代表挨拶
〜研究所の創設にあたって〜
子どもや子育て、保育・幼児教育を取り巻く環境が、かつてないほど変化しています。戦後つくられた制度も60年を経て疲弊し、政策的にも行き詰まりの様相を呈しています。しかし、そんな中にも、次の時代を予感させるような動きが、少しずつではありますが、見えてきつつあります。
我が国のあらゆる分野において、構造改革が求められているのと軌を一にして、子どもに関わる分野においても、次第に構造改革が進められようとしています。家庭の機能が低下し、地域社会もコミュニティが希薄化するなど、これまで前提にしてきた状況が様変わりしつつあることを考えると、子どもや保育・幼児教育に関する制度や政策も大きく転換せざるを得ません。
そうした状況を迎えて、このほど「保育システム研究所」立ち上げることといたしました。詳しいことは設立趣旨や会員申込みの欄で述べていますが、子どもの育ち(発達)や子育て支援も含めた保育・幼児教育分野におけるシンクタンクとして、新たなスタートを切ることになりました。当研究所では、会員を中心とした様々な活動を展開しながら、この分野における先駆的・先進的な役割を果たしていきたいと考えています。
なお、当研究所では、各種調査・研究事業や国内外のデータ収集・分析、幼稚園・保育園のマネジメント支援などを中心に活動を展開します。会員に対しては、Web上に会員専用ページを設けるとともに、メールマガジンやオンライン研究会などを活用して、単なる情報提供にとどまらず、双方向のコミュニケーションが行われることを重視しています。これによって、それぞれの会員の持っている情報や“智”を互いに共有し、卓越した情報や“智”の体系化を図りながら、その活用を目指したいと考えています。
2004年 4月 吉日
保育システム研究所 代表
吉田正幸
吉田正幸プロフィール
○略歴
福岡市出身。大阪大学人間科学部卒業。
㈱保育システム研究所 代表取締役
大妻女子大学大学院非常勤講師(保育マネジメント特論、2009~2023年度)
○審議会など
文部・厚生両省の総合施設に関する合同検討会議委員
厚生労働省:社会保障審議会児童部会委員
厚生労働省:社会保障審議会少子化対策特別部会委員
内閣府:認定こども園制度の在り方に関する検討会委員
厚生労働省:保育士等確保対策検討会副座長
経済産業省:保育現場のICT化・自治体手続等標準化検討会座長
厚生労働省:保育の現場・職業の魅力向上検討会副座長
内閣府:子ども・子育て支援システム標準化検討会座長
こども家庭庁:子ども・子育て支援制度における継続的な見える化に関する専門家会議座長
など歴任
京都市はぐくみ推進審議会特別委員(幼保推進部会委員)
品川区子ども・子育て会議副会長
品川区児童福祉審議会保育部会長
板橋区子ども・子育て会議副会長
あきる野市子ども・子育て会議委員長
こども家庭庁:子ども・子育て支援推進調査研究事業企画評価委員会委員長
こども家庭庁:企業主導型保育事業点検・評価委員会座長
こども家庭庁:10年後の子ども・子育て支援の在り方に関する研究会座長(調査研究事業)
こども家庭庁:保育分野における事務フロー・データセット等に関する協議会座長
など現在
○著書(共著・分担執筆を含む)
「保育所と幼稚園~統合の試みを探る」(フレーベル館、2002)
「幼保一体化から考える~幼稚園・保育所の経営ビジョン」(ぎょうせい、2005)
「次世代の保育のかたち」(フレーベル館、2010)
「選ばれる園になるために~変革のビジョンと実践」(世界文化社、2013)
「認定こども園の未来~保育の新たな地平へ」(フレーベル館、2016)
「認定こども園白書」(中央法規出版、2022、2024) など
○その他
参議院文教科学委員会で認定こども園法の参考人意見陳述。
参議院「社会保障と税一体改革特別委員会」公聴会で公述人意見陳述。
衆議院内閣委員会で子ども・子育て支援法及び児童手当法一部改正の参考人意見陳述。
NHK「クローズアップ現代」「ナビゲーション」「視点・論点」のゲスト解説等に出演。