全世代型社会保障と地域共生社会をつなぐ存在へ
- 吉田正幸

- 1 時間前
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こども園は地域の中核拠点で、AI時代のエッセンシャルワーク
全国認定こども園協会の政策研修会がこのほど開催され、「今後の保育政策の行方と認定こども園の未来」をテーマに講演やディスカッションが行われました。
この中で、宮本太郎・中央大学教授による興味深い講演では、日本の社会保障政策が大きく転換する中で、認定こども園が果たすべき役割を「全世代型社会保障」と「地域共生社会」という2つの政策ビジョンから整理し、認定こども園の可能性を論じるなど、これまでにない視点から認定こども園のあり方を取り上げています。
大切なポイントは、①AI時代は社会の構造転換が進み、保育・介護・医療などの新たなエッセンシャルワークが重要になる、②保育・幼児教育がエッセンシャルワークとして、AIやICTの実装によるアドバンスト化(高度な、先進的な)することで、少子社会や地域に対応できるようになる、③認定こども園がアドバンスト化したエッセンシャルワークとなることで、全世代型社会保障と地域共生社会のビジョンをつなぐことができる、といった点にあります。
宮本教授による講演の概要は、次の通りです。
○日本は従来、年金・医療・介護など人生後半に社会保障支出が集中していたが、少子化と人口構造の変化により、子ども・子育て支援を中心とした人生前半への支援強化(全世代型社会保障)が不可欠となっている。
○一方で、若い世代は賃金が伸びず、税・社会保険料負担への不満が強く、減税要求が強まることで、子育て支援財源が逆に不安定化するリスクがある。
○さらに、AIやICTの急速な進展により、ホワイトカラー業務は縮小し、保育・介護・医療などの「エッセンシャルワーク」が社会の中心産業となる構造転換が進む。
○その中で、保育分野はAIやICTを活用することで高度化(アドバンスト化)し、処遇改善・業務効率化を図れる可能性がある。
○同時に、地域共生社会の視点からは、「支える側」「支えられる側」という二分法を超え、「つながる場」「つなぐ支援」を地域に構築することが重要であり、認定こども園は地域の中核的な拠点となるべきである。
○そのためには、給付付き税額控除など新たな所得支援政策と組み合わせながら、保育・幼児教育・子育て支援を地域全体で担う仕組みづくりが求められる。
○こうしたことを考えると、認定こども園は全世代型社会保障と地域共生社会をつなぐ「地域の中核拠点」であり、AI時代のエッセンシャルワークとして社会の中心に位置づく可能性を持っている。
なお、この講演をChatGPTで論点整理したものが、以下の諸点になります。
講演の要点整理
(1)社会保障は「人生後半中心」から「人生前半中心」へ転換している
従来:年金・医療・介護中心(高齢期中心)
今後:子ども・子育て支援へ重点移動(全世代型社会保障)
認定こども園は、この転換の「中心的制度」になりうる
(2)若い世代は「支える力」が弱くなり、負担感が増している
非正規雇用拡大
実質賃金が伸びない
税・社会保険料控除への不満が強い
その結果、「減税の大合唱」が起き、子育て財源が危うくなる
(3)全世代型のはずなのに、子育て支援は「対立」を生みやすい
「子持ち様」などの反発が出る背景には
子どもを持つ世帯の年収が相対的に高い
独身・低所得層が「自分が損している」と感じる構造
結果として「子育て支援=独身税」という受け止めが広がる
(4)少子化の核心は「結婚する人が減ったこと(有配偶率低下)」
児童手当強化だけでは限界
若者の所得と生活基盤を安定させる政策が必要
ただし政府が掲げた「三位一体の労働市場改革」は、AI時代には現実的でない
(5)AI・ICTの進展で「仕事の序列」が逆転する
事務職・ホワイトカラーはAIに置き換えられやすい
一方、保育・介護・医療など対人サービスは代替されにくい
よって、保育は「未来の中心産業(エッセンシャルワーク)」になる
(6)保育は「高度化(アドバンスト化)」と「普遍化(ユニバーサル化)」が鍵
高度化:AI・ICT導入で業務効率化、質向上、処遇改善へ
普遍化:多様な人材(補助者等)を巻き込み、地域全体で支える仕組みを拡張
スウェーデンなど海外でも、保育業務を分解し、専門職が子ども対応に集中する改革が進む
(7)給付付き税額控除が「分断を抑え、働く若者も支える仕組み」になる
低所得で税控除しきれない分を現金給付する制度
子育て世帯も独身の低所得者も同じ枠組みで支援できる
エッセンシャルワークの底上げ政策として重要
(8)地域共生社会とは「つながる場」「つなぐ支援」を地域で作ること
支える側/支えられる側という単純な分け方が崩れている
若者も子どももリスクを抱える「生活困難層」が増えている
地域共生社会の方法論は「つなぐ参加支援」
(9)重層的支援体制整備事業が地域共生社会の制度的基盤
介護・障害・子ども・困窮など縦割りを超えて相談を受ける仕組み
認定こども園がその地域ネットワークの重要な拠点になりうる
(10)生成AIは「相談支援の入口」になり、園の役割はむしろ重要化する
保護者が保育士よりAIに相談する現象が起きている
AIは便利だが依存や誤誘導リスクもある
だからこそ園は
AIを活用しつつ
人間にしかできない「共感・関係形成・場づくり」で支える必要がある

