20歳代で結婚したいと考えている若者が徐々に減ってきている──文部科学省が「21 世紀出生児縦断調査(第21回)」の調査結果を取りまとめたところ、そんな若者の意識が浮き彫りになりました。特に、20歳代前半の若者については、男女とも結婚したいと考える者の割合が著しく減少しており、こうした意識の変化も少子化に拍車をかける要因となっているかもしれません。
この「21 世紀出生児縦断調査(平成13 年出生児)」というのは、2001 年(平成13 年)に出生した子どもの実態や経年変化の状況を継続的に観察することにより、少子化対策等の施策の検討・企画・実施のための基礎資料を得るのが目的です。厚生労働省が2001 年から実施していた調査を文科省が第16 回(平成29 年)から引き継いでいます。今回は第21 回目の調査で、対象者の年齢は21 歳です。
調査結果によると、男子の場合、自分の結婚について「20~24歳までにしたい」と答えた者の割合は、第18回が10.7%、第19回が9.5%、第21回が3.7%と減少。女子の場合は、第18回が19.1%、第19回が17.0%、第21回が9.0%と減少しており、男女とも第21回の率が大幅に減少しています。 *第20回では同項目の調査なし
「25~29歳までにしたい」と答えた者の割合は、男子の場合、第18回が42.1%、第19回が40.6%、第21回が39.3%と徐々に減少。女子の場合は、第18回が48.9%、第19回が46.9%、第21回が49.5%と大きな変化は見られません。とはいえ、20~24歳と25~29歳を合わせると、20歳代で結婚したいと考える者の割合は、男女とも第21回調査で大きく減っていることが分かります。
一方、「結婚はしたくない」と答えた者は、男子の場合、第18回が5.1%、第19回が5.2%、第21回が5.3%とほぼ横ばい。女子の場合は、第18回が6.2%、第19回が7.1%、第21回が7.6%と僅かながら増加しています。
また、「結婚はしたいが時期は考えていない」と答えた者は、男子の場合、第18回が5.7%、第19回が10.8%、第21回が12.9%と増加。女子の場合も、第18回が5.1%、第19回が8.1%、第21回が10.0%と増加しており、第18回に比べると男女とも倍近く増えています。
調査では、最初の子どもを持つ時期についての考えも尋ねていますが、これは上記の結婚についての考えとほぼ同じ傾向を示しており、「25~29歳で持ちたい」と答えた者の割合が男女とも多かったものの、第18回から第21回にかけて徐々に減少しています。中でも、女子の場合、20~25歳での結婚についてはほぼ横ばいで推移していましたが、子どもを持つ時期については第18回が50.8%、第19回が48.0%、第21回が43.7%と減り続けています。
このほか、「子どもは持ちたくない」と答えた者の割合は、第18回から第21回にかけて男子が5.1%、5.3%、6.3%と微増。女子は、7.8%、9.5%、10.9%と増加しているのが気になるところです。