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民間版の人口問題白書が初めて誕生

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 3 時間前
  • 読了時間: 3分

1990年代以降の政府の政策動向も説明


 経済界や労働界、地方自治体、子育て関連団体、学識者などで構成する「未来を選択する会議」はこのほど、初めてとなる民間版「人口問題白書」を発刊しました。政府が出す公的な白書ではありませんが、人口問題に関する様々な動向や情報、見解を網羅したもので、我が国の人口問題を考える上で必要な内容が一通り盛り込まれています。

 人口問題については、かつて政府の人口問題審議会による「人口白書」が1959 年と1974 年の2回刊行されたそうです。その意味では、民間版ながら半世紀ぶりに人口問題に関する白書が刊行されたことになります。

 今回の白書刊行の目的については、この会議の共同代表兼議長の三村明夫・日本製鉄株式会社名誉会長が、白書の冒頭で次のように述べています。

「この白書は、人口問題に関心を持っておられる国民の皆様に、人口の動向や政策の動き、各界有識者の人口問題に対する意見などの情報を分かりやすく提供することを目指した“民間版白書”です。皆様が人口問題に対する理解や議論を深めていただく上で、一助となることを願ってやみません」

 白書の具体的な中身としては、3部構成となっており、①第Ⅰ部では人口動向および関連政策の動きをデータとファクトに基づいて客観的に整理、②第Ⅱ部では有識者の推薦による学術研究・文献の紹介とともに、初めて実施した人口問題に関する全世代意識調査の結果から一部を掲載、③第Ⅲ部では多様な分野・世代の有識者から寄稿された人口問題に対する貴重な意見を掲載、となっています。

 このうち第Ⅱ部で取り上げた少子化問題に対する政府の政策動向については、「1990 年代~2013 年の取組」と「近年の取組(2014~2025 年)」という2つの流れに分けて説明しています。1990年代の人口問題への取り組みに関しては、少子化対策と子育て支援策に集中しており、少子化対策としては「待機児童対策」「児童手当」「育児休業」が主要なテーマであったことを明らかにしています。

 2014年以降の取り組みに関しては、「決して一本の“直線的な流れ”ではなく、様々な政策分野から展開された複数の取組が、時々の政治経済情勢の下で相互に絡み合いながら展開していく“複合的な流れ”として総括できる」と捉えています。具体的には、「経済政策」の視点からの取組や「地方創生」の取組など、「少子化の動きを変えるには『総合的な対策』が必要との基本認識が強まっていった」と捉え、その後の「こども未来戦略」や高市内閣で設置された「人口戦略本部」などの動きを紹介しています。

 なお、白書を刊行した「未来を選択する会議」は、「人口減少社会における『生き方』『くらし方』『働き方』を考え、その実現のために必要な社会構造の見直しや一人ひとりの意識改革に向けて、社会の気運醸成に取り組む」ことを目的に設立され、メンバーは経済界、労働界、地方自治体、地域、子育て支援などを行う関連団体、学識者、若者世代など、約100名に及ぶ幅広い層が参画しているそうです。

 余談ながら、同会のキーマンである三村共同代表兼議長は、かつて経済財政諮問会議の専門調査会として設置された「選択する未来」委員会の会長を務め、同会の構成員で調査研究企画委員会委員長でもある翁百合・株式会社日本総合研究所シニアフェローは、全世代型社会保障検討会議有識者や政府税制調査会長なども務め、同会の常任幹事である山崎史郎・日本医療大学客員教授は、内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局地方創生総括官や内閣官房全世代型社会保障構築本部事務局総括事務局長を務めたメンバーです。

 人口問題白書は、「未来を選択する会議」のホームページ(https://iroiromirai.jp/)から全文を見る(ダウンロードする)ことができます。

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