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松阪市がこども誰でも通園制度の実施状況を公表

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 6 日前
  • 読了時間: 2分

やはり一時預かりと混同して利用する傾向が!


 三重県松坂市はこのほど、令和6年度こども誰でも通園制度試行的実施の結果について公表しました。それによると、事業の対象となる未就園児1371人のうち利用登録した児童数は114人で、利用対象児の約8%と1割に満たず、予想外に少ないことが明らかになっています。また、実利用児童は68人で、利用登録児童の約64%、対象児童全体のわずか5%となっていました。

 具体的な利用状況をみると、実際に利用した0~2歳児68人の延べ利用児童数は601人で、1人当たりの利用回数は8.8回となっていました。さらに、1回あたりの平均利用時間は約3時間で、年齢別の利用時間総数は0歳児が33%、1歳児が50%、2歳児が17%となっており、1歳児の利用時間が一番多かったことが分かりました。

 1回当たりの平均利用時間をみると、「2~4時間未満」が約67%と最も多く、次いで「4~6時間未満」が27%、「0~2時間未満」が5%、「6~8時間未満」が2%となっていて、平均利用時間が「8時間以上」は1人もいませんでした。

 利用回数と平均利用時間をみると、比較的短い時間で多くの回数を利用している傾向がうかがえます。これは、後述するように、利用する理由として「保護者のリフレッシュ」や「買い物」が少なくないためだと考えられます。

 ただ、利用上限である月10時間を利用した児童は、0歳児が27人、1歳児が40人、2歳児が22人となっており、その理由は分かりませんが、1歳児が全体の半数近くを占めていました。

 一方、事前登録に申請した保護者を対象にWEBアンケートを行ったところ、利用した理由については(複数回答)、「保護者のリフレッシュ」が約45%と最も多く、次いで「将来の園生活の体験」が42%、「買い物」が33%、「仕事」が3%などとなっていました。「その他」は15%ありましたが、その多くは「通院のため」となっていました。

 また、登録しても利用しなかった理由を聞くと、「子供を預けたことがないため少し抵抗がある」や「預けることに罪悪感があるため」といった声が聞かれた一方、「登録はしたがまだ利用したい用事が入っていないため」「病院に通う予定だったが通わなくてよくなったため」という声も聞かれました。

 これを見る限り、こども誰でも通園制度に対して、保護者の多くは一時預かりと同じような理由で利用している(利用したいと考えている)ことが分かります。この問題に関しては、こども誰でも通園制度の趣旨を十分に理解してもらうと同時に、一時預かり事業をニーズに対応できるよう拡充しておく必要がありそうです。

 このほか、今後の利用希望を聞いたところ、実際に利用した人も、利用していない人も、「今後も利用したい」という回答が100%となっていました。

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