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ベビーシッターの利用促進も成長戦略!?

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 7 時間前
  • 読了時間: 3分

日本成長戦略で影の薄い保育・子育て支援


 日本成長戦略会議はこのほど、17の戦略分野における官民投資や8つの分野横断的課題の解決を盛り込んだ案をとりまとめました。

 このうち8つの分野横断的課題の解決の一つとして「家事等の負担軽減」が挙げられ、その中でベビーシッターの利用促進が取り上げられています。幼児教育・保育や子育て支援については、正面からほとんど触れられていない一方で、“首相案件”であるベビーシッターだけが突出していることに違和感を覚える関係者も少なくないと思われます。

 成長戦略案によると、8つの分野横断的課題の解決の一環として「家事等の負担軽減」が挙げられています。その根拠として、「現状では、子育てや介護等を行いながら働く方が増えている一方で、「出産・育児」による離職者は、減少傾向にあるものの年間約15万人」いるほか、「第一子出産前後の女性の継続就業率は、上昇傾向にあるものの約70%となっている」と説明しています。

 これに関して、「仕事と子育て・介護等との両立をサポートするための選択肢の1つとして、家事支援サービスやベビーシッターは社会的に認知されているが、潜在需要に対して、価格の高さや心理的抵抗感等により、利用は限定的である」と指摘。対応の方向性として、「家事支援サービス及びベビーシッター等の利用を促進することで、子育てや介護等による離職を防止し、全ての人がキャリアを諦めることなく希望に応じて能力を発揮できる環境整備を図る」としています。

 成長戦略では、この分野の目標(KPI)を「第一子出産前後の女性の継続就業率を2030年までに80%とする」としていることから、「両立支援の一環として、こうしたサービスを安心して利用できる環境を整え、その普及促進に取り組むことが必要である」との考えを示しています。

 具体的には、「ベビーシッターの安全・安心の確保と担い手確保」に向けて、ベビーシッター事業者に関する認可外保育施設指導監督基準への適合状況やこども性暴力防止法上の認定の有無に係る情報提供の実施、各種研修の支援など、安全で質の高いベビーシッター事業者の利用促進を図るとしています。また、「認可外の居宅訪問型保育に関するガイドライン」について、全国の自治体への周知徹底を図るほか、多様な人材の確保に向けた検討を進めることも謳っています。

 さらに、「税制措置を含む経済的支援策の検討」として、「保育士・看護師等によるベビーシッター等の安全で質の高いサービスの利用促進に向け、税制措置を含む新たな支援策を検討する」ことも盛り込んでいます。

 一方、保育に関しては、「賃上げ環境整備」の一環として、「医療・介護・保育・福祉等における人材確保と賃上げの対応」が挙げられています。この中で、保育人材の確保については「保育士・幼稚園教諭等の処遇改善を着実に実施するとともに、今後の経済・物価動向等も踏まえつつ、来年度以降も医療・介護・保育・福祉等分野の現場職員の他職種と遜色のない処遇改善を推進する」としています。

 ただ、保育の場合、国家公務員に準拠した人件費をはじめ、積み上げ方式による公定価格となっていて、人事院勧告を超えた処遇改善を図ることは容易ではないため、積み上げ方式を維持しつつ全産業平均との処遇格差を縮められるような方策を見いだせるのかどうか、難しい対応が求められそうです。

 このほか、「必要なエッセンシャルワーカーの確保を含めたサービス提供体制の全国的維持を図るための制度改革に速やかに着手する」としていますが、人口減少地域における保育機能の維持に関して、保育士や幼稚園教諭などの保育人材の養成・確保のあり方にどこまで踏み込むかは未定です。

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