処遇改善の実感を持てない保育士が過半数に!
- 吉田正幸
- 4 日前
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保育士の6割が就業継続意向、2割が他職種を希望
佐賀県が先ごろ、令和6年度保育士実態調査報告書をまとめたところ、処遇が改善していると受け止めていない保育士が過半数に及んでいることが分かりました。ここ数年間に一定の処遇改善が進んできたにもかかわらず、保育士の処遇改善に対する評価はかならずしも高くなく、まだ改善の効果が見られていないと言えそうです。
今回の実態調査報告書によると、処遇改善に対する実感が乏しいという回答が5割を超え、そのためか現在の職場への希望でも給与・賞与の改善が約6割に上るなど、依然として処遇改善が大きな課題であることが浮き彫りになりました。
また、就業継続の意向を聞いたところ、「今後も今の職場で保育士として勤務し続けたい」という保育士が約6割いました。これを多いと見るか少ないと見るか見解の分かれるところですが、「今後は保育士を退職し、保育士以外の職に就職したい」と答えた者が約2割を占めているなど、やはり保育士の職としての魅力に陰りが見られるようです。
また、調査結果からは、業務負担の大きいものとして行事、保育計画の作成、保護者対応などが挙げらる一方で、約5割の保育士が現在の職場に満足しているという、処遇に対する不満とは矛盾するような状況も見られました。
その理由としては、「職場の人間関係・雰囲気が良い」や「やりがいがある」「休暇が取りやすい」「通勤が便利」などが挙げられていましたが、仕事を続ける上で「職場の人間関係・雰囲気」や「やりがい」など目に見えない要素を、職場環境という視点からどう改善・向上できるかも大切なポイントになりそうです。
今回の調査結果を見る限り、引き続き処遇改善が重要な課題であると同時に、処遇以外の面でも保育士に対する職としての魅力をどう高められるのか、養成段階から採用・雇用、再雇用・復職まで総合的かつ抜本的な見直しが求められていると言えそうです。
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