日本で生まれた日本人だけなら70万人割れが確実
厚生労働省は2月27日、人口動態統計速報(2024年12月分)を公表しました。これにより、2024年1月から12月までの速報値が明らかになり、2024年1年間の出生数が約72万人となることが分かりました。正確には72万988人で、前年より3万7643人(対前年比5%減)も少なくなっています。出生数が前年より減少するのは9年連続となります。
ただし、この速報値は、日本における日本人、日本における外国人、外国における日本人等も含んだものであり、日本における日本人の子どもだけの出生数は人口動態統計月報で明らかにされます。月報のほうは例年6月に公表されており、速報より3万人前後低くなっています。
そう考えると、今回の速報値が72万988人ということは、日本における日本人の子どもだけの出生数に限れば69万人前後ということになりそうです。ひょっとすると、69万人台を下回るかもしれません。日本総合研究所の藤波匠・上席主任研究員がまとめたレポートによると、「2024年のわが国の出生数(日本人)は、前年比5.8%減の68.5万人になる見通し」だとしています。
このほか、出生数に影響を及ぼす婚姻件数をみると、49万9999組と前年より1万718組(2.2%)増えているものの、2000年(約80万組)以降はほぼ一貫して減り続けており、若い世代の人口減少と相まって少子化の大きな要因となっています。