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今年の出生数は過去最低をさらに更新?

 厚生労働省がこのほど、今年6月分の人口動態統計速報をまとめたところ、今年半年(1~6月)の出生数は昨年の同期間を下回っており、このまま推移すると昨年の過去最低をさらに更新する可能性が出てきました。

 速報によると、今年1月から6月までの出生数は累計で37万1052人となり、昨年の38万4942人を1万3890人(3.6%)下回っていることが分かりました。昨年1年間の出生数は77万747人でしたが、これまでのペースでいくと年間出生数が75万人台まで落ち込むこともあり得ます。2015年の出生数が100万5721人と100万人を超えていたことを考えると、わずか7、8年で4分の3にまで減ってしまうという、少子化の加速に驚かされるばかりです。

 国立社会保障・人口問題研究所が公表している「日本の将来推計人口(令和5年推計)」によると、外国人を含めた中位推計の場合、昨年の出生数を78.7万人、今年の出生数を76.2万人と予測。日本人に限定した場合、昨年の出生数を76.6万人、今年の出生数を73.9万人と予測しています。

 厚労省の速報は、日本における外国人や外国における日本人も含んだ数字ですので、日本人に限定すると2~3万人ほど減ります。そう考えると、「日本の将来推計人口」における日本人に限定した出生数の予測は、実数よりやや少なく見ているものの、ほぼ実数に近いデータを示しています。

 また、この半年間の婚姻件数をみても、24万6332件と前年より1万9261件(7.3%)も減少していることから、少子化の進む可能性は高いと考えられます。コロナ禍よりも婚姻件数が減っていることを考えると、アフターコロナによる出生率の回復はあまり期待できないのではないかと思われます。

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