若者や女性にも選ばれる自治体とは?
- 吉田正幸
- 5 日前
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生活満足度や地域の未来の捉え方に自治体間で大きな差!
若者・女性にも選ばれている自治体と、真逆の自治体を比較したところ、若者や女性にも選ばれる自治体では人口規模の大小にかかわらず、生活満足度が平均的に高いことが分かりました。調査結果からは、子育て支援も大切な役割を担っていることが明らかになっています。言い換えると、規模の小さな自治体であっても、創意工夫によって若者や女性の満足度を高められる可能性があるということです。
これは、グローバル対応や地方創生2.0及び持続可能な地方行財政の重要課題をテーマに、政府の経済財政諮問会議が開かれた際、内閣府から提出された参考資料に載せてあった「若者や女性にも選ばれる地域の特性に関する特別調査」から見られた特徴です。
この特別調査は、今年3月に全国2万人を対象にアンケート調査を実施し、このうち1万人は人口20万人未満で相反する2つの特徴を持つ自治体(各140自治体)を重点的に調査したものです。
その特徴とは、「若者・女性にも選ばれている自治体(楽しい地方)」で、転入超過であり、平均年齢が低下あるいは全国平均より上昇が緩やか、または15~64歳人口の女性比率が上昇した自治体です。それと対照的な自治体(対照群)は、転出超過であり、平均年齢が全国平均より上昇した、または15~64歳人口の女性比率が低下した自治体です。
この2パターンの自治体を比較してみると、各分野別の満足度のうち「住宅・住環境」「子育てのしやすさ」「生活の楽しさ・面白さ」で両者の差が大きいことが明らかになっています。
もう少し具体的に見てみると、生活満足度「「全く満足していない」を0点、「非常に満足している」を10点とした点数の平均)では、次のような違いが見られました。
◇人口5万人未満の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が5.98であるのに対して、対照群の自治体が5.73
◇人口5~10万人規模の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が6.02であるのに対して、対照群の自治体が5.74
◇人口10~20万人規模の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が6.03であるのに対して、対照群の自治体が5.84
また、「地域の10年後の未来は明るいと思う」については(「全く思わない」を0点、「非常に思う」を10点とした点数の平均)、次のような差が現れていました。
◇人口5万人未満の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が4.80であるのに対して、対照群の自治体が3.52
◇人口5~10万人規模の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が5.09であるのに対して、対照群の自治体が3.89
◇人口10~20万人規模の自治体:若者・女性にも選ばれている自治体が5.21であるのに対して、対照群の自治体が4.38
こうした結果に関して、若者や女性にも選ばれる自治体では、対照群の自治体と比較して「自身が現在住んでいる地域の10年後の未来が明るいとする傾向」が高いとしています。
特に、若年女性の「地域の10年後の見通し」が比較的高い自治体として、以下のような例が挙げられています。
○石川県かほく市:子育ての支援と相談の窓口を総合センターに一本化し体制整備、保護者同士のつながり形成にも寄与。若年層や新婚世帯の住宅取得を支援。
○千葉県流山市:駅前に送迎保育ステーションを設立。子どもの成長に伴う住み替え希望に応える相談窓口を開設。