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少子化問題を経済の視点から捉えてみると…

研究所メルマガvol.10

2023年10月5日

今月のメルマガ配信1

 今回のメールマガジンでは、経済の視点から捉えた少子化の現状や要因、必要な施策について論じたオリジナルコラムの一部をお伝えするほか、研究所WEBサイトの「お知らせ&情報」に最近アップしたニュースやトピックスをお知らせします。

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少子化問題を経済の視点から捉えてみると…

 年々深刻化する少子化問題を経済の視点から捉えてみると、保育の世界とはまた違う景色が見えてきます。内閣府が先ごろ公表した令和5年度年次経済財政報告(いわゆる経済財政白書)は、経済・財政の1年間の動きを総合的に分析し、問題点や今後の展望、政策の方向などについてまとめたものですが、今回の白書では「第2章 家計の所得向上と少子化傾向の反転に向けた課題」として、初めて少子化問題を正面から捉えています。

 それによると、非婚化のバロメーターである有配偶率要因(結婚できているかどうか)については、①非正規雇用者割合が高まるほど、②教育費が高いほど、③家賃が高いほど、結婚できている人は少ないことが分かっています。言い換えると、少子化の最大のボトルネックである非婚化の進行を食い止めるには、まだ結婚していない若者の安定した収入を増やすことや、教育費や家賃等の負担軽減を図ることが有効だということです。

 また、白書は、少子化の大きな要因である非婚化に関して、婚姻率が1970 年に10%、2000 年に6.4%、2022年には4.1%と継続的に低下してきていることを指摘した上で、次のように経済的な側面から分析し、必要な対策を示唆しています。

〈男女別の所得と結婚行動の関係〉

・30代の男性有業者では、年収が高いほど未婚率が低い傾向にある。

・年収と未婚率の関係には男女差があることがうかがえる。

・男性の年収と婚姻率の関係からは、経済的な理由が結婚行動に大きな影響を及ぼしている。

・この点で、若年層の所得向上は婚姻率を高める上で重要である。

・男性の方が女性より所得が高い組み合わせであることが、結婚のマッチング条件となっている可能性が考えられる。

・未婚若年層の所得階級別の男女の人数比をみると、20 代では300~499 万円では男女の人数比はほぼ拮抗しており、女性の年収が500万円を超えるとこれを上回る年収区分の男性人数は倍を下回る。こうしたマッチング条件が結婚へのハードルとなっている可能性がある。

・30代以降の男女間賃金格差が大きい。

*この詳細は、会員ページのオリジナルコラム欄に掲載しています。

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