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公定価格加算の前提は保育人材の確保!

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 4 日前
  • 読了時間: 3分

人材確保・加算・質の向上という3大要素


 こども家庭庁はこのほど、令和8年度公定価格・基準等の見直し事項(案)を示しました。各種加算をはじめ質の充実に向けた見直し・改善が図られる予定ですが、気掛かりな点がないわけではありません。

 それは、加算を受けるためには保育人材を確保・配置しなければならないということです。公定価格の問題というより、人材難の中での教育・保育施設側の対応の問題と言えそうです。具体的に何が問題になるのか、公定価格の見直し事項から探ってみました。

 今回の見直しでは、「3歳児の年齢別配置基準に係る経過措置期間の終期設定(令和9年度末まで)」「学級編成調整加配の見直し」「保育所等におけるこども誰でも通園制度の実施促進のための各種加算の見直し」「障害児保育充実のための専門職の活用等」などが関係します。

 例えば、「3歳児の年齢別配置基準に係る経過措置期間の終期設定(令和9年度末まで)」に関しては、3歳児の職員配置基準が20:1から15:1に改善されましたが、そのための職員を確保できない施設の場合、激変緩和として一定の経過措置期間が設けられます。その期間が、令和9年度末(令和10年3月31日)までとなります。

 令和9年度末までに15:1の配置改善ができなければ、公定価格の減算措置が行われるということです。減算を避けるためには、15:1の配置を可能にする職員を確保しなければなりません。つまり、加算の逆である減算を受けないためには、新たな職員を確保・配置する必要があるのです。

 「学級編成調整加配の見直し」に関しては、幼稚園や認定こども園(教育標準時間認定)の場合、全ての学級に専任の学級担任を配置できるよう、配置基準に基づく「必要教員数」を超えて教諭等を加配することが可能とされています。

 これが、幼稚園設置基準の改正により今年4月から1学級35人以下から30人以下になることに伴い、加配が可能な施設の要件が現行の「36人以上」から「31人以上」に改定されます。言い換えると、加配を受けるためには、学級編成基準の下限が「36人以上」から「31人以上」になるよう職員を確保しなければならないということです。

 「保育所等におけるこども誰でも通園制度の実施促進のための各種加算の見直し」については、こども誰でも通園制度そのものに係る加算というわけではありませんが、これまで例えば主幹教諭等専任加算や主任保育士専任加算に関して、子育て支援の取組を実施していない場合に減算されるといった要件が課されていましたが、そこに乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)の実施を選択肢の一つに追加し、実施の促進を図ることにしたものです。

 こども誰でも通園制度の実施促進を図るための措置ですが、誰でも通園を実施するためにはやはり受け入れのための人材を確保する必要があります。

 「障害児保育充実のための専門職の活用等」についても、従来の「療育支援加算」のために主任保育士等の代替職員を配置することに加えて、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理担当職員などの専門職を配置または派遣を受けるための費用を算定できる新たな区分を設けることになりました。

 専門性を持った良い取り組みだと思いますが、そのためには心理担当職員などの専門職を確保しなければなりませんので、一般の保育人材以上に確保することが難しいのではないかと考えられます。

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