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すべての保育施設でストレスチェックが義務に!

執筆者の写真: 吉田正幸吉田正幸
 

厚労省が従業員50人未満の事業所にも義務づける方針


 厚生労働省の「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」が10月10日開かれ、ストレスチェックの実施義務対象を50人未満の全ての事業所に拡大することが適当であるなどとする中間とりまとめを大筋で了承しました。これを受けて厚労省は、来年の通常国会で労働安全衛生法改正案の提出を目指すことになりそうです。

 同法の改正が行われれば、認定こども園や保育所、幼稚園等で職員が50人に満たない施設においても、ストレスチェックの実施が義務づけられ、職場のメンタルヘルス対策を十分に講じることが求められます。メンタルヘルスについては、キャリアアップ研修のマネジメント分野においても取り上げることとされており、今後さらにその重要性が増していきそうです。

 職場におけるストレスチェックについては、従業員が自分自身のストレス度合いに気づき、セルフケアや必要に応じて医師の面接指導を受けるために行う検査のことで、労働者のメンタルヘルス不調を未然に防止することが狙いです。平成26年6月の労働安全衛生法改正によって、ストレスチェック制度が新たに創設され、50人以上の労働者を使用する事業場に実施義務が課されています(平成27年12月1日施行)。

 今回の動きは、この労働安全衛生法を再び改正し、労働者50人未満の全ての事業所にもストレスチェックを義務化するというものです。これによって、全ての認定こども園、保育所、幼稚園等の教育・保育施設・事業所も、職員に対するストレスチェックを行うことが必須となります。同法で言う「労働者」には、正規雇用者だけでなく、パートタイム労働者や派遣先の派遣労働者も含まれることに留意が必要です(所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外)。

 実施に際しては、中間とりまとめでも指摘しているように、厚労省が作成している「ストレスチェック制度実施マニュアル」についても、50 人未満の事業所が活用できるよう内容を見直し、周知していくことになると考えられます。

 また、50人未満の小規模な事業所では、産業医の選任義務がなく、産業保健スタッフ等の体制も整っていないところが多いため、ストレスチェック制度が適切に導入され、実施されるためには、都道府県産業保健総合支援センターや地域産業保健センターによる支援が重要であり、その充実が必要であると考えられています。

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