top of page

こども誰でも通園制度への対応は自治体で温度差?


 

東京では国事業より都事業のほうが人気!


 令和6年度を迎え、「こども誰でも通園制度」の本格実施を見据えた試行的事業が100を超える自治体で始まります。この事業は予算上、150自治体程度を見込んでいましたが、追加募集を行ったものの、どうも150自治体までは達しなかったようです。

 それには様々な要因がありそうですが、中でも利用時間の上限が「月10時間」と短すぎることや、実施施設・事業者の収入が低いこと(子ども1人1時間当たり補助額850円、保護者負担300円程度)が大きく影響しているのではないかと考えられます。

 そのため試行的事業に取り組む自治体の中には、独自に利用時間や対象年齢を拡大するところが出てきています。さらに、東京都では、都の類似事業である「多様な他者との関わりの機会の創出事業」のほうが運営条件(利用時間の上限が月160時間)や補助条件(年額約784万円、都の10分の10補助)もいいことから、国の試行的事業ではなく都の事業に取り組む区市が増えています。

 試行的事業は令和6年度、7年度と2年間続くため、この間に実態や実情を踏まえて、利用時間や補助単価などの見直しが行われる可能性もあります。とはいえ、財源面の制約や利用希望者に対する十分な供給確保といった難しい課題を考えると、利用時間や補助額などで大幅な改善が行われる可能性はさほど高くありません。未就園児家庭をはじめ定員割れに見舞われそうな施設・事業者の期待は大きいだけに、「こども誰でも通園制度」の在り方が問われそうです。

 

*このニュースに関しては、会員ページの「ニュース解説」で具体例も含めて詳しく解説しています。

bottom of page