今年10月から保護者によるカスハラ防止を義務化
- 吉田正幸

- 8 分前
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保育現場の環境整備で保育者の離職防止を
令和7年6月に労働施策総合推進法が改正されたことにより、カスタマーハラスメント防止のために、事業主が雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととされました。実際に施行されるのは令和8年10月1日からと半年後に迫っていることから、こども家庭庁はこのほど、保育現場におけるハラスメント防止対策の推進についての対応方針を示しました。
それによると、保育所や幼稚園、認定こども園等においても「職場環境改善を進める上で、ハラスメント対策の取組を講じることは重要である」として、保育現場の対応に役立つ関係情報の提供・周知や、ガイドラインや研修資料等の作成・周知、制度的な対応の在り方についての検討などに取り組む考えを示しています。
ハラスメントの措置については、セクシャルハラスメントが平成18年の改正男女雇用機会均等法、パワーハラスメントが令和元年の改正労働施策総合推進法で義務化され、今回の改正労働施策総合推進法でカスタマーハラスメントも義務化されることになりました。
今回の法改正によるポイントは、保護者によるカスハラ防止に向けて、保育現場においても雇用管理上の措置が義務づけられたことです。義務の内容は、保育現場における相談体制の整備や、被害への実効的な抑止措置、事後の迅速な対応などとなっています。カスハラと認められる対象は、保護者などによる社会通念上許容される範囲を超えた言動とされています。
要するに、カスハラ等の保護者対応が、職員個人や現場の裁量に任せる問題ではなく、組織(園)として対応すべき法的義務の対象になったということです。
こうした対応が保育現場で講じられるよう、国としては、保育現場の対応に役立つ関係情報について周知を行うほか、令和8年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業により、①保育現場における職員の就業環境保護に係るガイドライン、②管理者・職員向けの研修資材、③周知・啓発用配布資材の作成といったことが予定されています。
具体的には、保育所や幼稚園、認定こども園等の保育現場において、法律が施行される今年10月までに次のような対応を講じることが求められます。
○園としての対応方針とルールの明確化(就業規則や園内規程などの見直し)
・カスハラの定義(何がカスハラに該当するかの定義)
・園としての対応方針の明確化(就業規則への明記)
・職員や保護者への周知
○相談体制の整備
・相談窓口の設置(担当者の設定)
・報告ルートや報告ルールの確立
○事案発生時の対応フローの整備
・事実関係の確認(初期対応)
・組織的な対応(複数対応)
・外部機関との連携
・職員への教育とケア(研修やメンタルヘルスケア)
これらの対応を適切に講じることによって、職員が安心して働ける環境を整え、保育人材の離職防止・定着促進につなげること、ひいては保育の質の維持・向上を図ることが期待されます。

