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地域の実情に応じた弾力的な人材確保対策を

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 7月29日
  • 読了時間: 2分

厚労省の検討会が2040年に向けた福祉サービスで課題提起


 厚生労働省の「2040年に向けたサービス提供体制等のあり方」検討会はこのほど、少子・高齢化や人材難が深刻化する2040年を念頭に置いて、介護・障害福祉・保育分野のサービス提供体制の構築を目指した「とりまとめ」を公表しました。

 少子・高齢化の程度や人口減少のスピードは、地域によって大きな差があるだけでなく、介護・障害福祉・保育のサービス需要や供給状況にも地域差があるため、同検討会では「地域軸」「時間軸」の両面から福祉サービス提供体制の今後のあり方について検討した。いずれの分野においても人材確保が大きな課題とされているが、その中でも保育分野においては地域の実情に応じたきめ細かい対策を講じていくことが強調された。

 地域軸については、地域における人口減少・サービス需要の変化に応じて、全国を「中山間・人口減少地域」「大都市部」「一般市等」という3つの地域に分類した上で、「テクノロジー等も活用し、その地域の状況に応じたサービス提供体制や支援体制を構築していくことが重要である」との考えを示している。

さらに、保育に関しては、地域における就学前人口減少・保育需要の変化に応じて、「中山間・人口減少地域」の中でも①中山間地域や離島を中心とした既にこどもが少ない地域、「大都市部」や「一般市等」の中でも②就学前人口減少が今後加速度的に進んでいく地域、③都市部を中心として局地的に待機児童の発生やこどもの急激な減少が生じながら全体としては緩やかに就学前人口が減少していく地域といったように、少子化のスピードの違いを踏まえて、さらに細かく分類し、対応方策を講じていく必要があると指摘している。

 このうち、人口減少が著しい地域に関しては、既存の保育施設・事業のダウンサイジングをはじめ、保育所等の多機能化、法人間の連携、合併・事業譲渡、統廃合等を進めていく必要があるとしている。

 また、こうした地域では、「保育士のような専門職の確保は特に困難である」と考えられることから、「常勤・専従要件など、様々な配置基準について弾力化していくことが考えられる」として、地域の実情に応じた人材確保対策を講じていくよう求めている。

 このほか、計画的に保育機能を維持・確保していくためには、市町村が中心となって①地域分析に基づいた地域課題を認識し、②中長期的な視点も踏まえつつ、③必要な対応方策を計画で定めていくといった市町村の役割の重要性を指摘している。


*この情報に関しては、会員ページの「ニュース配信」で詳しく取り上げています。

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