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人口減少社会の保育政策の行方は
水面下で動き始めた政策検討の姿 こども家庭庁はこのほど、令和11年度以降の保育政策のあり方を検討するため、「今後の保育政策を考える会」を立ち上げ、7月14日に初会合を開きました。この「考える会」は3回程度の開催が見込まれており、来年夏頃には一定の取りまとめを行う予定です。 ただ、一般に公開されるのは、いわば“表”の「考える会」だけで、これとは別に有識者や保育関係団体の関係者による“裏”の「考える会」も非公開で開かれます。既に、7月17日には有識者による会議と保育関係団体関係者による会議がそれぞれ別に開かれていて、こちらの会議も3回程度開かれるのではないかと見られています。 そうした性格の会議であるため、水面下で行われている会議の内容を公に詳しく伝えることができません。とはいえ、会議の持ち方や運営の仕方など、これまでにないスタイルを取っていることも含めて、今後の保育政策に関する課題や方向性、こども家庭庁の考えなどを、可能な範囲で少しずつ明らかにしていきたいと思います。 現時点で分かっていることは、14日に開かれた「考える会」は、有識者や

吉田正幸
3 日前


こ家庁の「今後の保育政策を考える会」が初会合
法改正も視野に新たな保育政策を目指す こども家庭庁はこのほど、「今後の保育政策を考える会」を立ち上げ、令和11年度以降の保育政策のあり方について検討に乗り出しました。審議会や検討会といった従来の検討体制ではなく、自由闊達な意見を期待して、「考える会」という新しい会議のスタイルをとっているのが特徴です。 また、この考える会は、正委員とも言うべき構成員のほかに、多様な角度からの意見を期待して特別構成員も置いており、特別構成員は有識者と保育団体関係から成ります。それぞれ3回程度の会議が開かれ、来年7月頃には一定の考えを取りまとめる予定となっています。それを踏まえ、同庁では必要な法改正の作業に入るのではないかと考えられます。 同庁が一昨年12月に示した「保育政策の新たな方向性」は、令和10年度末までを見通したもので、令和11年度以降の保育政策については明確な方向性は示されていませんでした。特に、子ども・子育て支援制度に基づいた地方版子ども・子育て支援事業計画は現在、第3期(令和7~11年度)に入っており、国としても令和12年度からの第4期計画に向け

吉田正幸
7月14日


国の財政支援に必要な市町村の実施計画とは
計画を策定・採択されない市町村の財政支援は先細りに? こども家庭庁は令和7年度から「保育提供体制の確保のための実施計画」に基づいた財政支援を行っています。これは、同庁が示した「保育政策の新たな方向性」を踏まえて、市区町村が実施計画を作成し、採択を受けた場合、施設整備交付金や保育士宿舎借り上げ支援事業などの財政支援がうけられるようにするというものです。 言い換えると、市区町村が実施計画を作成し、国から採択されなければ、必要な財政支援を受けられないということでもあります。ちなみに、令和7年度に採択された市区町村数は645市区町村で、1741市区町村の4割弱となっています。 これが今年度から、市区町村の地方版子ども・子育て会議に諮問し、承認を得なければならないことになりました。各市区町村の実情を踏まえた計画期間内の保育需要の把握が十分かどうか、需要に対する提供体制が確保できているかどうかなどを確認する観点から、地方版会議での承認を得る必要があるとされたためです。 実施計画は、採択分類が①待機児童対策、②人口減少対策、③地域の課題に応じた対策とい

吉田正幸
6月23日


看護師の養成・確保に向けた検討に着手!
保育士等の養成・確保策についての検討は? 厚生労働省では現在、「2040年に向けた看護職員の養成・確保の 在り方に関する検討会」を立ち上げ、看護師等の養成のあり方や確保策について検討を重ねています。4月に第1回会議、5月に第2回会議を開き、今月22日に第3回会議(予定)と毎月開催しており、今年冬頃には検討結果を取りまとめることにしています。 実は、看護師と保育士の養成・確保をめぐる問題状況は非常に似ていることから、その検討結果は保育士の養成のあり方や確保策を考える上で大いに参考になると考えられます。というより、保育人材の養成・確保のあり方についても、こども家庭庁は早急に検討に着手してもらいたいものです。 その期待も込めて、看護職員の養成・確保の在り方に関する検討会で示された各種資料を基に、看護職員の養成・確保に関する主な論点を整理するとともに、保育士等との共通点や類似点を指摘しておきたいと思います。 なお、今回始まった「2040年に向けた看護職員の養成・確保」の議論は、単なる人材不足対策ではなく、人口減少社会において「量の確保」と「質の向上

吉田正幸
6月16日


保育所等にもスポットワーク活用の動きが!
保育分野でのスポットワークのメリットとリスクとは 少子化の進行により定員割れに見回れる保育所等も増えつつありますが、それ以上に深刻なのが保育人材の確保です。こうした中、徐々に拡がりつつあるのが、1日単位や時間単位で限られた時間だけ働く「スポットワーク」です。既に一般企業等では、スマートフォンなどのマッチングアプリを利用して、スポットワーク=スキマバイトの活用が当たり前のように行われていますが、その動きが保育分野でもみられるようになってきました。 こども家庭庁の令和7年度調査研究事業の一環として、有限責任監査法人トーマツがまとめた調査研究報告書によると、スポットワークで働く者を雇用する(した)理由としては、「保育業務に必要な人員を確保するため」「より手厚い配置にす るため」「保育の周辺業務(補助業務)に必要な人員を確保するため」などが挙げられていました。 スポットワークを活用しようとする背景には、厳しい人材難が続く中で、配置基準上やむにやまれず活用する側面と、ギリギリで回している保育者の負荷を少しでも下げようとする面と、病気その他で急に欠勤し

吉田正幸
6月2日


保育所等の合併・事業譲渡で初のガイドライン
実例を調査した上で具体的なポイントや留意事項などを解説 保育所や幼稚園、認定こども園などの合併・事業譲渡等が増えていくと予想されています。しかし、その一方で、合併や事業譲渡等をスムーズに進めていくための情報や知見、手法が十分ではなく、地方自治体によるローカルルールと呼ばれる独自の対応を求められる問題などもあって、多くの課題を抱えているのが実情です。 こうした状況を踏まえて、こども家庭庁の調査研究事業の一環として、合併・事業譲渡等に関する実態を調査し、ガイドラインを作成するとともに、自治体ルールの有無・内容などを整理した報告書が、このほど公表されました。保育関係で合併・事業譲渡等の実態を調査し、円滑な実施のためのガイドラインをつくったたのは初めてのことです。 それによると、合併・事業譲渡後に問題を引きずらないための事前調査の重要性や、自治体により異なる申請手続きへの対応、合併・事業譲渡等に伴う職員・保護者・地域への配慮事項など、具体的な課題を踏まえたガイドラインを作成し、実施に際してのポイントや実際の手続き等について解説しています。...

吉田正幸
5月22日


政策効果の有無により予算の見直しへ!?
子ども・子育て関連補助金の包括化も課題に 政策効果の観点から補助金や税制について、必要な見直しを進めようという動きが加速しています。トランプ政権でイーロン・マスク率いる米政府効率化省(DOGE)になぞらえて、日本版DOGEとも呼ばれる「租税特別措置・補助金見直し担当室」が昨年11月、内閣官房の行政改革・効率化推進事務局に設置されましたが、まずは来年度概算要求をターゲットに予算見直しに向けた検討が始まりました。 その一環として、租税特別措置・補助金見直しに関する関係閣僚等及び副大臣会議がこのほど開かれ、租税特別措置・補助金・基金の適正化に関する今後の取組について協議しました。この日の会議では、「租税特別措置・補助金・基金の適正化に向けた提案募集の結果」が明らかにされ、その中で子ども・子育て支援に関して、「⼦ども・⼦育て⽀援制度全体が複雑化しており、全体の⾒直しを含めた改善が必要」として、次のような意見が示された。 ◇⼦ども・⼦育て⽀援に関する補助等の制度が積層化。運⽤が過度に複雑化しており、情報開⽰も不⾜している。 ◇出⽣数が減少を続ける中で、

吉田正幸
4月25日


今年10月から保護者によるカスハラ防止を義務化
保育現場の環境整備で保育者の離職防止を 令和7年6月に労働施策総合推進法が改正されたことにより、カスタマーハラスメント防止のために、事業主が雇用管理上必要な措置を講じなければならないこととされました。実際に施行されるのは令和8年10月1日からと半年後に迫っていることから、こども家庭庁はこのほど、保育現場におけるハラスメント防止対策の推進についての対応方針を示しました。 それによると、保育所や幼稚園、認定こども園等においても「職場環境改善を進める上で、ハラスメント対策の取組を講じることは重要である」として、保育現場の対応に役立つ関係情報の提供・周知や、ガイドラインや研修資料等の作成・周知、制度的な対応の在り方についての検討などに取り組む考えを示しています。 ハラスメントの措置については、セクシャルハラスメントが平成18年の改正男女雇用機会均等法、パワーハラスメントが令和元年の改正労働施策総合推進法で義務化され、今回の改正労働施策総合推進法でカスタマーハラスメントも義務化されることになりました。 今回の法改正によるポイントは、保護者によるカス

吉田正幸
4月1日


私幼の7割が施設型給付に移行したが
都道府県によって大きく異なる移行率/こども家庭庁の調査 こども家庭庁がこのほど、令和7年度私立幼稚園の子ども・子育て支援制度への移行状況等調査の結果をとりまとめたところ、全国の私立幼稚園の7割が施設型給付に移行しており、令和8年度末までには8割近い園が給付園になる見通しであることが分かりました。とはいえ、「将来的にも移行する見込みはない」との回答や無回答が1割程度あることを考えると、1~2割程度の園は最後まで私学助成に残る可能性がありそうです。 また、都道府県別の移行状況をみると(令和8年度末までの移行予定を含む)、7県が施設型給付園が100%、つまり私学助成園がゼロになる見込みとなっています。逆に、移行率が50%以下のところは3都県、60%以下のところは4府県あるなど、都道府県によって移行状況に大きな開きのあることも明らかになっています。 移行しない園には、子ども・子育て支援制度や給付を受けることへの不安・心配など、十分に制度や仕組みを理解しないまま移行をためらっているところが少なくありません。中には、認定こども園への移行を認められないケ

吉田正幸
3月23日


向こう5年間で減らないのは3号子どもだけ!
全市区町村の第 3 期事業計画上の需要見込みが判明 こども家庭庁は3月18日、第14回こども家庭審議会の子ども・子育て支援等分科会を開き、様々なこども政策の進捗状況をめぐって協議しました。この中で第3期市町村子ども・子育て支援事業計画における「量の見込み」と「確保方策」が明らかになりました。 それによると、第3期市町村事業計画(令和7~11年度)における量の見込み(保育需要)は、向こう5年間で1号認定が2割近い減少、2号認定が1割弱の減少、3号認定がほぼ横這いになっています。これまでは女性就業率の上昇によって保育需要が押し上げられてきましたが、その影響を打ち消すほど少子化が進行していることの表れだと言えそうです。 ただ、今回明らかになったデータは、あくまでも全市町村の計画上の数値を総合化しただけであって、人口減少が加速している市町村においては供給過剰が進んでおり、教育・保育施設の多機能化や統廃合、合併・事業譲渡などを視野に入れた対応が求められそうです。 なお、同庁では、様々な地域の状況や特性を踏まえて計画を策定したり、必要な対策を講じる必

吉田正幸
3月20日


アフォーダブル住宅は子育て支援効果が高い!
住まいの問題は少子化対策の「一丁目一番地」? “アフォーダブル住宅”という言葉を聞いたことがあるでしょうか。 アフォーダブル住宅(Affordable Housing)というのは、直訳すると「手頃な価格の住宅」のことで、一般的には「住居費が世帯収入の30%以下に収まる住宅」を指すそうです。 子育て世帯にとっては、経済的負担の軽減につながるほか、家賃の高騰に左右されにくいため転居リスクを低減できたり、利便性の高い場所に比較的安く住めることで職住近接を実現できたりするメリットがあると言われています。 さらに、家賃が安いだけではなく、転落防止のベランダや段差の解消、防音性の向上、ベビーカー置き場の確保、見守りサービス、子育て相談など、「子育てに適した質」も重視されているのが特徴です。 こうした中、マンション価格や家賃が高騰し続ける東京都は、「東京都の少子化対策2025」の中で、安心して子どもを産み育てることができる社会の実現を目指す一環として、「官民連携アフォーダブル住宅供給促進ファンド」の組成を進めています。これは、民間活力を活用しながら、子

吉田正幸
1月13日


保育機能の確保・強化に役立つ地域分析ツールの開発へ
人口減少地域におけるモデル事業を今年度補正予算案に計上 人口減少地域における保育機能をどう維持・確保するかについて調査研究し、具体的な政策立案に役立てようと、こども家庭庁は来年度予算にそのための経費を盛り込み、「人口減少地域における保育機能確保・強化のためのモデル事業」に取り組むこととしています。 これに関して、先ごろ決まった今年度補正予算案にその一部が前倒し的に計上され、保育施設等における取り組みに加えて、地域分析のためのモデル事業も実施することが決まりました。これにより、過疎地等に限らず、幅広く人口減少地域における保育機能の確保・強化が図られるよう、市町村が活用できる地域分析ツールの開発が進みそうです。 人口減少地域と一口に言っても、その程度やスピードなど様々であり、それに応じて対策も多様であることから、「人口減少が進む状況においては、地域ごとのデータ分析を進め、地域によって異なる課題や事情に応じた支援を行っていく」とともに、「市町村において今後の地域の保育所等についての課題や将来像をEBPM的な視点で検討していくことのできるよう地域分

吉田正幸
2025年12月4日


認定こども園の数が10年間で4倍に増加!
幼稚園・保育所に比べて認定こども園の一人勝ち? こども家庭庁はこのほど、「認定こども園に関する状況について(令和7年4月1日現在)」を公表しました。それによると、認定こども園の園数は前年度より729園増えて1万1212園となり、2015年度に子ども・子育て支援新制度が始まってからちょうど10年間で4倍近く増えたことが分かりました。園児数についても、前年より3万4489人増の121万5916人となり、この10年間で10年間で3倍以上増えています。 少子化の影響を受けて、幼稚園だけでなく保育所も園数、園児数とも減ってきている中で、認定こども園の園数、園児数だけが増え続けており、今後さらに認定こども園の存在感が高まりそうです。特に、幼保連携型認定こども園については、この10年間で園数が4倍も増えて認定こども園全体の7割近くを占めるなど、認定こども園の中核的な存在になっています。 また、他の類型についても、幼稚園型は10年間で約3倍、保育所型は6倍以上増えており、保育所型が大幅に増えていることが分かります。これは、女性就業率の上昇に伴う保育ニーズの

吉田正幸
2025年12月1日


認可外保育施設の状況は類型によって千差万別
認可外保育施設への一定のニーズをどう捉えるか こども家庭庁はこのほど、認可外保育施設の状況を調べた令和6年地域児童福祉事業等調査結果の概況を公表しました。それによると、認可外施設の類型によって3歳未満児の割合や保育従事者の状況、開所時間、利用料などに大きな違いのあることが分かりました。 ただ、待機児童が減少してきたとはいえ、それでも認可外保育施設には一定のニーズがあり、利用児童数は昨年10月1日現在で8万7810人に及びます。一般の認可保育所等に比べて利用料が高いにもかかわらず、それだけの利用児童がいるということは、認可施設ではカバーし切れていないニーズに応えているという見方もできるだけに、今後の保育のあり方を考える上でさらなる調査・分析が求められそうです。 認可外保育施設の類型は、「事業所内保育施設」「ベビーホテル」「ベビーシッター事業者」「その他認可外保育施設」の4つで、その他認可外保育施設には東京都の認証保育所なども含まれると考えられます。 これらの類型について、3歳未満児の占める割合をみると、事業所内保育施設が約65%、ベビーホテ

吉田正幸
2025年11月3日


利用ニーズほど増えない一時預かり事業
こども誰でも通園制度に流れる可能性も こども家庭庁の令和8年度概算要求の中で、人件費等の上昇に対応するため、一時預かり事業の補助金額がベースアップされました。ただ、同庁の資料によると、実施か所数こそ増えているものの、延べ利用児童数は必ずしも増えておらず、10年前に比べてむ...

吉田正幸
2025年9月12日


保育の質の向上につながる第三者評価の改善へ!
評価スケールを使って保育実践の改善・見直しを 子ども家庭庁の来年度概算要求がまとまりましたが、この中で新規事業として「保育所等における第三者評価改善モデル事業」2000万円が盛り込まれています。保育の質の向上に対する期待や関心が高まる一方で、エビデンスベースで質の向上につ...

吉田正幸
2025年9月9日


少子化による保育所の園児減が鮮明に!
定員充足率の低下は少子化に加えて保育人材難も影響 子ども家庭庁はこのほど、保育所等関連状況取りまとめ(今年4月1日現在)を公表しました。それによると、保育所等の利用児童数が前年より2.7万人減の268万人と、270万人を下回ったことが分かりました。270万人を下回ったのは...

吉田正幸
2025年8月31日


保育者の平均給与が月額30万円台に
人材確保の費用増加が経営データにも反映?!/経営実態調査 こども家庭庁はこのほど、令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査集計結果を公表しました。それによると、保育所、幼稚園、認定こども園の常勤保育者1人当たり給与月額が、いずれも30万円台に上がったことが分...

吉田正幸
2025年8月6日


こども家庭庁が幹部級人事異動を発令
藤原成育局長が官房長、中村官房長が成育局長に 誕生して3年目を迎えるこども家庭庁は、7月8日付で人事異動を発令しました。それによると、藤原成育局長と中村官房長の入れ替え人事が行われたほか、長官官房、成育局、支援局それぞれで課長級の人事異動も行われました。今回の幹部級人事...

吉田正幸
2025年7月8日


保育人材の確保で重要な課題が明らかに
小規模施設の優位性、地方から都市部への人材流出、養成校の危機etc. 三菱UFJリサーチ&コンサルティングがこのほど、「保育人材確保にむけた効果的な取組手法等に関する調査研究報告書」をとりまとめました。これは、こども家庭庁の令和6年度調査研究事業の一環として行われたもので...

吉田正幸
2025年5月28日
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