子どもが保育者になりたい希望は持続するが…
- 吉田正幸
- 6 日前
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保育者を希望する子どもそのものが減っていく傾向に!
ベネッセ教育総合研究所がこのほど、「子どもたちのなりたい職業」に関する調査結果をとりまとめました。これは、同研究所と東京大学社会科学研究所が2015年から2024年にかけて約2万人の小中高校生を対象に共同で実施した「子どもの生活と学びに関する親子調査」(2015-24年)のデータを分析したものです。
それによると、小学4~6年生がなりたい職業について2015年と2024年を比べたところ、2015年に第3位だった「保育士・幼稚園教員」が、2024年には第7位まで低下していることが分かりました。
また、子どもたちの「なりたい職業」が年齢の変化とともにどう変わるかを調べたところ、3人に1人が小5のときと同種の希望を高2まで持ち続けていることも明らかになりました。特に、「保育・教育の職業」と「医療・看護・保健の職業」の希望は変わりにくいことが分かりました。
小学5年生のときと高校2年生のときの一致率について、具体的なデータでみると、子どもたちがなりたい職業の全平均は約35%だったのに対して、「保育・教育」は約46%、「医療・看護・保健」は約60%と高い割合を示していました。
ただ、問題は、「保育士・幼稚園教員」がなりたい職業として低下してきていることです。当WEBサイトで4月に取り上げた第一生命保険会社が毎年行っている調査でも、小学生女子に「大人になったらなりたいもの」を聞いたところ、「幼稚園の先生、保育士」がベストテンにも入らなかったことが分かりました。3年前の調査までは、なりたい職業の常に上位に入っていましたが、一昨年の6位、昨年の7位と下がりはじめ、今年は遂にベストテンからも外れてしまいました。
「保育士・幼稚園教員」になりたいと思う子ども自体が減っているということは、大きくなってもその希望が大きく変わらない傾向が強いということと考え合わせると、将来の保育人材確保において暗雲が立ちこめる要因となりかねないということです。
処遇改善や職員配置改善も大切な課題ですが、そのずっと手前にある小学生、中学生の段階から保育者が魅力ある職業だと思われるようなイメージアップを図ることも、将来の人材確保を考える上で重要な課題と言えそうです。