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執筆者の写真吉田正幸

若者の意識の変化が少子社会を引き寄せる?

 

今の若者は結婚も子どもを持つ時期も急がない傾向に


 文部科学省がこのほど、第22 回「21 世紀出生児縦断調査」の結果を公表したところ、20歳代前半の若者は結婚する時期や最初の子どもを持つ時期について、遅くていいと考える傾向が強まっていることが分かりました。

 この調査は、2001 年(平成13 年)に生まれた子どものうち、1月10 日~17 日の間に生まれた子(1万780人)と7月10 日~17 日の間に生まれた子(1万743人)を調査対象としたもので、調査時点での対象者の年齢は22 歳でした。

 調査結果によると、結婚についての考えでは、男女とも「25~29 歳でしたい」と回答した者が40~50%程度と最も多かった一方、4年前の第18回調査からの推移をみると、「24歳までにしたい」が男女とも大幅に減り、「30~34 歳でしたい」が増加していました。

 また、「結婚はしたいが時期は考えていない」と回答した者は、第22回調査こそ僅かに減少したものの、全体的な傾向としては増加傾向にあるほか、「結婚はしたくない」も割合自体は少ないものの、微増傾向にあることが明らかになっています。

 一方、最初の子どもを持つ時期についての考えを聞いたところ、男女とも「25~29 歳で持ちたい」と回答した割合が最も高かったものの、年々減少する傾向が鮮明になっています。特に男子の場合、第18回の35.3%が第22回の26.9%へと8.4ポイントも低下しています。

 同様に、「24歳までに持ちたい」は、元々少なかったのが、毎年減り続けており、男子が1.2%、女子が2.7%と極めて少なくなっています。

 男女とも増えているのは「25~29 歳で持ちたい」で、男子は4年前に比べて5.6ポイント高い22.9%、女子は5.3ポイント高い14.9%となっています。その逆に、「子どもは持ちたくない」も増え続けており、男子は4年前に比べて1.9ポイント高い7.1%、女子は4.8ポイント高い12.3%となっています。

 こうした結婚や子どもに関する意識を見る限り、若者の意識は晩婚化・晩産化に向かっており、少子化を招く方向に進んでいることが分かります。

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