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データが示す保育人材不足の要因とは

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 4 日前
  • 読了時間: 2分

職員不足と現場の負担増が招く負のスパイラル


 福祉医療機構はこのほど、「2025年度保育所・認定こども園の人材確保に関する調査結果」をまとめましたが、そこからは「職員不足⇒現場負担の増加⇒退職者の増加⇒職員不足」という悪循環に陥る負のスパイラルが見えてきました。

 言い換えれば、保育人材の不足を招いている要因を積極的に取り除くことができれば、人材不足に陥らずに済む可能性が高まるとも言えそうです。

 調査結果によると、職員不足の理由として、「採用したい人数を採用できていない」が8割と最も多いのですが、これはそもそも職員不足からもたらされた問題に起因するものです。職員不足がもたらした影響を聞くと、「現場負担の増加」が8割を超えていますが、現場の負担の大きさが職員の退職を招き、それによって職員不足が生じ、それがさらに現場の負担増につながるという悪循環を生むことになります。

 また、近年、急速に普及し始めているICTを活用するかどうかも、職員不足に影響を及ぼすようです。調査結果によると、ICT機器が充足している施設のほうが、不足している施設より職員不足と回答する割合が1割以上低いことが明らかになっています。これは、ICT機器の活用による業務省力化が、職員の業務負担感の軽減につながっていると考えられます。やはり、ここでも負のスパイラルがうかがえます。

 このような視点で保育人材確保に関する調査結果を捉え直すと、逆に人材不足に陥らずに済むための取り組みや課題が見えてくるように思われます。

*これに関する詳しい解説は、会員ページの「ニュース」欄の「ニュース解説」に載せています。

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