血圧計や体重計、体温計などを販売しているオムロン ヘルスケア株式会社(本社所在地:京都府向日市)がこのほど、子どもの運動会に参加した経験のある30~50歳代の父親1056人を対象に、参加競技での転倒や負傷の実態について調査したところ、1割以上の父親が転倒や負傷したことがあると回答していることが分かりました。
転倒や負傷をした人に、その理由を聞くと、「想像より身体が動かなかった」「準備運動をしなかった」「はりきりすぎた」などと回答しており、日頃の運動不足がたたって転んだりケガをしたりしていることが明らかになっています。
コロナ禍で通勤する必要のない在宅ワークが増えたことも運動不足に拍車をかけた可能性がありますが、同時に晩婚化・晩産化の流れの中で父親の年齢が上がっていることも影響しているのかもしれません。本人が気をつけることが一番であり、日頃から運動習慣をつけることが大切ではありますが、幼稚園や保育園、認定こども園など運動会を主催する側も、子どもだけでなく保護者の安全管理にも留意しておく必要がありそうです。
調査は、幼稚園・保育園~小学校3年生までの子どもがいる、運動会参加経験のある全国の父親30代~50代1056人を対象に、運動会に関する意識調査(インターネット調査)を実施したものです。
それによると、運動会に行って競技にも参加したことのある人は約60%に上っていて、競技に参加したことのある人のうち転倒や負傷したことがある人は約12%と、10人に1人以上いることが分かりました。転倒や負傷をした人は、「想像していたほど身体が動かなかった」「準備運動をしなかった」「はりきりすぎた」などと回答しており、日頃の運動不足が転倒や負傷につながっているようです。
転倒や負傷をした競技は「リレー」が最も多く、次いで「障害物競走」「徒競走」などとなっていました。転倒や負傷をした状況は、「バトンを渡したあと止まりきれずに転倒」「ハードルを飛び越えられなかった」「だんだん疲れてきて足がもつれてしまった」「カーブでバランスを崩して転んだ」など、足がもつれて転んだり、バランスを崩したりしたことが多かったようです。
普段の運動習慣(1回30分以上の運小津)について聞くと、「ほとんどしていない」が約40%と最も多く、次いで「週2~3回」が18%、「ほぼ毎日」が17%、「週1回」が12%などとなっていました。
今回の調査結果に関して、京都大学大学院医学研究科の青山朋樹教授は、「10月の運動会のあとは、お父さん世代の外来受診が増える傾向があります。そのなかでも転倒による身体の痛みや打撲などが多く、重症のケースでは骨折や靭帯、腱断裂している場合もあります。診察すると、運動会などで急に動いたことが理由で、普段の運動不足が原因の人も多くいます」「調査から仕事中に座り姿勢の人が多いことがわかりました。座り姿勢が多い人は、脚や腰の筋力が低下していることがあります。なぜなら、姿勢が前かがみになることが多く、腰回りが凝り固まり動きづらくなるからです。こうした状況のなかで、リレーや障害物競走など全身を使う運動を急にすると、思ったように身体が動かきません」などと説明しています。
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