育てしやすい街ランキング」を発表しました。その結果、前回39位の品川区が初めてトップとなったほか、前回100位の大阪市が11位になった一方、前回3位の板橋区が16位、前回8位の静岡市が22位、前回23位の長岡市が88位に交代するなど、自治体によって大きな変動も見られました。 調査では、認可保育所の利用枠数や病児保育の充実度、待機児童達成状況、0~2歳児の保育料無償化、学童保育の状況、市区役所の男性職員の育児休業取得率、市区役所の正規職員における女性割合など43項目について、それぞれ点数化したものを100点満点でランキングしています。 調査は、首都圏、中京圏、関西圏の主要市区と全国の政令指定都市、道府県庁所在地、人口20万人以上の都市の計180自治体を対象に実施。159自治体から回答(回収率88.3%)を得ています。 項目の中には、ICT

吉田正幸
2025年12月14日


次期改定で0歳児からの育ちと学びを重視
保育所や認定こども園の教育・保育内容の見直しへ こども家庭庁と文部科学省はこのほど、保育専門委員会と幼児教育ワーキンググループの第3回合同会議を開き、育みたい資質・能力の在り方や資質・能力の育成に向けた内容の改善・充実について協議しました。そこでは様々な課題をめぐって論議されましたが、ここでは「0歳児からの育ちと学び」に焦点を当てて取り上げておきます。 この中で、0~2歳児の保育利用が増え続けていることを背景に、「0歳児からの育ちと学びの連続性・一貫性の確保」についても検討課題に挙げられました。これは、保育所や認定こども園に関わる課題であって、満3歳以上児を対象にする幼稚園には直接的に関係するものではありませんが、私立幼稚園の中には2歳児をプレスクール的に受け入れているところも少なくありませんし、こども誰でも通園制度が来年度から本格実施されることを踏まえれば、幼稚園等も含めて目を向けておくべき課題だと考えられます。 今回の会議で文科省が提示した資料によると、「0歳児からの環境を通して行う保育における教育に関わる側面での活動の連続性及び発展的

吉田正幸
2025年12月11日
bottom of page
