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保育人材確保の好事例から何を学ぶか

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 6月25日
  • 読了時間: 2分

対症療法ではない魅力的な職場環境づくりを


 依然として人材難が続くなか、先ごろ「保育人材確保に関する取組事例集」がまとめられました。これは、こども家庭庁の令和6年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業の一環として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した「保育人材確保にむけた効果的な取組手法等に関する調査研究」の成果物の一つです。

 事例集には、認定こども園・認可保育所の8施設の好事例が取り上げられ、①採用・広報、②育成・評価、③職場環境の3つの観点から参考になると思われる取り組みを紹介しています。単なる対症療法的な人材確保策ではなく、それぞれの園なりに努力して工夫した多様な取り組みが紹介されています。

 事例紹介に当たっては、それぞれの取り組み内容だけでなく、地域や施設の特性、取り組みを行うことになった背景・経緯、どのような課題に着目し、どのような点に留意して取り組みを進めたのか、その結果どのような効果があったのかなど、「全体のストーリーが把握できるよう」にとりまとめられている特徴です。

 この事例集からは、各園の置かれている状況はそれぞれ異なっていても、人材確保に向けた創意工夫とチャレンジによって、人材の確保、離職率の低下、定着率の向上、ひいては魅力ある職場づくりにつながっている様子がうかがえます。

 言い換えれば、保育人材の確保については、ただ単に処遇改善や職場環境の整備を行えばいいということではなく、保育という職の魅力、大袈裟に言えば園における保育の本質が問われているということがでもあります。

 今回の事例集を参考にすることによって、より効果的な保育人材確保の在り方、ひいては園の魅力づくりの在り方のヒントが得られるのではないでしょうか。

 

*この事例集に関しては、会員ページの「コラム・寄稿文」にある「コラム」の中の「オリジナルコラム」に大切なポイントを考察しています。

「保育人材確保に関する取組事例集」については、会員ページの「情報データベース」の「その他」に収録しています。

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