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小金井市で公立保育所廃園条例に違法判決!

執筆者の写真: 吉田正幸吉田正幸

 

公立施設の統廃合・再編の難しさが浮き彫りに


 東京都小金井市で公立保育所を廃止するための条例を市長(当時)が専決処分で決めたものの、それによって入園不許可とされた母親が不許可処分の取り消しを求めていた訴訟で、東京地裁は2月22日、専決処分が「違法」であり、条例改正も無効であるとして、入園不許可処分を取り消すよう求める判決を下しました。

 市長の強引とも思える手法にも問題があったとはいえ、同市では公立保育所の老朽化や高コスト構造など厳しい財政事情を背景に、待機児童問題の解消とともに空き定員が増える状況とも相まって、公立施設の統廃合は避けられない一面もありました。

 市議会も、廃園条例の賛成派が多かった一方で、厚生文教委員会は反対派が多いなど、議会運営上のねじれも事態を複雑にした側面があるようです。しかし、このたびの判決により廃園が違法とされた一方で、新たに選ばれた市長が目指す廃園条例の廃止を市議会が否決するなど、同市では廃園問題をめぐる混乱が収束していません。

 今回の件によって、公立施設の統廃合の難しさが改めて浮き彫りになったと言えます。と同時に、今後、少子化の進行とともに、定員割れの施設が全国的に増えていく中で、公立施設の統廃合は避けて通れない課題であるだけに、公立施設を抱える自治体の対応の在り方にも影響を与えることになりそうです。

 

*1:このニュースに関連して、会員ページのコラム(オリジナルコラム)で公立施設の統廃合・再編問題を詳しく取り上げています。

*2:公立施設の統廃合・再編に関しては、会員ページの「コラム」(保育ナビ)の最新記事「公立施設統廃合の行方」でも、東京都港区や品川区、浜松市の事例を取り上げながら、今後の在り方について論じています。

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