top of page


企業主導型保育施設も撤退の可能性を模索
少子化を背景に施設の転用や廃止も可能に こども家庭庁はこのほど、企業主導型保育事業点検・評価委員会を開催し、補助事業の実施結果や委託事業の実績について協議するとともに、企業主導型保育事業における今後の方向性についても同庁から報告を受けました。 このうち、今後の方向性については、利用児童の大幅な減少や地域的に顕著な傾向も見られない一方、利用児童数の減少は避けられないため、「施設や利用児童の減少を見込んだ制度設計」に現段階から取り組んでいく方向を打ち出しています。具体的には、他の児童福祉事業への施設転用や、施設を取壊し・廃棄する際に整備費の返還を求めないことなど、企業主導型保育事業からの撤退を容易にすることが検討されそうです。 この事業は、子ども・子育て支援新制度の翌年である2016年度から創設され、ちょうど10年を迎えることから、ニーズのある施設は引き続き存続させる一方、撤退を希望するなど「役目を終えた施設に対しては、早めに事業からの 撤退をしやすくする」ことによって、事業全体の安定的な運営や適正化を図っていくとの考えを明らかにしています。.

吉田正幸
16 時間前


松阪市がこども誰でも通園制度の実施状況を公表
やはり一時預かりと混同して利用する傾向が! 三重県松坂市はこのほど、令和6年度こども誰でも通園制度試行的実施の結果について公表しました。それによると、事業の対象となる未就園児1371人のうち利用登録した児童数は114人で、利用対象児の約8%と1割に満たず、予想外に少ないことが明らかになっています。また、実利用児童は68人で、利用登録児童の約64%、対象児童全体のわずか5%となっていました。 具体的な利用状況をみると、実際に利用した0~2歳児68人の延べ利用児童数は601人で、1人当たりの利用回数は8.8回となっていました。さらに、1回あたりの平均利用時間は約3時間で、年齢別の利用時間総数は0歳児が33%、1歳児が50%、2歳児が17%となっており、1歳児の利用時間が一番多かったことが分かりました。 1回当たりの平均利用時間をみると、「2~4時間未満」が約67%と最も多く、次いで「4~6時間未満」が27%、「0~2時間未満」が5%、「6~8時間未満」が2%となっていて、平均利用時間が「8時間以上」は1人もいませんでした。 利用回数と平均利用

吉田正幸
6 日前


認可外保育施設の状況は類型によって千差万別
認可外保育施設への一定のニーズをどう捉えるか こども家庭庁はこのほど、認可外保育施設の状況を調べた令和6年地域児童福祉事業等調査結果の概況を公表しました。それによると、認可外施設の類型によって3歳未満児の割合や保育従事者の状況、開所時間、利用料などに大きな違いのあることが分かりました。 ただ、待機児童が減少してきたとはいえ、それでも認可外保育施設には一定のニーズがあり、利用児童数は昨年10月1日現在で8万7810人に及びます。一般の認可保育所等に比べて利用料が高いにもかかわらず、それだけの利用児童がいるということは、認可施設ではカバーし切れていないニーズに応えているという見方もできるだけに、今後の保育のあり方を考える上でさらなる調査・分析が求められそうです。 認可外保育施設の類型は、「事業所内保育施設」「ベビーホテル」「ベビーシッター事業者」「その他認可外保育施設」の4つで、その他認可外保育施設には東京都の認証保育所なども含まれると考えられます。 これらの類型について、3歳未満児の占める割合をみると、事業所内保育施設が約65%、ベビーホテ

吉田正幸
11月3日


探求心と五感がはぐくむ創造する心
レッジョ・アプローチが垣間見せる魅力的な保育 レッジョ・エミリア市(イタリア)にある「ニド・スコーラ・コレイア(NIDO SCUOLA CHOREIA)」は、レッジョ・アプローチで名高い幼児教育・保育施設の中で最初に創設された私立施設です。 この施設を10月27日に訪問し、保育の様子を見せていただきました。レッジョらしい多様で豊かな保育が展開されていましたが、その中で筆者に最も興味深く感じられたのが、いろいろなハーブ類を組み合わせて名付ける遊びでした。 そこでは、子どもたちは思い思いにミントやカモミール、マンダリン、ローズマリー、ラベンダー、オレガノなどのハーブをいくつか選んで、少しちぎって、水の入ったポットに入れて、香りや味を確かめていました。 そして、それぞれ選んだハーブの名前を組み合わせて、例えばミントとカモミールであれば「ミンティモミール」といった合成語を作って、言葉遊びの要素も取り入れながら、香りと味覚と言葉の音の多様な組み合わせの面白さを楽しんでいるように見受けられました。 子どもたちの姿を眺めていると、香り豊かなハーブを自

吉田正幸
10月31日


人勧の処遇改善で約3割の施設が年度超え
市町村による施設への支払いも 6 割強が年度超え こども家庭庁はこのほど、教育・保育施設・事業所における職員の処遇改善に係る実態調査結果(概要)を公表しました。それによると、令和6年人事院勧告を踏まえた公定価格の改定で、改定分の給与支払いについて、年度内(令和7年3月)に職員に支払った施設等は約7割、施設等に支払った市町村は約3割であったことが分かりました。 施設等の支払い状況をみると、年度内しかも令和6年12月に支払ったところが約14%あった一方、年度を超えて令和7年6月・7月に支払ったところも約13%あるなど、施設等によって支払時期に大きな開きのあることが明らかになっています。 市町村については、年度内の1~3月までに施設等に10割支払ったところが約28%あった一方、令和7年4月までが約28%、5月までが約44%あるなど、7割以上の市町村が年度を超えて施設等への支払いを完了している実態が明らかになりました。 今回の人事院勧告に伴う公定価格の給与改定は平均10.7%もの大幅アップとなったこともあって、施設や市町村にとって大きな金額になる

吉田正幸
10月21日


こども誰でも通園制度で残された懸念材料とは
切迫したスケジュールで来春からの対応を迫られる自治体 こども家庭庁は10月10日、こども誰でも通園制度の本格実施に向けた検討会を開き、この中で同庁の考える対応の方向性が示されました。基本的には今年度の実施内容を踏襲する形で進めていく方針で、利用可能時間を月10時間とするこ...

吉田正幸
10月12日


今後の私大政策が保育に投げかける示唆
経営難と保育人材難のダブル危機にどう対応するか 文部科学省は先ごろ、「2040年を見据えて社会とともに歩む私立大学の在り方検討会議」の中間まとめを公表しましたが、そこからは幼児教育・保育分野にも通じる課題が浮き彫りになるとともに、保育者を含むエッセンシャルワーカー養成の重...

吉田正幸
10月9日


こども誰でも通園制度の利用ニーズをどう把握するか
こども家庭庁が市町村事業計画の量の見込み算出で事務連絡 こども家庭庁は9月29日付で、第三期市町村子ども・子育て支援事業計画等における「量の見込み」の算出等の考え方(改訂版 ver.3)についての事務連絡を発出しました。この中で、来年度から給付制度として始まる乳児等通園支...

吉田正幸
10月5日


一般社団法人の保育所等で巨額の不正受給!
6年間にわたる不正需給はなぜ見落とされたのか? 横浜市は先ごろ、一般社団法人「KID-G」(横浜市鶴見区)が運営する認可保育所など5園で、給付費など約3億1600万円を不正受給していたと発表しました。川崎市も同日、同法人の認可保育所1園による運営委託費約2600万円の不正...

吉田正幸
9月30日


若者の労働時間短縮が少子化対策に有効!
若者の賃金上昇も出生率の引き上げに寄与すると試算 こども家庭庁のこども家庭審議会基本政策部会が9月22日に開かれ、こども施策の動きや今後の進め方について論議しました。この中で、柴田悠・京都大学教授が「こども政策への意見」を提出し、出生率の引き下げに寄与する政策について、具...

吉田正幸
9月23日


ポイントは遊びを通した学びの保障
幼稚園教育要領改訂にどう反映されるのか? 文部科学省の中央教育審議会教育課程企画特別部会がこのほど開かれ、そこで示された論点整理(案)の中で、幼稚園教育要領改訂に向けた方向性と論点が明らかにされています。その中で、「幼児教育における遊びの中での直接的・具体的な体験を通した...

吉田正幸
9月21日


子育て世帯への住宅支援で初の全国調査へ
住宅支援政策の充実は少子化対策にも有効か! こども家庭庁はこのほど、子育て世帯に配慮した住宅支援等の在り方について調査研究に乗り出すことになりました。どのような子育て世帯向けサービス等が導入されているか、賃貸住宅を中心に自治体からの支援の有無や自治体のまちづくりとの関連性...

吉田正幸
9月16日


利用ニーズほど増えない一時預かり事業
こども誰でも通園制度に流れる可能性も こども家庭庁の令和8年度概算要求の中で、人件費等の上昇に対応するため、一時預かり事業の補助金額がベースアップされました。ただ、同庁の資料によると、実施か所数こそ増えているものの、延べ利用児童数は必ずしも増えておらず、10年前に比べてむ...

吉田正幸
9月12日


保育の質の向上につながる第三者評価の改善へ!
評価スケールを使って保育実践の改善・見直しを 子ども家庭庁の来年度概算要求がまとまりましたが、この中で新規事業として「保育所等における第三者評価改善モデル事業」2000万円が盛り込まれています。保育の質の向上に対する期待や関心が高まる一方で、エビデンスベースで質の向上につ...

吉田正幸
9月9日


8時間・11時間の“台形”問題の解決に迫れるか?
朝夕や シフト、ノンコンタクトタイムを考慮した職員配置を こども家庭庁が今年度に実施する調査研究事業には、いろいろ注目すべきものがあります。その中で今回は、「延長保育及び夜間保育を含めた保育利用時間等の実態及び早朝・夜間・休日等を含めた保育ニーズの把握に関する調査研究」を...

吉田正幸
9月5日


少子化による保育所の園児減が鮮明に!
定員充足率の低下は少子化に加えて保育人材難も影響 子ども家庭庁はこのほど、保育所等関連状況取りまとめ(今年4月1日現在)を公表しました。それによると、保育所等の利用児童数が前年より2.7万人減の268万人と、270万人を下回ったことが分かりました。270万人を下回ったのは...

吉田正幸
8月31日


加速する少子化が鈍化する可能性?
約10年ぶりに6月の出生数は前年同月を上回ったが… 厚生労働省が8月29日、人口動態統計速報(令和7年6月分)を発表しました。それによると、今年1月から6月まで半年間の出生数は約34万人で、昨年同期間の約35万人を1万人ほど下回っていることが分かりました。昨年1年間の出生...

吉田正幸
8月30日


幼稚園の園児数が遂に70万人を下回る!
園児減に歯止めがかからずピーク時 の3割以 下に 文部科学省が8月27日、令和7年度学校基本調査の速報値を発表したところ、幼稚園の園児数が前年度より約6万8000人も少ない約69万人となったことが分かりました。園児数がピークであった1978年の約249万8000人に比べて...

吉田正幸
8月27日


子どもの裸体撮影で不適切な対応が問題に
園も町も信じがたいほどのお粗末な対応! 2か月ほど前のことになりますが、福島県浪江町の町立認定こども園で男児(2歳)に皮膚病の疑いを抱いた看護師が裸の姿を撮影し、非常勤の小児科医にメールで写真を送付しようとしたところ、誤って男児の母親に誤送信したという問題が発生しました。...

吉田正幸
8月27日


総務省の公適債を活用し公立保育所等の統廃合を
統廃合による財政効果以上に新たな機能の創造がカギ 総務省が創設した公共施設等適正管理推進事業を活用して、公立保育所等の再編・統廃合に取り組む地方自治体があります。同事業は、自治体の財政が厳しい状況にある中長期的な視点で施設の更新・統廃合・長寿命化などに取り組めるよう、公共...

吉田正幸
8月20日
bottom of page
