保育園が不動産投資のターゲットに!
- 吉田正幸
- 2 日前
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保育園に着目した投資ファンドの創設や保育園信託も
三菱UFJフィナンシャル・グループ等の金融機関や不動産事業・リース事業企業などがこのほど、社会的な貢献度の高い不動産に着目した新たなファンドを立ち上げ、保育園や賃貸住宅、シェアオフィス、ホテルなどを組み込んだ投資を展開することになりました。「Quality of Life(生活の質)」の向上をテーマにしたもので、「QOLファンド」と呼ぶそうです。
また、三菱UFJ信託銀行は、保育園や老人ホームの不動産を小口化した「保育園信託」と「有料老人ホーム信託」を商品化しています。
QOLファンドも、保育園信託も、ESG(環境Environment、社会Social、ガバナンスGovernance)という企業が長期的成長を目指す上で重視すべき観点に配慮した企業に投資するというものです。保育園の場合、待機児童の解消に貢献したり、働く女性の仕事と子育ての両立を可能にするという意味では、確かに社会課題の解決を担う事業ではあるかもしれません。しかも、景気変動や金利上昇といった変化に左右されにくいという収益の安定性もあります。
とはいえ、決して事業規模が大きいわけでもなく、今後は少子化で待機児童も減少し、むしろ定員割れの可能性さえある中で、保育園が投資の対象になるとは驚きです。もっとも、大手保育チェーンの場合、テナントである保育園の運営会社と長期の固定賃料契約を結んでいるケースも多く、他の物件に比べれば賃料収入も安定しているとは言えそうです。
なお、QOLファンドは、収益が安定している保育園や、インフレに強い住宅・オフィス、一定の需要が見込めるホテルを組み合わせ、これらへの不動産投資を通じて、地域社会にポジティブな効果をもたらす社会的インパクトと投資リターンの両立を目指すそうです。
これに対して、保育園信託は、文字通り保育園に特化した「不動産小口化商品」として、1口当たり1万円程度から数百万円程度といった小口単位で販売し、不動産運用によって得られた賃料収入などを投資額に応じて出資者に分配するというものです。
ちなみに、今回のQOLファンドには、株式会社さくらさくみらいが運営する認可保育所6園が組み込まれているそうです。