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幼児教育・保育に関する調査研究事業の特徴は?


 

調査研究テーマ(課題)から見えてくる今後の政策動向


 こども家庭庁や文部科学省では毎年度、幼児教育・保育や子育て支援に関する様々な調査研究事業を実施しています。新たな課題や重要な課題について実態を把握し、解決の糸口を見出したり、政策立案の基礎資料にしたりするのが狙いです。言い換えると、その時々のテーマや調査研究課題を知ることによって、幼児教育・保育や子ども・子育て支援に関する政策動向を探ることができます。

 例えば、令和5年度は、「こども・子育て支援の今後に関する先進的な取組事例の収集・検討に関する調査研究」や「保育所等における低年齢児の保育の保育内容及び実践・運営状況に関する調査研究」「幼保連携型認定こども園における評価の有効活用に関する調査研究」(いずれもこども家庭庁)、「大学等を通じたキャリア形成支援による幼児教育の「職」の魅力向上・発信事業 (幼児教育の「職」の魅力発信・向上事業)」(文部科学省)など多くの調査研究事業が行われています。

 また、令和4年度には、「保育所の多機能化、他機関連携等を含む地域における保育所等の子育て支援提供体制に関する調査研」「保育分野におけるICT の導入効果及び普及促進方策に関する調査研究」(厚生労働省)、「市町村が行う子ども・子育て支援制度における公定価格(施設型給付費)の加算認定・支払業務の実施方法等に関する調査研究」(内閣府)といった調査研究事業も行われています。

 毎年度、おおむね2、3月頃に公募が行われ、4、5月頃に有識者らによる企画評価会議等で審査した上で採択されます。年度末までには、調査研究報告書をとりまとめ、提出することが求められています。事業の趣旨や内容等にもよりますが、一般的には◯◯総研といったシンクタンクやコンサル会社、調査会社が採択されるケースが多いようです。

 令和6年度の調査研究事業については、先月から今月にかけて公募が行われ、5、6月には事業の委託先が決まる予定です。公募テーマの中から興味深いものをピックアップしてみると、次のようなものが挙げられます。これらのテーマからは、今後の政策動向を探る手掛かりが見えてきます。

〈こども家庭庁関係〉

・保育所等の入所にかかる利用調整に関する調査研究

・保育所等における不適切な保育に関する調査研究

・子ども・子育て支援の今後に関する先進的な取組事例の収集・検討に関する調査研究

・保育人材確保にむけた効果的な取組手法等に関する調査研究

・保育の質や保育所等の職員配置に係る指標の在り方に関する調査研究

・保育所や認定こども園等におけるこどもの意見の尊重等に関する調査研究

・災害時におけるこどもの居場所づくり調査研究

〈文部科学省関係〉

・幼児教育の学び強化事業(教育課題に関する調査研究、子育ての支援や家庭等との連携強化に関する調査研究、幼児教育施設における教育活動等の実態に関する調査)

大学等を通じたキャリア形成支援による幼児教育の「職」の魅力向上・発信事業(「職」の魅力向上のための園務改善実証事業、大学等を拠点とする「職」の魅力発信モデル事業)

 

 なお、令和5年度事業については、今月末までにこども家庭庁や文科省に調査研究報告書が提出されますので、4、5月頃には採択団体・事業者のホームページ等で公開されます。保育関係者に関心の高いと思われる報告書については、このWEBサイトで取り上げる予定です。

 

*文科省の令和6年度調査研究事業等については、会員ページの「情報データベースの「その他」に予算資料をアップしています。

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