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日本の平均園児数は諸外国より多いが…(OECD調査)

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 5 日前
  • 読了時間: 3分

子ども10人当たり保育者数は諸外国並み?


 OECD(経済開発協力機構)が先ごろ、国際幼児教育・保育従事者調査2024の調査結果をまとめたところ、日本の1園当たり平均園児数は91.6人で、調査対象となった15か国・地域の中で2番目に多く、子ども10人当たりの平均保育者数では、中位にある多くの国とほぼ同程度の2.0人であることも明らかになりました。

 調査は、日本の場合、 全国の国公私立幼稚園・保育所・認定こども園から無作為に抽出した園の園長や保育者(幼稚園教諭、保育士、保育教諭等)を対象に実施。189園の園長と保育者から回答を得たものです。

 それによると、1園当たり平均園児数は、フラマン語圏(ベルギー)が117.4人と最も多く、次いで日本の91.6人、スペインの87.4人、モロッコの73.5人などとなっています。ちなみに、フィンランドは67.1人、ドイツは65.9人、スウェーデンは52.7人で、やはり日本の園児数の多さが際立っています。

 また、子ども10人当たりの平均保育者数は、コロンビアが7.5人、デンマークが5.2人、チリが4.3人、ノルウェーが3.6人、スウェーデンが2.8人、フィンランドが2.7人などで、日本は下位から4番目となっています。

 ただ、これらのデータを掘り下げて見てみると、日本特有の状況がうかがえるとと同時に、今後の課題が浮かび上がってきます。

 例えば、日本の平均園児数91.6人は、2018年調査の116.3人に比べると25人近くも減っており、少子化の影響が顕著に見られます。このまま少子化が進めば、日本の平均園児数はヨーロッパに近づいていく可能性があります。

 また、日本の平均園児数の分布をみると、園児数が多い上位25%群の平均は162.0人、下位25%群は30.0人となっており、園による規模のバラツキが大きいことが分かります。これが、少子化の進行によって、人口減少地域では大幅な定員割れ(園児減少)に見舞われることが予想されるため、園による規模のばらつきが拡大する可能性があります。

 一方、子ども10人当たりの平均保育者数について、日本の2.0人というのは、スウェーデン2.8人、フィンランド2.7人、スペイン2.5人、ドイツ2.4人などと比べて、極端に悪いようには見えませんが、日本の特質(3歳未満児と3歳以上児で職員配置が大きく異なる、3歳未満児の入園率が上がっている)を考慮すると、子どもと保育者の比率は必ずしも良くないのではないかと考えられます。

 このほか、園と保護者との「公式なコミュニケーション」の頻度を聞いたところ、日本は 月に1回以上の頻度で行っていると回答した割合が93.2%で、参加国・地域の中で最も高くなっていました。ちなみに、スウェーデンは36.0%、フィンランドは37.0%、ニュージーランドは39.9%などとなっていました。

 ただ、これについても、日本の場合、保護者会や園だよりの配付などが9割以上を占めており、実際には園だよりやクラスだよりなどの配布物が依然として多いと考えられます。これに対して、例えばニュージーランドでは、ラーニングストーリーと呼ばれる一種の育ちの記録が活用されており、保護者とのコミュニケーションといってもアプローチの仕方が大きく異なっているため、一概に日本が優れているとは言い難いことに留意が必要です。

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