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保育者は小学生女子のなりたい職業から脱落

更新日:4月9日

 

「大人になったらなりたいもの」でベストテン圏外に!


 小学生女子に「大人になったらなりたいもの」を聞いたところ、「幼稚園の先生、保育士」がベストテンにも入らなかったことが分かりました。3年前の調査までは、なりたい職業の常に上位に入っていましたが、一昨年の6位、昨年の7位と下がりはじめ、今年は遂にベストテンからも外れてしまいました。

 保育者養成校の入学者数が減り続けるなど、高校生の進学先としては低迷していましたが、それでも小学生女子のなりたい職業ではベスト3の常連で、小学生の職業イメージは良かったのですが、その人気にも凋落傾向がはっきりと現れてきた格好です。

 少子化による子ども人口の減少に加えて、職業としての魅力や人気も低下していけば、保育を志望する若者も減ってしまい、将来の保育者の人材難がさらに深刻化しかねません。この人気凋落に対する有効な手立てはあまり講じられていないだけに、保育者の魅力向上策に真剣に取り組むと同時に、小中学生段階に対する効果的なアピールを行う必要がありそうです。

 この調査は、第一生命保険株式会社がこのほど、全国の小学生・中学生・高校生3000人を対象に行ったアンケート調査結果を公表したもので、今回で第36 回目となります。

 それによると、今回の第1位は「パティシエ」(2019年まで「食べ物屋さん」)が12.3%で1997年から不動の1位、第2位は「会社員」(10.3%)、第3位は「漫画家、イラストレーター」(7.4%)となっています。第4位から10位までは、「医師」「歌手、アイドル」「看護師」「教師、教員」「美容師、ヘアメイクアーティスト」「公務員」「料理人、シェフ」となっています。

 小学生女子から見た場合、「パティシエ」や「漫画家、イラストレーター」「歌手、アイドル」は夢のある憧れの職業、「会社員」「公務員」は現実的かつ堅実な職業、「看護師」「教師、教員」は社会的に大切な職業と捉えているのかもしれません。そうすると、「幼稚園の先生、保育士」は夢のある職業でもなく、現実的かつ堅実な職業でもないと見られていることになります。

 ちなみに、1989年から2021年までの推移をみると、「幼稚園の先生、保育士」は1位が3回、2位が20回、3位が7回、4位が1回、5位が2回となっており、非常に人気の高い職業だったことが分かります。それが2022年に6位、2023年に7位となり、今回(2024年)はベスト10にも入りませんでした。

 このほか、今回の調査では、子どもの保護者にも「子どもの頃に大人になったらなりたかった職業」を聞いています。それによると、母親の場合、2位の「会社員」(8.3%)、3位の「パティシエ」(7.9%)を引き離して「幼稚園の先生、保育士」が12.0%で1 位となっていました。

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