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保育者の専門性は世の中に認知されず?

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

やりがいと苦労の狭間に立たされる保育者


 公益社団法人日本こども育成協議会がこのほど、「保育従事者の意識調査」の集計結果をまとめたところ、保育者自身はやりがいや専門性の高さを感じている一方、職場環境の不十分さや世間の理解不足とのギャップに悩んでいることが明らかになりました。

 「保育の仕事の魅力や現状を、もっと世の中に知ってほしい」との想いをこども家庭庁に届けたいとの願いから、保育従事者を対象としたアンケートへ調査を実施したものです。

 それによると、「保育の仕事は専門性の高い仕事だと思うか」との問いに対して、「そう思う」が82.4%、「ややそう思う」が13.1%、「あまり思わない」が4.2%、「思わない」が0.2%となっており、回答した保育従事者の95%以上が自分たちの仕事は専門性が高いと受け止めていることが分かりました。

 ただ、その一方で、「保育の仕事の専門性の高さは世の中に認知されていると感じるか」との問いについては、「感じない」が23.4%、「あまり感じない」が60.2%、「ややそう感じる」が13.9%、「そう感じる」が2.5%となっており、保育従事者の約85%が世間からは専門性の高い仕事と受け止められていないと感じていることが分かりました。

 これに関して、自由記述をみると、保育従事者自身がが専門性を感じるものとして、①個別対応と発達支援の複雑さ、②保護者との関係構築と支援の重要性、③業務の多面性と責任の重さなどが挙げられていました(同協議会のAI分析による)。

 逆に、世の中から専門性を認知されていないと感じる要因としては、①経済的評価の低さが専門性の認知を妨げている、②仕事内容が「専門職」ではなく「簡単な作業」と誤解されている、③報酬と社会貢献度が見合っていないという認識などが挙げられていました。

 一方、「園児に充分な保育が提供できていると思うか」を聞いたところ、「充分にできている」が5.6%、「どちらかと言えばできている」が48.7%、「どちらかと言えばできていない」が38.1%、「できていない」が7.6%となっており、充分な保育が提供できていると回答した者がやや多かったものの、できていないと感じる者も半数近くいました。

 そこで、充分な保育が提供できていないと回答した者に、その理由を聞いたところ(複数回答)、「保育士の数が足りない」が83.7%と最も多く、次いで「保育以外の業務が多い」が57.8%、「自身のスキルや経験が足りない」が30.1%、「職員間のコミュニケーションが足りない」が29.2%「教育指導・研修制度た足りない」が21.1%などとなっていました。

 なお、調査は、昨年11月20日から今年1月11日までの間に、同協議会の会員園を対象に実施し、1743人の保育者から回答が得られました。同協議会は、東京都認証保育所を運営する事業者により立ち上げられましたが、現在は認証保育所をはじめ認可保育所、認定こども園、企業主導型保育園、地域型小規模保育所等を含む団体となっています。

 

*この調査では、「保育のやりがい」や「保育という仕事の尊さや重要性」「世の中に伝えたい保育の仕事の現状や魅力」などについても尋ねていますが、これらの項目については会員ページの「オリジナルコラム」で取り上げています。

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