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仕事と子育ての両立は従業員の定着率に影響
両立できる環境が就業継続意欲を高める 厚生労働省はこのほど、「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」速報を公表しました。これは、同省の共育プロジェクトの一環として行われたものです。この調査結果からは、仕事と育児・子育てを両立できる環境にあるかないかによって、働き続ける意向も大きく左右されていることが浮き彫りになっています。 調査速報によると、「今の職場で働き続けたい」と回答した割合をみると、「自分の職場は子育てとの両立がしやすい」と感じている人は78%いた一方で、「両立しにくい」と答えた人は33%にとどまり、45ポイントも差のあることが分かりました。 また、今の職場は子育てとの両立をしやすいかどうかを聞いたところ、子どもが生まれたあとに希望する働き方ができている人は78%が「そう思う」と回答しているのに対して、希望する働き方ができていない人は41%となっており、37ポイントも開きがありました。配偶者・パートナーの職場の場合についてみても、希望する働き方ができている人は57%、できていない人は29%で、できている人のほうが28ポイン

吉田正幸
2 日前


人口減少が投げかける保育へのアナロジー
大学や介護、自治体間の格差など保育との共通課題も 財務省の財政制度等審議会・財政制度分科会が先ごろ開かれ、「人口減少と不確実性の時代における国力の強化と財政運営」について、財務大臣に対する建議が行われました。保育に関する直接的な言及はあまりありませんが、人口減少という共通の重要課題をめぐって、他の分野における建議内容の中には、保育にも大きく関連しそうなものが見受けられました。 例えば、大学に関しては、学校数や定員の縮減が取り上げられ、医療・介護分野に関しては、経営主体の再編・連携や協働化・大規模化の促進などが求められています。これを保育に当てはめれば、利用定員の引き下げ(保育所等のダウンサイジング)や保育者養成校のあり方の見直し、さらには合併・事業譲渡等や施設・法人の再編(統廃合)・連携などが示唆されます。 また、東京一極集中によって地方との格差が拡大しているという問題も取り上げられ、その例として東京都の0~2歳児を対象とした保育料無償化が指摘されています。 これらのうち、大学に関するものとしては、次のように提言しています。...

吉田正幸
7 日前


どの園にも必要な改正個人情報保護法への対応
写真、ICT、室内カメラ、ホームページなども対象に 改正個人情報保護法が7月17日に公布され、2年以内に施行されることになりました。この改正では、情報リスクに適切に対応した規律の一環として、「子供の個人情報の取扱いに関する規律」が新たに設けられ、16歳未満の子どもに関する個人情報保護が強化されることになります。 これは、認定こども園や保育所、幼稚園などにも直接・間接に影響を与えるもので、具体的には子どもの個人情報や顔写真・動画、ICTシステム、防犯カメラ・保育室内カメラ、ホームページ・SNSなどに関して、改めて利用目的を明確化し、保護者への周知・説明・同意取得を丁寧に行うことが求められます。 施行は2年以内とされていますが、これまでの経緯を勘案すると、令和10年4月から施行される可能性が高いと考えられます。言い換えると、それまでに改正法の子どもに関わる内容やポイントを確認・理解した上で、園児の個人情報等に関するルールや規約などの整備、重要事項説明書の見直しなど、様々な準備を進めるとともに、職員にもその趣旨を理解してもらう必要があります。..

吉田正幸
7月28日


幼稚園教員に関する諸問題が浮き彫りに!
一段と厳しい状況に置かれた私立幼稚園 文部科学省がこのほど、令和7年度学校教員統計調査の中間報告を公表しました。この調査は3年に1回行われているものです。それによると、幼稚園教員の平均年齢は3年前の前回調査と比べて1.7歳上がって40.0歳と、遂に40歳代の大台に乗ったことが分かりました。 この平均年齢を設置者別にみると、国立は前回調査より0.3歳下がって42.3歳、公立は1.1歳上がって42.5歳、私立は1.8歳上がって39.6歳となっています。また、平均勤務年数は全体で13.5歳で、設置者別では国立が0.2歳上がって16.5年、公立が1.5歳上がって15.5年、私立が2.2歳上がって13.2歳となっています。 学校教員統計調査の対象は本務教員となっており、ここには園長や副園長なども含まれるため、平均年齢や平均勤務年数は全体にやや高めに出ますが、それを割り引いたとしても私立幼稚園教員の平均年齢や平均勤務年数がかなり上がってきていることが明らかです。 その背景には、深刻な人材難と園児減少によって、新規採用教員が減っていることが影響している

吉田正幸
7月24日


保育政策に関心が薄い骨太方針2026
力強さに欠ける保育人材の処遇改善 政府は7月21日、経済財政諮問会議がまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2026」いわゆる骨太の方針2026を閣議決定しました。この中で、少子化対策や子ども・子育て支援については、あまり踏み込んだ記述が見られず、当たり障りのない内容にとどまりました。 この骨太の方針は、「政府の経済財政政策に関する基本的な方針を示すとともに、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すもの」ですが、少子化対策や子ども・子育て支援、とりわけ保育政策については、その重要性に対する認識が示されず、既定の方向性が取り上げられたに過ぎませんでした。 かつて骨太の方針では、認可保育所への株式会社参入や今日の認定こども園につながる総合施設構想、近年では保育士等の処遇改善などが大きく取り上げられたことを思うと、高市内閣においては子ども・子育てや保育関連への関心が薄らいでいるように感じられます。 そんな中で、「主要分野ごとの重要課題と取組方針」として、「少子化対策と日本の未来を担うこども・若者のための政策の推進」

吉田正幸
7月22日


人口減少社会における保育政策の行方は
水面下で動き始めた政策検討の姿とは こども家庭庁はこのほど、令和11年度以降の保育政策のあり方を検討するため、「今後の保育政策を考える会」を立ち上げ、7月14日に初会合を開きました。この「考える会」は3回程度の開催が見込まれており、来年夏頃には一定の取りまとめを行う予定です。 ただ、一般に公開されるのは、いわば“表”の「考える会」だけで、これとは別に有識者や保育関係団体の関係者による“裏”の「考える会」も非公開で開かれます。既に、7月17日には有識者による会議と保育関係団体関係者による会議がそれぞれ別に開かれていて、こちらの会議も3回程度開かれるのではないかと見られています。 そうした性格の会議であるため、水面下で行われている会議の内容を公に詳しく伝えることができません。とはいえ、会議の持ち方や運営の仕方など、これまでにないスタイルを取っていることも含めて、今後の保育政策に関する課題や方向性、こども家庭庁の考えなどを、可能な範囲で少しずつ明らかにしていきたいと思います。 現時点で分かっていることは、14日に開かれた「考える会」は、有識

吉田正幸
7月21日


児童のいる世帯は縮小し複雑化?
働く母親は当たり前の世帯状況に 厚生労働省がこのほど、2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況を公表しました。それによると、18歳未満の児童のいる世帯は9174万世帯と前年より100万世帯増えたことが分かりました。ただ、これは日本全体の世帯数が増えているためで、全世帯に占める割合は0.1ポイント増の16.7%と微増したものの、10年前に比べると7ポイント近い減少、20年前に比べると10ポイント近く減っていることが分かりました。全世帯に占める児童のいる世帯の割合は、1995年の33.3%に比べて30年間で半減したことになります。 また、児童数の分布をみると、「1人」が前年より2.4ポイント増の50.1%と遂に5割を超えた一方、「2人」が0.9ポイント減の38.3%、「3人以上」が1.6ポイント減の11.5%と、次第に兄弟数が減ってきています。児童のいる世帯の平均児童数も、前年より0.05ポイント減の1.63人まで減少しており、少子化の傾向が世帯動向からもうかがえます。 さらに、特徴的なデータとして、児童のいる世帯の世帯構造をみると、「夫婦

吉田正幸
7月19日


こ家庁の「今後の保育政策を考える会」が初会合
法改正も視野に新たな保育政策を目指す こども家庭庁はこのほど、「今後の保育政策を考える会」を立ち上げ、令和11年度以降の保育政策のあり方について検討に乗り出しました。審議会や検討会といった従来の検討体制ではなく、自由闊達な意見を期待して、「考える会」という新しい会議のスタイルをとっているのが特徴です。 また、この考える会は、正委員とも言うべき構成員のほかに、多様な角度からの意見を期待して特別構成員も置いており、特別構成員は有識者と保育団体関係から成ります。それぞれ3回程度の会議が開かれ、来年7月頃には一定の考えを取りまとめる予定となっています。それを踏まえ、同庁では必要な法改正の作業に入るのではないかと考えられます。 同庁が一昨年12月に示した「保育政策の新たな方向性」は、令和10年度末までを見通したもので、令和11年度以降の保育政策については明確な方向性は示されていませんでした。特に、子ども・子育て支援制度に基づいた地方版子ども・子育て支援事業計画は現在、第3期(令和7~11年度)に入っており、国としても令和12年度からの第4期計画に向け

吉田正幸
7月14日


デンマークの保育施設の質が明らかに
質へのアプローチが浮き彫りにした課題 デンマークのEVA(The Danish Evaluation Institute、デンマーク国立評価研究所)とVIVE(The Danish Center for Social Science Research、国立福祉研究分析センター)は子ども・教育省の委託を受けて、3~5歳児を対象とした公立保育施設の質を調査し、報告書を取りまとめています。 報告書そのものは昨春に公表されたものですが、日本においても保育の質や評価スケールの活用に関する関心が高まりつつあるため、ここで改めて報告書のポイントを整理してお伝えしておきます。 調査は、公立保育施設100か所(クラス数185)を抽出し、教育的学習環境の質についてはKIDSと呼ばれる評価スケール(観察ツール)を用いて、人間関係や遊びと活動、物理的環境という3つの基本領域に焦点を当てて評価しています。 その結果、「卓越している」「良い」「十分である「不十分である」「極めて低い」という5つの品質カテゴリーで捉えると、総合的な評価として「卓越している」または「極

吉田正幸
7月12日


実現が目前に迫った保育DXとは
デジタル行財政改革取りまとめ2026を閣議決定 デジタル行財政改革会議は7月7日、「デジタル行財政改革取りまとめ2026」を決定しました。この中で、保育DXによる現場の負担軽減も盛り込まれ、保育業務ワンスオンリーや保活ワンストップシステムの全国展開が改めて示されました。 保育業務ワンスオンリーも保活ワンストップも、今年度から稼働を始めますが、実質的には令和9年度から本格的な全国展開が始まると見られています。令和10年度末までには、相当数の自治体が取り入れていると見込まれますが、保育現場がどこまで対応できるかは未知数であるだけに、ICT化の環境整備とともに保育DX対応へのサポート体制も問われそうです。 取りまとめによると、「保育DXによる現場の負担軽減」に向けて、①保育業務の届出一度きり原則(ワンスオンリー)実現に向けた全国基盤整備、②保活ワンストップシステムの全国展開を打ち出しています。 このうち保育業務ワンスオンリーというのは、「届出一度きり原則(ワンスオンリー)」ということです。これまでは、給付や監査などに関して複数の自治体から同じよ

吉田正幸
7月8日


ベビーシッターの利用促進も成長戦略!?
日本成長戦略で影の薄い保育・子育て支援 日本成長戦略会議はこのほど、17の戦略分野における官民投資や8つの分野横断的課題の解決を盛り込んだ案をとりまとめました。 このうち8つの分野横断的課題の解決の一つとして「家事等の負担軽減」が挙げられ、その中でベビーシッターの利用促進が取り上げられています。幼児教育・保育や子育て支援については、正面からほとんど触れられていない一方で、“首相案件”であるベビーシッターだけが突出していることに違和感を覚える関係者も少なくないと思われます。 成長戦略案によると、8つの分野横断的課題の解決の一環として「家事等の負担軽減」が挙げられています。その根拠として、「現状では、子育てや介護等を行いながら働く方が増えている一方で、「出産・育児」による離職者は、減少傾向にあるものの年間約15万人」いるほか、「第一子出産前後の女性の継続就業率は、上昇傾向にあるものの約70%となっている」と説明しています。 これに関して、「仕事と子育て・介護等との両立をサポートするための選択肢の1つとして、家事支援サービスやベビーシッターは社

吉田正幸
7月6日


今後の子育て支援で重要性の高まる住宅政策
こども園は地域戦略を含むハブ機能を持てるか 少し前の公表データになりますが、「子育て世帯に配慮した住宅支援等の在り方に関する調査調査研究報告書」(令和8年3月)がまとめられています。文字通り子育て支援と住宅政策の関連性や方向性を探ろうとしたもので、今後の子育て支援政策にも大きく関わるものとして注目されます。 結論的なことを言えば、今回の報告書からは、「住まい」と「子育て支援」と「地域コミュニティ」と「教育・保育施設」を一体として整備しようとする新しい方向性が示唆されています。 言い換えると、これから求められる少子化対策は、児童手当等の現金給付や保育の無償化、保育サービスの充実といった個別の施策を超えて、住宅政策を含む子どもを産み育てる環境そのものの整備や、多様な施策・事業・サービスの複合化・総合化・包括化を図ることが重要になると考えられます。 そう考えると、住まい、子育て支援、コミュニティ(地域交流)、教育・保育施設といった各要素を一体化させることが重要であり、こうした流れの中で総合的な機能を持つ認定こども園には教育・保育・子育て支援

吉田正幸
7月2日


人口減少社会に挑む飛騨市の先駆的実践!
予防的発達支援モデルとしての保育園作業療法とは 全国認定こども園協会のトップセミナーがこのほど開かれ、行政説明や基調講演のほか、都筑淳也・飛騨市長、西岡隆・臼杵市長、吉田・弊研究所代表によるディスカッションが行われました。 この中で、都筑飛騨市長の話には、「消滅可能性」を「持続可能性」に変えるヒントがたくさん見られました。 そこで、ディスカッションの中から筑飛騨市長の話に絞って、そのエッセンスをお届けします。 ちなみに、都筑飛騨市長は、こども家庭庁幼児期までのこどもの育ち部会委員も務め、「はじめの100か月の育ちビジョン」作成にも関わっっています。 飛騨市長の話の核心は、「人口減少を不可逆なものとして受け入れ、人口増を目指すのではなく、住民一人ひとりの幸福(ウェルビーイング)の向上に舵を切る」という明確なパラダイムシフトにあります。 主要なポイントを以下の4つの軸に整理しました。 1. 基本姿勢・政策理念:人口減少を前提とした「ウェルビーイング」の追求 ○人口回復への過度な期待を捨てる: 人口減少は不可避かつ不可逆的な現実であ

吉田正幸
6月28日


【お知らせ】海外視察のご案内(オーストラリア)
保育の質評価、保育者の養成・確保・資質向上、優れた保育実践など 弊研究所では、1997年から約30年にわたって海外の最新保育事情視察を行ってきました。昨年は、一昨年はデンマーク(コペンハーゲン)とスウェーデン(ストックホルム)をメインに訪問し、昨年はイタリアのレッジョ・エミリアを中心にレッジョアプローチの様々な施設を視察するなど、多くの優れた保育実践や大学教授によるレクチャー、保育政策など貴重な経験と学びが得られました。 今回は、昨年のレッジョに続く、これまでの海外視察の集大成(その2)として、オーストラリア(シドニー)を訪問し、保育の質の評価や質を支える仕組み、ナショナルカリキュラムなどの最新状況、評価機関から高い評価を受けた教育・保育施設の視察など、保育の質や保育者の資質向上(能力開発)に焦点を当てた内容を組む予定です。 日程等は、次のように計画しています。 ○日程:2026年11月8日(日)~11月14日(土) 4泊6日(8日の夜出発、14日の朝帰国、機内泊2日) ○航空会社:全日空(ANA)、飛行時間は9時間半程度(時差はサ

吉田正幸
6月23日


国の財政支援に必要な市町村の実施計画とは
計画を策定・採択されない市町村の財政支援は先細りに? こども家庭庁は令和7年度から「保育提供体制の確保のための実施計画」に基づいた財政支援を行っています。これは、同庁が示した「保育政策の新たな方向性」を踏まえて、市区町村が実施計画を作成し、採択を受けた場合、施設整備交付金や保育士宿舎借り上げ支援事業などの財政支援がうけられるようにするというものです。 言い換えると、市区町村が実施計画を作成し、国から採択されなければ、必要な財政支援を受けられないということでもあります。ちなみに、令和7年度に採択された市区町村数は645市区町村で、1741市区町村の4割弱となっています。 これが今年度から、市区町村の地方版子ども・子育て会議に諮問し、承認を得なければならないことになりました。各市区町村の実情を踏まえた計画期間内の保育需要の把握が十分かどうか、需要に対する提供体制が確保できているかどうかなどを確認する観点から、地方版会議での承認を得る必要があるとされたためです。 実施計画は、採択分類が①待機児童対策、②人口減少対策、③地域の課題に応じた対策とい

吉田正幸
6月23日


名古屋市が公立幼・保の統廃合・再編へ
公立の幼保連携型認定こども園を地域の基幹園に 人口230万人を超える大都市である名古屋市でさえ、公立施設の統廃合と認定こども園化を進めようとしています。この動きは地方都市に限った問題ではありません。私立も含めた幼児教育・保育施設全体の再編が始まる時代に果たしてどう臨めばいいのでしょうか。 名古屋市はこのほど、子ども青少年局の「公立保育所の在り方に関する基本方針(案)」と、教育委員会の「市立幼稚園の今後のあり方に関する実施計画(案)」を策定し、6月11日から7月10日までパブリックコメントを実施しています。首長部局と教育委員会が連携して、公立幼稚園・保育所の統廃合・再編計画を示し、同時にパブリックコメントを行うのは珍しいことです。 いずれも今後10年間の取り組みを目指すもので、公立保育所に関する基本方針案では、来年4月には78園(現在は83園)に集約される保育所のうち62園程度をそのまま存続させ、10園程度を民間移管・統合、6園を公立の幼保連携型認定こども園に移行させる方針を示しています。 一方、公立幼稚園に関する実施計画案では、20園ある

吉田正幸
6月18日


看護師の養成・確保に向けた検討に着手!
保育士等の養成・確保策についての検討は? 厚生労働省では現在、「2040年に向けた看護職員の養成・確保の 在り方に関する検討会」を立ち上げ、看護師等の養成のあり方や確保策について検討を重ねています。4月に第1回会議、5月に第2回会議を開き、今月22日に第3回会議(予定)と毎月開催しており、今年冬頃には検討結果を取りまとめることにしています。 実は、看護師と保育士の養成・確保をめぐる問題状況は非常に似ていることから、その検討結果は保育士の養成のあり方や確保策を考える上で大いに参考になると考えられます。というより、保育人材の養成・確保のあり方についても、こども家庭庁は早急に検討に着手してもらいたいものです。 その期待も込めて、看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会で示された各種資料を基に、看護職員の養成・確保に関する主な論点を整理するとともに、保育士等との共通点や類似点を指摘しておきたいと思います。 なお、今回始まった「2040年に向けた看護職員の養成・確保」の議論は、単なる人材不足対策ではなく、人口減少社会において「量の確保」と「質の向上

吉田正幸
6月16日


経済学者の4人に1人は少子化対策に疑問
少子化対策としての優先順位が低い児童手当 日本経済新聞社と日本経済研究センターが約50人の経済学者に政策への評価を問う「エコノミクスパネル」を実施したところ、現在の少子化対策に関して有効性を疑問視する意見が相次いでいることが分かりました。現在の少子化対策の実現可能性や児童手当など現金給付の有効性などについて、経済学者によっても意見が分かれており、言い換えれば実効性の高い少子化対策を進めることの難しさが改めて浮き彫りになったとも言えそうです。 この「エコノミクスパネル」は、経済学者に政策への評価を問う試みとして2024年11月にスタートしたもので、今回は少子化対策というテーマについて質問に答えたものです。 それによると、出生率の低下トレンドを反転させる実現可能な少子化対策があるかを聞いたところ、「存在する」が34%と3分の1あったものの、「存在しない」も26%と4人に1人いたほか、「どちらともいえない」が38%あり、現在の少子化対策を有効だと受け止めている経済学者は決して多くないことが明らかになっています。 否定的な意見としては、少子化のト

吉田正幸
6月13日


3要領・指針の見直しに向けた骨格が固まる!
3つの資質・能力や10の姿などの関係性や整合性を改善 文部科学省・こども家庭庁はこのほど、いわゆる「3要領・指針」改訂の方向性を示した「幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)」を公表しました。この取りまとめをベースに、幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領の改訂が行われることになります。 本コラムでは、取りまとめの解説というより、3要領・指針の共通化や幼児教育概念の整理という点に視点を当てて、認定こども園や保育所、幼稚園という「幼児教育施設」が受け止めるべき課題について取り上げたいと思います。 取りまとめでは、0歳からの発達や学びの連続性を重視し、3要領・指針の一層の整合性と構造化を図ろうとしています。その際、現行の3要領・指針では曖昧であった「育みたい資質・能力」「3つの視点及び5つの領域のねらい及び内容」「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係性を明確にし、それぞれの整合性も図るとしています。 論理的には、より良い3要領・指針の改訂が行われそうですが、それが果たして全ての幼児教育施設において十分に理解・咀

吉田正幸
6月10日


保育士等の就業継続のポイントは業務負担の軽減
保育補助者や保育ICTの活用も有効な手立てに 保育士等の就業継続意向は約8割と高いにもかかわらず、現場での業務負担感は大きく、3人に1人は休憩時間が30分に満たないなど、依然として保育士等の業務改善があまり進んでいないことが浮き彫りになっています。これは、こども家庭庁の令和7年度調査研究事業の一環として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「保育士等の意識及び業務負担軽減に関する調査研究」報告書から明らかになったものです。 保育士等を辞めたいと答えた人に、その理由を聞くと、「給与がよくないため」「業務量が多く大変なため」という理由が上位を占めており、処遇の低さと業務負担の大きさがダブルパンチとなって、就業継続意欲を低下させていることが分かります。 これに関して、就業継続に影響する業務負担軽減効果をみると、効果があったと回答した割合は「保育補助者」「保育支援者」のいずれも9割近くあり、保育ICTの活用は7割弱となっていました。保育補助者のほうが具体的に効果が見えやすいということもあるでしょうが、保育ICTについては活用の仕方が不十分な

吉田正幸
6月5日
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