佐賀県が保育所等向けに多言語コールセンターを開設
- 吉田正幸
- 6月16日
- 読了時間: 2分
外国籍の子どもの保護者とのコミュニケーションを支援
佐賀県はこのほど、県内の保育所や認定こども園などが利用できる多言語コールセンターを開設し、運用を始めたと発表しました。外国人労働者が年々増え、保育を受ける子どもも増えていることから、子どもの保護者とのコミュニケーションを支援するのが狙い。子どもの発熱やケガ、災害発生時の緊急連絡などの場合に、円滑なコミュニケーションが図られ、園と保護者の双方にとって大きなメリットがありそうです。
この多言語コールセンターは、県内の保育所、認定こども園、幼稚園を対象とし、英語や中国語、韓国語をはじめ、ベトナム語、タガログ語、インドネシア語、マレー語、ヒンディー語など、22言語に対応できるということです。
利用方法は、保育所等の電話番号を事前にコールセンターに登録した上で、登録した番号からコールセンターに電話をかけ、通訳支援を依頼するというものです。通訳利用料は無料で通話料のみ保育所等の負担となります。
多言語コールセンターの開設に当たっては、外国人支援の実績やネットワークを持つ同県の国際交流協会やNPO法人、自治会、ボランティア団体などで組織する市民社会組織(CSO=Civil Society Organizations)などの協力により、電話での通訳サービスを提供することになったものです。
最近は、翻訳機や翻訳ツールなども普及してきていますが、子どものケガや非常災害時の対応などデリケートなやり取りが必要な場面では、通訳を交えた双方向でのコミュニケーションが有効だと考えられます。こうした取り組みは、全国でもまだ珍しいだけに、今後は各地に拡がっていくことが期待されます。
なお、佐賀県内の在留外国人は既に1万人を超えており、人手不足ということもあって技能実習や特定技能で働く外国人材も増加しています。多文化共生の地域づくりを推進している同県としては、保育を利用する外国籍の子どもの保護者に対してコミュニケーションの支援を行うことで、文字通り多文化共生の地域づくりを推進する一助としたい考えです。