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都市部への人口集中で地方の人口減少は加速!?

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 2 時間前
  • 読了時間: 3分

いびつな人口移動は保育機能の維持にどう影響するのか


 総務省がこのほど公表した「住民基本台帳人口移動報告」(2025年結果)」によると、東京をはじめ大都市部への人口集中が以前として続いており、特に女性のほうが地方から東京圏に流出していることが分かりました。

 このことは、少子高齢・人口減少社会において、大都市圏と地方の二極化が進むことによって、地方はより人口減少が加速する可能性が高いことを意味します。その結果、地方の保育者養成校は一段と厳しい状況に陥ることが予想され、保育人材の確保がますます困難になるかもしれません。また、地方ほど少子化が加速することにより、保育機能の維持・確保が喫緊の重要課題として浮上してきます。

 同庁の人口移動報告によると、都道府県別にみた転入超過自治体は、東京都、神奈川県、埼玉県、大阪府、千葉県、福岡県、滋賀県の7都府県しかなく、その多くが首都圏となっています。このうち転入者が1万人を超えているのは4都府県に過ぎず、中でも東京都の6万5219人が突出しています。

 市区町村別の上位10自治体をみると、大阪市の1万6090人が最も多く、次いで札幌市の1万830人、横浜市の1万805人、福岡市の8507人、東京都中央区の8505人、埼玉県さいたま市の8241人、東京都世田谷区の6842人、千葉県千葉市の6105人、東京都板橋区の5984人、東京都練馬区の5732人などとなっています。

 県庁所在地の政令市以外は東京23区のみとなっていますが、東京都全体の6万5219人のうち23区は3万9197人、区以外の市町は2万6022人の人口流入となっています。これは、前年に比べて23区は約1.9万人の減少、市町は0.5万人の増加となっていて、住宅費や物価の高騰もあってか都心回帰がやや緩和して、武蔵野市、三鷹市、立川市、町田市といった市部への分散が進んでいます。

 人口移動の状況を世代別にみると、東京圏への転入超過数のうち約8割を20代が占めており、進学や就職を機に移り住むというケースが多いことが分かります。さらに、20代で東京23区に流入した層が、就職や結婚・出産を機に30代で埼玉県・千葉県・神奈川県、あるいは東京の市部に移動する首都圏近郊への移動も見られます。

 も一つの大きな特徴は、若年女性の東京圏への一極集中が加速していることです。若年女性の地方流出が加速していると言い換えてもいいでしょう。東京都への転入超過数を男女別にみると、女性が男性を上回る傾向が続いています。

 その裏返しとして、地方の多くの市町村において、「男性よりも女性のほうが進学や就職などで県外(特に東京圏)へ流出する」傾向が強くみられます。これが地方の少子化を加速させる大きな要因となっており、東京圏一極集中を緩和し、地方の持続可能性を高めるための重要な政策課題となっています。

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