給食の食事事故で敗訴、騒音問題(園児の声)で勝訴
通園バスによる園児の死亡事故や不適切な保育、給食による窒息死事故など、保育を取り巻く問題状況が日常的に発生していて、中には訴訟にまで発展するケースも少なくありません。特にここ最近は、給食にまつわる事故や訴訟などがしばしば報じられています。
訴訟にまで発展するような事故やトラブルが生じれば、認定こども園や保育園、幼稚園などの園運営に大きな影響を与えることは必至であり、日頃からリスク管理を徹底することが改めて求められます。
ちなみに、最近の事例をみると、次のような事故や訴訟が起こっています。
◇10月23日、札幌市の認可保育園で1歳1か月の男児が給食を喉に詰まらせて死亡。北海道警が業務上過失致死の可能性を視野に捜査しており、札幌市も特別指導監査を実施し、12月上旬に調査結果を公表する予定。
◇10月23日、東京都練馬区の住民が認可保育園の園児の声がうるさく平穏に生活する権利を侵害されたとして、園の運営会社などに損害賠償を求めた訴訟で、最高裁は住民側の上告を棄却する決定をした。
◇9月26日、千葉県四街道市の公立保育所でおやつを喉に詰まらせ3歳の男児が低酸素性脳症で寝たきりになったとして、両親らが市に慰謝料などを求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁は請求を棄却した一審東京地裁判決を取り消し、計約1億800万円の支払いを命じた。
これらの事故や訴訟は、どの園でも起こり得ることです。と同時に、こうしたリスクは未然に防いだり、被害の程度を軽減できるものでもあります。言い換えると、実効性のある事故防止対策や事故処置対応、事故後のフォロー、訴訟にまで至らないような対応や対策、十分な説明責任など、日頃からリスク管理を徹底しておくことが重要です。
そのためにも、全職員によるリスクマネジメントの徹底と同時に、理事長や園長など経営者、管理者の園運営全体に対する総合的なマネジメント力をいかに高めるかが大きな課題と言えそうです。
*このトピックスについては、会員ページの「オリジナルコラム」でさらに詳しく取り上げています。