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幼保の垣根が低くなる自治体行政
人口減少社会に向けて行政体制にも変化が 文部科学省はこのほど、教育委員会の現状に関する調査(令和6年度間)を公表しました。この中で、教育委員会(事務局)から首長部局への事務委任・補助執行や、逆に首長から教育委員会(事務局)への事務委任・補助執行についても調査しています。 それによると、幼稚園に関する事務を教育委員会から首長部局に事務委任・補助執行しているケースが比較的多くみられました。特に、補助執行については、都道府県教委も市町村教委も1割以上に上っており、事務首長部局が所管する保育所や認定こども園等との一元的な運用が進んできていると言えそうです。 ちなみに、事務委任とは、本来の権限を持っている機関(首長や教育委員会)が、その権限(事務)そのものを他の機関へ移すこと。補助執行とは、本来の権限を持っている機関が、権限や責任は残したまま事務の「実務(処理)」だけを他の機関に行わせることです。事務委員のほうが、権限委譲の程度が大きいことになります。 そこで、幼稚園に関する状況をみると、教育委員会から首長部局に事務委任している市町村は56自治体(

吉田正幸
9月9日


幼稚園の園児数60万人割れが目前に!
保育所児童の減少傾向もより鮮明に 文部科学省とこども家庭庁が相次いで幼稚園や保育所、認定こども園などに関する最新の統計データを公表しました。両調査に共通している特徴は、施設種別を問わず少子化の影響が徐々に色濃く表れてきており、園児(利用児童)の減少や就園率(定員充足率)の低下が顕著に表れ始めたということです。 特に、幼稚園については、園数が約7900園と遂に8000園台を下回り、園児数は前年より6.2万人少ない約62.7万人となっています。ピーク時に比べて、園数はほぼ半減、園児数は4分の1にまで落ち込んでいることに改めて驚かされます。これは、乳幼児人口の減少に加えて、女性就業率の上昇による保育ニーズの高まりが園児減に拍車をかけているためで、幼稚園はかなり厳しい状況に陥っていることが鮮明になっています。 保育所についても、地域によっては待機児童がいるとはいえ、利用児童数は新制度が始まった平成27年度から12年連続の減少となっています。定員充足率をみても、保育所等(地域型保育事業や認定こども園を含む)の全体では、やはり平成27年から12年連続し

吉田正幸
8月28日


文科省の幼児教育政策も大きな節目へ
次期教育振興基本計画の諮問にみる政策動向 文部科学省の松本洋平大臣はこのほど、中央教育審議会に対して「第5期教育振興基本計画の策定について」諮問しました。この計画は、幼児教育から初等中等教育、高等教育までを視野に入れた教育政策の基本的な方向を示したものですが、第1期計画から現在の第4期計画までの流れをみると、幼児教育についても政策的な変遷を読み取ることができます。 さらに、2年後の2028年から始まる第5期計画策定に向けた諮問内容をみると、これまでの幼児教育政策の単なる延長線上にはない、新たな課題を踏まえた方向性が検討されると考えられます。その際、諮問文にも書かれているように、「AI時代への対応をはじめ特に現行計画策定以降の情勢変化に着目して2040年以降の社会を捉え直し、教育政策全体について総合的に検討する」ことが大きなポイントになると考えられます。 つまり、次期計画は、幼稚園だけでなく認定こども園や保育所等にとっても、今後の幼児教育のあり方を考える上で重要な意味を持ちます。そのことは、諮問文にちりばめられたつぎのようなキーワードとも言え

吉田正幸
8月24日


幼稚園教員に関する諸問題が浮き彫りに!
一段と厳しい状況に置かれた私立幼稚園 文部科学省がこのほど、令和7年度学校教員統計調査の中間報告を公表しました。この調査は3年に1回行われているものです。それによると、幼稚園教員の平均年齢は3年前の前回調査と比べて1.7歳上がって40.0歳と、遂に40歳代の大台に乗ったことが分かりました。 この平均年齢を設置者別にみると、国立は前回調査より0.3歳下がって42.3歳、公立は1.1歳上がって42.5歳、私立は1.8歳上がって39.6歳となっています。また、平均勤務年数は全体で13.5歳で、設置者別では国立が0.2歳上がって16.5年、公立が1.5歳上がって15.5年、私立が2.2歳上がって13.2歳となっています。 学校教員統計調査の対象は本務教員となっており、ここには園長や副園長なども含まれるため、平均年齢や平均勤務年数は全体にやや高めに出ますが、それを割り引いたとしても私立幼稚園教員の平均年齢や平均勤務年数がかなり上がってきていることが明らかです。 その背景には、深刻な人材難と園児減少によって、新規採用教員が減っていることが影響している

吉田正幸
7月24日


預かり保育は教育課程外から標準時間外へ?
幼児教育の一環としての預かり保育へ 文部科学省の幼児教育ワーキンググループの第6回会議がこのほど開かれ、この中でいわゆる「預かり保育」のあり方についても論議しました。それによると、これまで「教育課程外の教育活動」と位置づけてきた預かり保育について、「標準時間外の教育活動」であるとの位置付けを再確認してはどうかという論点が示され、幼児教育の一環としての“預かり保育”というニュアンスを強調する方向性が示唆されました。 同省の資料によると、「標準時間」とは、「1日の教育課程に係る教育時間は4時間を標準とする」と規定していることを踏まえたもので、4時間標準を超える教育活動を「標準時間外の教育活動」と捉えています。これは、預かり保育が普及・拡充したことを背景に、改めて教育活動としての預かり保育の充実を目指したものと考えられます。 そのため、資料では、「教育活動としての一貫性が図られるよう、教育活動の計画を作成して全体的な計画に位置付けるとともに、地域や保護者の実情を踏まえて弾力的に運用するものとしてはどうか」との論点が示され、全体的な計画に位置づける

吉田正幸
3月25日


乳幼児の約7割がインターネットを利用
ごく僅かながら生成AIを利用する幼児も! 文部科学省はこのほど、「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果(速報)」を発表しました。それによると、小学校就学前の幼稚園や認定こども園、保育所等に通園している乳幼児の約7割がインターネットを利用していることが分かりました。 平日1日当たりのインターネット利用時間をみると、「1時間以上2時間未満」が35.0%で最も多く、次いで「2時間以上3時間未満」が27.2%、「1時間未満」が18.5%、「2時間以上3時間未満」が9.3%などとなっていました。平均利用時間は1時間49分、2時間以上の割合は45%でした。 すでに乳幼児の段階で大半の子どもがインターネットに接しており、その時間も2時間近くに及んでいることが分かります。5歳の子どもの場合、5時間以上利用している割合が7.2%もあり、インターネット利用が常態化している様子がうかがえます。 インターネットを利用している機器としては、テレビや自宅用のパソコン・タブレット、ゲーム機、スマートフォンなど多様化しており、いつでも、どこでもインターネ

吉田正幸
2月26日


幼稚園の基準がようやく1学級30人以下へ
30人学級の実現で行き届いた教育は進むのか 文部科学省は12月26日、幼稚園の1学級30人以下を実現するため、幼稚園設置基準の一部を改正する省令案に関する 文部科学省は12月26日、幼稚園の1学級30人以下を実現するため、幼稚園設置基準の一部を改正する省令案に関するパブリック・コメントを実施しました。意見等がある場合は、電子政府の総合窓口の意見提出フォームや電子メール、郵便により、令和8年1月24日までに同省に提出するよう求めています。 省令改正の内容は、幼稚園設置基準に盛り込まれた学級編制の基準を、原則35人以下から原則30人以下に引き下げるというものです。学級編制の基準については、1995年(平成7年)に1学級の幼児数を原則40人以下から35人以下に引き下げて以来であり、30年ぶりの改正となります。 同省の説明によると、学級編制基準を見直す理由として、特別な配慮を必要とする幼児が増える傾向にあるなど、「幼児一人一人の置かれた状況や発達の特性等に応じ、行き届いた教育を推進するための環境整備が必要である」としています。 もっとも、少子化の

吉田正幸
2025年12月28日


ポイントは遊びを通した学びの保障
幼稚園教育要領改訂にどう反映されるのか? 文部科学省の中央教育審議会教育課程企画特別部会がこのほど開かれ、そこで示された論点整理(案)の中で、幼稚園教育要領改訂に向けた方向性と論点が明らかにされています。その中で、「幼児教育における遊びの中での直接的・具体的な体験を通した...

吉田正幸
2025年9月21日


激減する公立幼稚園の存在意義とは?
地域の幼児教育の質の維持・向上への影響を調査 文部科学省はこのほど、公立幼稚園の減少に伴う地域の幼児教育の質の維持・向上の取組への影響について調査研究を実施すると発表しました。全国の地方自治体を対象にアンケート調査を実施するとともに、それを基に10か所程度の自治体にヒアリ...

吉田正幸
2025年7月4日


無償化で保護者の教育費負担は軽減されたが…
物価上昇もあって徐々に負担が増える傾向に 文部科学省がこのほど、令和5年度子供の学習費調査の結果を公表したところ、令和元年10月から実施された幼児教育・保育の無償化により、公立幼稚園、私立幼稚園いずれも保護者の教育費負担が大幅に下がったものの、その後の物価上昇もあってか負...

吉田正幸
2025年1月8日


幼稚園30人学級を目指す意味と課題
学級編制や職員配置の基準差が生み出す歪み 小学校の35人学級化が令和7年度で完了し、中学校のほうは令和8年度から順次35人学級化に取り組んでいくようですが、肝心の幼稚園については1学級30人以下を目指す方針こそ示されたものの、具体的にいつから、どのような形で進めていくのか...

吉田正幸
2025年1月5日


若者の意識の変化が少子社会を引き寄せる?
今の若者は結婚も子どもを持つ時期も急がない傾向に 文部科学省がこのほど、第22 回「21 世紀出生児縦断調査」の結果を公表したところ、20歳代前半の若者は結婚する時期や最初の子どもを持つ時期について、遅くていいと考える傾向が強まっていることが分かりました。...

吉田正幸
2024年11月10日


幼稚園の園児数は1960年の水準にまで低下!
園児数は幼保連携型認定こども園が幼稚園を大幅に上回る 文部科学省は8月28日、令和6年度学校基本調査速報を公表しました。それによると、幼稚園の状況については、園数は19665年頃の水準、園児数は1960年頃の水準にまで低下したことが分かりました。加速する少子化の影響に加え...

吉田正幸
2024年8月28日


今後の幼児教育の在り方で文科省の検討会が中間整理案
保育所も含む幼児教育施設の今後の課題や方向性とは 文部科学省の「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会」が7月24日開かれ、中間整理案をめぐって協議しました。 同検討会では、 幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要...

吉田正幸
2024年7月24日


私立幼稚園で進む2歳児の定期的な受け入れ!
預かり保育もさらに拡充傾向が鮮明に 文部科学省がこのほど、令和5年度幼児教育実態調査をとりまとめたところ、私立幼稚園では預かり保育の拡充がさらに進み、2歳児の定期的な受け入れも増加していることが分かりました。 この調査は2年ごとに実施・公表されているもので、今回の調査は全国...

吉田正幸
2024年3月24日


幼児教育・保育に関する調査研究事業の特徴は?
調査研究テーマ(課題)から見えてくる今後の政策動向 こども家庭庁や文部科学省では毎年度、幼児教育・保育や子育て支援に関する様々な調査研究事業を実施しています。新たな課題や重要な課題について実態を把握し、解決の糸口を見出したり、政策立案の基礎資料にしたりするのが狙いです。言い...

吉田正幸
2024年3月20日


5歳児の約8割がインターネットを利用!
平均的な姿は主に動画やゲーム2時間近く利用 5歳児の約8割、2歳でも約6割がインターネットを利用している──文部科学省がこのほど公表した「令和5年度青少年のインターネット利用環境実態調査」の調査結果(速報)から、こんな驚くべき調査結果が明らかになりました。インターネットの平...

吉田正幸
2024年2月29日


幼稚園教育要領の改訂を見据え文科省が検討に着手
保育指針や教育・保育要領も含めた実態・実情の把握も 文部科学省は1月25日、「今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方に関する有識者検討会」の初会合を開きました。次期の幼稚園教育要領改訂に向けて、今後の幼児教育の教育課程、指導、評価等の在り方などの検討に乗り出したもの...

吉田正幸
2024年1月26日


結婚したい若者が徐々に減少!
20歳代で結婚したいと考えている若者が徐々に減ってきている──文部科学省が「21 世紀出生児縦断調査(第21回)」の調査結果を取りまとめたところ、そんな若者の意識が浮き彫りになりました。特に、20歳代前半の若者については、男女とも結婚したいと考える者の割合が著しく減少してお...

吉田正幸
2023年10月16日
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