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仕事と子育ての両立は従業員の定着率に影響
両立できる環境が就業継続意欲を高める 厚生労働省はこのほど、「若年層における仕事と育児の両立に関する意識調査」速報を公表しました。これは、同省の共育プロジェクトの一環として行われたものです。この調査結果からは、仕事と育児・子育てを両立できる環境にあるかないかによって、働き続ける意向も大きく左右されていることが浮き彫りになっています。 調査速報によると、「今の職場で働き続けたい」と回答した割合をみると、「自分の職場は子育てとの両立がしやすい」と感じている人は78%いた一方で、「両立しにくい」と答えた人は33%にとどまり、45ポイントも差のあることが分かりました。 また、今の職場は子育てとの両立をしやすいかどうかを聞いたところ、子どもが生まれたあとに希望する働き方ができている人は78%が「そう思う」と回答しているのに対して、希望する働き方ができていない人は41%となっており、37ポイントも開きがありました。配偶者・パートナーの職場の場合についてみても、希望する働き方ができている人は57%、できていない人は29%で、できている人のほうが28ポイン

吉田正幸
4 日前


どの園にも必要な改正個人情報保護法への対応
写真、ICT、室内カメラ、ホームページなども対象に 改正個人情報保護法が7月17日に公布され、2年以内に施行されることになりました。この改正では、情報リスクに適切に対応した規律の一環として、「子供の個人情報の取扱いに関する規律」が新たに設けられ、16歳未満の子どもに関する個人情報保護が強化されることになります。 これは、認定こども園や保育所、幼稚園などにも直接・間接に影響を与えるもので、具体的には子どもの個人情報や顔写真・動画、ICTシステム、防犯カメラ・保育室内カメラ、ホームページ・SNSなどに関して、改めて利用目的を明確化し、保護者への周知・説明・同意取得を丁寧に行うことが求められます。 施行は2年以内とされていますが、これまでの経緯を勘案すると、令和10年4月から施行される可能性が高いと考えられます。言い換えると、それまでに改正法の子どもに関わる内容やポイントを確認・理解した上で、園児の個人情報等に関するルールや規約などの整備、重要事項説明書の見直しなど、様々な準備を進めるとともに、職員にもその趣旨を理解してもらう必要があります。..

吉田正幸
7月28日


幼稚園教員に関する諸問題が浮き彫りに!
一段と厳しい状況に置かれた私立幼稚園 文部科学省がこのほど、令和7年度学校教員統計調査の中間報告を公表しました。この調査は3年に1回行われているものです。それによると、幼稚園教員の平均年齢は3年前の前回調査と比べて1.7歳上がって40.0歳と、遂に40歳代の大台に乗ったことが分かりました。 この平均年齢を設置者別にみると、国立は前回調査より0.3歳下がって42.3歳、公立は1.1歳上がって42.5歳、私立は1.8歳上がって39.6歳となっています。また、平均勤務年数は全体で13.5歳で、設置者別では国立が0.2歳上がって16.5年、公立が1.5歳上がって15.5年、私立が2.2歳上がって13.2歳となっています。 学校教員統計調査の対象は本務教員となっており、ここには園長や副園長なども含まれるため、平均年齢や平均勤務年数は全体にやや高めに出ますが、それを割り引いたとしても私立幼稚園教員の平均年齢や平均勤務年数がかなり上がってきていることが明らかです。 その背景には、深刻な人材難と園児減少によって、新規採用教員が減っていることが影響している

吉田正幸
7月24日


保育政策に関心が薄い骨太方針2026
力強さに欠ける保育人材の処遇改善 政府は7月21日、経済財政諮問会議がまとめた「経済財政運営と改革の基本方針2026」いわゆる骨太の方針2026を閣議決定しました。この中で、少子化対策や子ども・子育て支援については、あまり踏み込んだ記述が見られず、当たり障りのない内容にとどまりました。 この骨太の方針は、「政府の経済財政政策に関する基本的な方針を示すとともに、経済、財政、行政、社会などの分野における改革の重要性とその方向性を示すもの」ですが、少子化対策や子ども・子育て支援、とりわけ保育政策については、その重要性に対する認識が示されず、既定の方向性が取り上げられたに過ぎませんでした。 かつて骨太の方針では、認可保育所への株式会社参入や今日の認定こども園につながる総合施設構想、近年では保育士等の処遇改善などが大きく取り上げられたことを思うと、高市内閣においては子ども・子育てや保育関連への関心が薄らいでいるように感じられます。 そんな中で、「主要分野ごとの重要課題と取組方針」として、「少子化対策と日本の未来を担うこども・若者のための政策の推進」

吉田正幸
7月22日


児童のいる世帯は縮小し複雑化?
働く母親は当たり前の世帯状況に 厚生労働省がこのほど、2025(令和7)年 国民生活基礎調査の概況を公表しました。それによると、18歳未満の児童のいる世帯は9174万世帯と前年より100万世帯増えたことが分かりました。ただ、これは日本全体の世帯数が増えているためで、全世帯に占める割合は0.1ポイント増の16.7%と微増したものの、10年前に比べると7ポイント近い減少、20年前に比べると10ポイント近く減っていることが分かりました。全世帯に占める児童のいる世帯の割合は、1995年の33.3%に比べて30年間で半減したことになります。 また、児童数の分布をみると、「1人」が前年より2.4ポイント増の50.1%と遂に5割を超えた一方、「2人」が0.9ポイント減の38.3%、「3人以上」が1.6ポイント減の11.5%と、次第に兄弟数が減ってきています。児童のいる世帯の平均児童数も、前年より0.05ポイント減の1.63人まで減少しており、少子化の傾向が世帯動向からもうかがえます。 さらに、特徴的なデータとして、児童のいる世帯の世帯構造をみると、「夫婦

吉田正幸
7月19日


こ家庁の「今後の保育政策を考える会」が初会合
法改正も視野に新たな保育政策を目指す こども家庭庁はこのほど、「今後の保育政策を考える会」を立ち上げ、令和11年度以降の保育政策のあり方について検討に乗り出しました。審議会や検討会といった従来の検討体制ではなく、自由闊達な意見を期待して、「考える会」という新しい会議のスタイルをとっているのが特徴です。 また、この考える会は、正委員とも言うべき構成員のほかに、多様な角度からの意見を期待して特別構成員も置いており、特別構成員は有識者と保育団体関係から成ります。それぞれ3回程度の会議が開かれ、来年7月頃には一定の考えを取りまとめる予定となっています。それを踏まえ、同庁では必要な法改正の作業に入るのではないかと考えられます。 同庁が一昨年12月に示した「保育政策の新たな方向性」は、令和10年度末までを見通したもので、令和11年度以降の保育政策については明確な方向性は示されていませんでした。特に、子ども・子育て支援制度に基づいた地方版子ども・子育て支援事業計画は現在、第3期(令和7~11年度)に入っており、国としても令和12年度からの第4期計画に向け

吉田正幸
7月14日


実現が目前に迫った保育DXとは
デジタル行財政改革取りまとめ2026を閣議決定 デジタル行財政改革会議は7月7日、「デジタル行財政改革取りまとめ2026」を決定しました。この中で、保育DXによる現場の負担軽減も盛り込まれ、保育業務ワンスオンリーや保活ワンストップシステムの全国展開が改めて示されました。 保育業務ワンスオンリーも保活ワンストップも、今年度から稼働を始めますが、実質的には令和9年度から本格的な全国展開が始まると見られています。令和10年度末までには、相当数の自治体が取り入れていると見込まれますが、保育現場がどこまで対応できるかは未知数であるだけに、ICT化の環境整備とともに保育DX対応へのサポート体制も問われそうです。 取りまとめによると、「保育DXによる現場の負担軽減」に向けて、①保育業務の届出一度きり原則(ワンスオンリー)実現に向けた全国基盤整備、②保活ワンストップシステムの全国展開を打ち出しています。 このうち保育業務ワンスオンリーというのは、「届出一度きり原則(ワンスオンリー)」ということです。これまでは、給付や監査などに関して複数の自治体から同じよ

吉田正幸
7月8日


ベビーシッターの利用促進も成長戦略!?
日本成長戦略で影の薄い保育・子育て支援 日本成長戦略会議はこのほど、17の戦略分野における官民投資や8つの分野横断的課題の解決を盛り込んだ案をとりまとめました。 このうち8つの分野横断的課題の解決の一つとして「家事等の負担軽減」が挙げられ、その中でベビーシッターの利用促進が取り上げられています。幼児教育・保育や子育て支援については、正面からほとんど触れられていない一方で、“首相案件”であるベビーシッターだけが突出していることに違和感を覚える関係者も少なくないと思われます。 成長戦略案によると、8つの分野横断的課題の解決の一環として「家事等の負担軽減」が挙げられています。その根拠として、「現状では、子育てや介護等を行いながら働く方が増えている一方で、「出産・育児」による離職者は、減少傾向にあるものの年間約15万人」いるほか、「第一子出産前後の女性の継続就業率は、上昇傾向にあるものの約70%となっている」と説明しています。 これに関して、「仕事と子育て・介護等との両立をサポートするための選択肢の1つとして、家事支援サービスやベビーシッターは社

吉田正幸
7月6日


国の財政支援に必要な市町村の実施計画とは
計画を策定・採択されない市町村の財政支援は先細りに? こども家庭庁は令和7年度から「保育提供体制の確保のための実施計画」に基づいた財政支援を行っています。これは、同庁が示した「保育政策の新たな方向性」を踏まえて、市区町村が実施計画を作成し、採択を受けた場合、施設整備交付金や保育士宿舎借り上げ支援事業などの財政支援がうけられるようにするというものです。 言い換えると、市区町村が実施計画を作成し、国から採択されなければ、必要な財政支援を受けられないということでもあります。ちなみに、令和7年度に採択された市区町村数は645市区町村で、1741市区町村の4割弱となっています。 これが今年度から、市区町村の地方版子ども・子育て会議に諮問し、承認を得なければならないことになりました。各市区町村の実情を踏まえた計画期間内の保育需要の把握が十分かどうか、需要に対する提供体制が確保できているかどうかなどを確認する観点から、地方版会議での承認を得る必要があるとされたためです。 実施計画は、採択分類が①待機児童対策、②人口減少対策、③地域の課題に応じた対策とい

吉田正幸
6月23日


名古屋市が公立幼・保の統廃合・再編へ
公立の幼保連携型認定こども園を地域の基幹園に 人口230万人を超える大都市である名古屋市でさえ、公立施設の統廃合と認定こども園化を進めようとしています。この動きは地方都市に限った問題ではありません。私立も含めた幼児教育・保育施設全体の再編が始まる時代に果たしてどう臨めばいいのでしょうか。 名古屋市はこのほど、子ども青少年局の「公立保育所の在り方に関する基本方針(案)」と、教育委員会の「市立幼稚園の今後のあり方に関する実施計画(案)」を策定し、6月11日から7月10日までパブリックコメントを実施しています。首長部局と教育委員会が連携して、公立幼稚園・保育所の統廃合・再編計画を示し、同時にパブリックコメントを行うのは珍しいことです。 いずれも今後10年間の取り組みを目指すもので、公立保育所に関する基本方針案では、来年4月には78園(現在は83園)に集約される保育所のうち62園程度をそのまま存続させ、10園程度を民間移管・統合、6園を公立の幼保連携型認定こども園に移行させる方針を示しています。 一方、公立幼稚園に関する実施計画案では、20園ある

吉田正幸
6月18日


3要領・指針の見直しに向けた骨格が固まる!
3つの資質・能力や10の姿などの関係性や整合性を改善 文部科学省・こども家庭庁はこのほど、いわゆる「3要領・指針」改訂の方向性を示した「幼児教育WG・保育専門委員会取りまとめ(案)」を公表しました。この取りまとめをベースに、幼稚園教育要領、保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領の改訂が行われることになります。 本コラムでは、取りまとめの解説というより、3要領・指針の共通化や幼児教育概念の整理という点に視点を当てて、認定こども園や保育所、幼稚園という「幼児教育施設」が受け止めるべき課題について取り上げたいと思います。 取りまとめでは、0歳からの発達や学びの連続性を重視し、3要領・指針の一層の整合性と構造化を図ろうとしています。その際、現行の3要領・指針では曖昧であった「育みたい資質・能力」「3つの視点及び5つの領域のねらい及び内容」「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の関係性を明確にし、それぞれの整合性も図るとしています。 論理的には、より良い3要領・指針の改訂が行われそうですが、それが果たして全ての幼児教育施設において十分に理解・咀

吉田正幸
6月10日


保育士等の就業継続のポイントは業務負担の軽減
保育補助者や保育ICTの活用も有効な手立てに 保育士等の就業継続意向は約8割と高いにもかかわらず、現場での業務負担感は大きく、3人に1人は休憩時間が30分に満たないなど、依然として保育士等の業務改善があまり進んでいないことが浮き彫りになっています。これは、こども家庭庁の令和7年度調査研究事業の一環として、三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行った「保育士等の意識及び業務負担軽減に関する調査研究」報告書から明らかになったものです。 保育士等を辞めたいと答えた人に、その理由を聞くと、「給与がよくないため」「業務量が多く大変なため」という理由が上位を占めており、処遇の低さと業務負担の大きさがダブルパンチとなって、就業継続意欲を低下させていることが分かります。 これに関して、就業継続に影響する業務負担軽減効果をみると、効果があったと回答した割合は「保育補助者」「保育支援者」のいずれも9割近くあり、保育ICTの活用は7割弱となっていました。保育補助者のほうが具体的に効果が見えやすいということもあるでしょうが、保育ICTについては活用の仕方が不十分な

吉田正幸
6月5日


令和7年の出生数は1.5万人減って約67万人に
減り方はやや緩和したものの少子化は止まらず 厚生労働省が6月3日、令和7年人口動態統計月報年計(概数)を公表したところ、昨年1年間の出生数は前年より1 万4937 人少ない約67万1000人、合計特殊出生率は0.01ポイント低い1.14であることが分かりました。前年より4万人あまり減った令和6年の出生数に比べて、減少の程度は少し緩和したとはいえ、減少傾向を反転させるまでには至っておらず、依然として厳しい少子化が続いていると言えそうです。 少子化の大きな要因として、未婚化・非婚化、晩婚化・晩産化が上げられていますが、今回の月報年計(概数)データによると、婚姻件数は48 万9119 組で前年より4027 組増加しており、婚姻率(人口千対)も前年より4.0 より0.1ポイント高いは4.1 となっています。 離婚件数についても、17 万9068 組と前年より6836 組減少し、離婚率(人口千対)はポイント低い1.50となっています。 この婚姻件数の増加や離婚件数の減少が、出生数の減少度合いをいくらか緩和したと考えられますが、近年の少子化の最も大き

吉田正幸
6月3日


保育所等にもスポットワーク活用の動きが!
保育分野でのスポットワークのメリットとリスクとは 少子化の進行により定員割れに見回れる保育所等も増えつつありますが、それ以上に深刻なのが保育人材の確保です。こうした中、徐々に拡がりつつあるのが、1日単位や時間単位で限られた時間だけ働く「スポットワーク」です。既に一般企業等では、スマートフォンなどのマッチングアプリを利用して、スポットワーク=スキマバイトの活用が当たり前のように行われていますが、その動きが保育分野でもみられるようになってきました。 こども家庭庁の令和7年度調査研究事業の一環として、有限責任監査法人トーマツがまとめた調査研究報告書によると、スポットワークで働く者を雇用する(した)理由としては、「保育業務に必要な人員を確保するため」「より手厚い配置にす るため」「保育の周辺業務(補助業務)に必要な人員を確保するため」などが挙げられていました。 スポットワークを活用しようとする背景には、厳しい人材難が続く中で、配置基準上やむにやまれず活用する側面と、ギリギリで回している保育者の負荷を少しでも下げようとする面と、病気その他で急に欠勤し

吉田正幸
6月2日


保育所等の合併・事業譲渡で初のガイドライン
実例を調査した上で具体的なポイントや留意事項などを解説 保育所や幼稚園、認定こども園などの合併・事業譲渡等が増えていくと予想されています。しかし、その一方で、合併や事業譲渡等をスムーズに進めていくための情報や知見、手法が十分ではなく、地方自治体によるローカルルールと呼ばれる独自の対応を求められる問題などもあって、多くの課題を抱えているのが実情です。 こうした状況を踏まえて、こども家庭庁の調査研究事業の一環として、合併・事業譲渡等に関する実態を調査し、ガイドラインを作成するとともに、自治体ルールの有無・内容などを整理した報告書が、このほど公表されました。保育関係で合併・事業譲渡等の実態を調査し、円滑な実施のためのガイドラインをつくったたのは初めてのことです。 それによると、合併・事業譲渡後に問題を引きずらないための事前調査の重要性や、自治体により異なる申請手続きへの対応、合併・事業譲渡等に伴う職員・保護者・地域への配慮事項など、具体的な課題を踏まえたガイドラインを作成し、実施に際してのポイントや実際の手続き等について解説しています。...

吉田正幸
5月22日


2歳児の保育料には大きな自治体間格差が
3歳以上児の無償化の一方で2歳児の保育料は… 総務省統計局がこのほどまとめた「主要品目の都市別小売価格」(県庁所在市及び人口15万以上の市)によると、このうち保育所保育料(2歳児、5歳児)については、自治体によって様々な違いのあることが明らかになっています。 特に、2歳児の保育料については、最高額(伊丹市)と最低額(立川市)に4倍もの差がついていたほか、無償化している自治体もあるなど、自治体の財政力の違いや少子化対策・子育て支援に対する姿勢の違いが浮き彫りになっています。 3歳未満児の無償化に取り組む自治体も今後、増えてくることが予想されますが、その場合でも第2子から無償化するところや、一定の所得制限をかけるところ、2歳児だけ無償化するところなど、無償化の内容や程度が様々に分かれる可能性もあります。こうした自治体による違いが、子育て世帯の人口移動や少子化対策・子育て支援の成果にどこまでつながるか、効果の検証が必要になりそうです。 なお、5歳児の保育料については、2019年10月から無償化が実現したため、全ての自治体において保育料はゼロ円と

吉田正幸
5月16日


利用率の減少や人件費の上昇でも黒字施設が増加
処遇改善をはじめとした公定価格の引き上げがポイント 福祉医療機構が先ごろ、2024年度保育所・幼保連携型認定こども園の経営状況についてまとめたところ、保育所・こども園ともに利用率が減少し、保育士等の人件費も上昇しているにもかかわらず、サービス活動増減差額比率(いわゆる黒字)は上昇していることが分かりました。 その最大の要因は、2024年度に処遇改善等加算が10.7%と大幅に引き上げられ、公定価格である利用児童単価(児童1人1か月当たりサービス活動収益)が上昇したことにあると考えられます。 言い換えれば、少子化の進行に伴い、今後さらに利用児童数が減少していくことが予想される中で、経営の安定を図るためには処遇改善等加算をはじめとした公定価格の引き上げ、とりわけ人口減少地域における小規模施設の単価引き上げが大きな意味を持つことになると言えそうです。 加えて、地域の保育者養成校の衰退と相まって、全国的に保育人材の確保が難しくなってきており、処遇改善をはじめとした雇用環境の改善が喫緊の重要課題となっています。これは、施設経営にとって人件費の上昇に直

吉田正幸
5月9日


企業主導型の87施設が定員充足率2割未満
企業主導型の状況は他山の石か炭鉱のカナリヤか 児童育成協会がこのほど、企業主導型保育事業の定員充足状況(令和8年1月初日現在)を公表したところ、4346施設のうち87施設が定員充足率20%以下であることが分かりました。さらに、その4割近い37施設は、在籍児童数がゼロとなっています。充足率20%以下の施設は、企業主導型保育施設数全体の2%に過ぎませんが、今後さらに少子化が進行することを考えると、危険水域にある施設が一定数以上あることをうかがわせています。 定員充足率20%以下の施設の状況(設置パターン)をみると、企業等の事業所内設置している施設が比較的多く、次いで病院・介護施設・学校内に設置している施設も多く、これらは一般事業主設置型と呼ばれるものとなっています。 従業員枠は、文字通り自社もしくは共同利用している企業等の社員の子どもを受け入れるためのものであり、必要に応じていつでも利用できるよう定員に余裕(空き)があるのは珍しいことではありません。とはいえ、在籍児童がゼロということになれば、事業所内保育施設としての存在意義が問われることにもな

吉田正幸
5月6日


政策効果の有無により予算の見直しへ!?
子ども・子育て関連補助金の包括化も課題に 政策効果の観点から補助金や税制について、必要な見直しを進めようという動きが加速しています。トランプ政権でイーロン・マスク率いる米政府効率化省(DOGE)になぞらえて、日本版DOGEとも呼ばれる「租税特別措置・補助金見直し担当室」が昨年11月、内閣官房の行政改革・効率化推進事務局に設置されましたが、まずは来年度概算要求をターゲットに予算見直しに向けた検討が始まりました。 その一環として、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議がこのほど開かれ、租税特別措置・補助金・基金の適正化に関する今後の取組について協議しました。この日の会議では、「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果」が明らかにされ、その中で子ども・子育て支援に関して、「⼦ども・⼦育て⽀援制度全体が複雑化しており、全体の⾒直しを含めた改善が必要」として、次のような意見が示された。 ◇⼦ども・⼦育て⽀援に関する補助等の制度が積層化。運⽤が過度に複雑化しており、情報開⽰も不⾜している。 ◇出⽣数が減少を続ける中で、

吉田正幸
4月25日


乳幼児理解に基づく評価の充実とは
保育所、こども園、幼稚園で評価の整合性を図れるか 3要領・指針の見直しに向けて検討を重ねている文部科学省の幼児教育ワーキンググループと、こども家庭庁の保育専門委員会はこのほど、合同会議を開き、乳幼児理解に基づく評価の充実について協議しました。この日の会議では、「乳幼児理解に基づく評価の充実の方向性(案)」が示され、「記録の充実や記録を基にした振り返り」などを重視する考えが強調されました。 乳幼児理解に基づく評価に関しては、保育所、認定こども園、幼稚園などの幼児教育施設における取り組みや考え方を整理し、「指導計画の作成⇒指導⇒評価⇒改善」といったPDCA的な流れをベースにした評価の充実を目指すという一連の取り組みを踏襲。その上で、保育所や幼稚園など各施設種別の評価の現状や課題を踏まえて、「記録と振り返りの充実」や「遊びの中の『学び』を見取る視点」を重視する方向性を示しています。 また、評価を行う上で欠かせない記録や振り返りについては、改めて「記録と振り返りの充実」や「遊びの中の『学び』を見取る視点」を重視する方向性が示されました。特に、「記録

吉田正幸
4月21日
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