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企業主導型保育施設も撤退の可能性を模索

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 23 時間前
  • 読了時間: 2分

少子化を背景に施設の転用や廃止も可能に


 こども家庭庁はこのほど、企業主導型保育事業点検・評価委員会を開催し、補助事業の実施結果や委託事業の実績について協議するとともに、企業主導型保育事業における今後の方向性についても同庁から報告を受けました。

 このうち、今後の方向性については、利用児童の大幅な減少や地域的に顕著な傾向も見られない一方、利用児童数の減少は避けられないため、「施設や利用児童の減少を見込んだ制度設計」に現段階から取り組んでいく方向を打ち出しています。具体的には、他の児童福祉事業への施設転用や、施設を取壊し・廃棄する際に整備費の返還を求めないことなど、企業主導型保育事業からの撤退を容易にすることが検討されそうです。

 この事業は、子ども・子育て支援新制度の翌年である2016年度から創設され、ちょうど10年を迎えることから、ニーズのある施設は引き続き存続させる一方、撤退を希望するなど「役目を終えた施設に対しては、早めに事業からの 撤退をしやすくする」ことによって、事業全体の安定的な運営や適正化を図っていくとの考えを明らかにしています。

 具体的な検討はこれからになりますが、整備費等を受けて10年を経過した施設に関しては、一般の認可保育所等と同じように、放課後児童クラブや小規模保育など児童福祉法に規定する事業に施設転用する場合、整備費の返還金を求めない方向で検討されるとみられています。

 また、こうした他事業への転用が困難で、かつ事業譲渡も不調だった場合、施設を廃止するしかなくなりますが、その場合は施設の「取壊し」や「廃棄」に限って、整備費の返還を要しないことも検討される見通しです。

 このほか、企業主導型保育事業は現在、施設定員の増減を認めていませんが、少子化に伴い利用児童が減少する可能性が高いことから、一定の要件を附した上で、定員の減員を認めていくことになりそうです。

 また、令和8年度から本格実施される「こども誰でも通園制度」に対応するため、企業主導型保育事業の施設の一部転用を行う場合についても、放課後児童クラブや小規模保育などと同様に、整備費の返還金を求めない方向で検討される見通しです。

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