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高市首相の施政方針演説は保育政策に踏み込まず

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 12 分前
  • 読了時間: 2分

「こども未来戦略」の「加速化プラン」を踏襲する一方で…


 高市早苗首相は2月20日、衆参両院で施政方針演説を行い、「外交力、防衛力、経済力、技術力、情報力、そして人材力。日本の総合的な国力を徹底的に強くしていく」ことを強調しました。

 この演説の中では、「人材力」の一環として、子ども・子育て支援や保育政策について、「『こども未来戦略』の『加速化プラン』に基づき、こども誰でも通園制度の本格実施や保育士の処遇改善などの取り組みを推進する」と述べ、これまでの保育政策を基本的に踏襲する考えを示しました。

 ただ、今回の施政方針演説を見る限り、保育政策や子ども・子育て支援策は国家戦略の主軸ではなく、成長戦略や人的資本政策の一部として間接的に扱われる位置付けになっています。保育に関する直接的な言及はほとんどなく、「力い経済」「強い外交・安全保障」や「責任ある積極財政」「責任ある日本外交」が強調される中で、派生領域的な位置づけにとどまっているという印象を拭えません。

 また、「人材力」に関しては、「人材総活躍」を目指す中で、「育児、子供の不登校、介護が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進に向けた負担軽減に取り組む」ほか、「企業の活力を生かした小学生の居場所づくりや、病児保育の充実も図る」旨を語りました。

 少子高齢・人口減少に関しては、「少子化・人口減少は、我が国の活力を蝕んでいく『静かな有事』」と捉え、少子化傾向の反転を目指しつつ、実際の人口減少に対応した社会経済を構築する対策にも言及し、この両面を踏まえた「総合的な人口政策」を目指すとの考えを示しました。

 このうち、少子化対策においては、「『強い経済』の実現により、若い世代の所得を増加させていく」ほか、「子供・若者政策や子育て支援に加え、妊婦健診や出産に係る費用など、妊娠・出産に伴う経済的負担を軽減する」ことを強調しました。

 このほか、「強い地域経済の構築」に向けて「地域未来戦略」を推進することを重視する観点から、「地方の社会経済を支える行政サービスやエッセンシャルサービスの維持・効率化にも取り組む」として、「行政分野、そして医療などの準公共分野のAI・デジタル化を推進するとともに、効率的なエッセンシャルサービスの提供を支援する法的枠組みを整備する」方針を明らかにしました。

 保育や子育て支援もエッセンシャルサービスに含まれると考えられることから、保育DXやICTなどデジタル化の波がさらに推進されることになりそうです。

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