保育所や幼稚園等でもメンタルヘルスチェックを
- 吉田正幸

- 19 時間前
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再来年5月までに職員のストレスチェックが義務化へ
厚生労働省はこのほど、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を公表しました。これは、令和7年5月に公布された改正労働安全衛生法により、労働者数50 人未満の事業場においてもストレスチェックの実施が義務化されたことを踏まえ、小規模事業所に即した「現実的で実効性のある実施体制・実施方法等についてのマニュアルを作成」したものです。
保育所や幼稚園、認定こども園などについても、おおよそ2年以内にメンタルヘルスチェックの実施義務が課されることから、今回まとめられたマニュアルも参考にしながら、園内のメンタルヘルスチェック体制を整備することが求められます。また、それに伴う職場環境の改善などにより、保育人材の定着につなげることが期待されます。
今回のマニュアルは、同省の「ストレスチェック制度等のメンタルヘルス対策に関する検討会」で検討してきたもので、小規模事業場の特性を踏まえて、職員のプライバシー保護の徹底や地域産業保健センターなど外部資源の活用が大きなポイントになっています。
施行日は、小規模事業場の負担に配慮し、十分な準備期間を確保するため、「公布後3年以内に政令で定める日」とされていますので、遅くとも令和10年5月までには実際に施行される見通しです。ストレッスチェック義務化の対象となる小規模事業場には、保育所や幼稚園、認定こども園なども含まれますので、今から2年あまりの間に必要な体制を整えておくことが求められます。
保育所や幼稚園、認定こども園などに即してマニュアルの内容を整理すると、おおよそ次のようなことが課題になると考えられます。
◇実施責任者(事業者=園長)の役割
・事業者(実施責任者):制度の導入方針を決定し、表明する
・実施体制や実施方法等について関係労働者の意見を聴く
・ストレスチェック制度の社内ルールを作成し、周知する
◇ 実施体制の担当者
・実施責任者(園長)は委託先の外部機関に依頼して実施者等を選定するとともに、事業場において実務担当者を指名する
・実施者(専門職): 医師や保健師、精神保健福祉士など、検査の実施と結果判定を行う者
・実務担当者(事務担当): 園の事務局長や主任など、計画の実施・管理や関係労働者の意見聴取、外部委託先との契約・連絡調整を行う者
◇ プライバシーの保護や不利益取り扱いの禁止
・個人のストレスチェック結果については、原則として事業者は入手すべきではない(検査結果は、実施者から直接本人へ通知。園側(園長)が本人の同意なく結果を見ることは法律で禁止)
・ストレスチェックを受けない、ストレスチェック結果を事業者に提供することに同意しないなどを理由とした不利益な取り扱いや、面接指導結果を理由とした不利益な取り扱いの禁止
◇その他
・調査票は委託先の外部機関が配布し、回収する
・個人のストレスチェック結果について、実施者(委託先)から、他者に内容が分からない形で労働者本人に通知
・医師の意見聴取の結果を踏まえ、必要があると認められる場合、当該労働者の実情を考慮して、事業者は対応可能な就業上の措置を講じなければならない
・事業者は、集団分析結果を活用し、職場環境のストレス要因の軽減に取り組むよう努めなければならない
・集団分析による職場環境の改善が求められているが、原則10人未満の単位では数人の回答で「誰が書いたか」推測される恐れがあるため、集団分析を行わない
なお、 このマニュアルは、厚労省のホームページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_69680.html)から全文を入手できます。
また、同マニュアルでは、巻末に添付している「職業性ストレス簡易調査票」(57項目)を利用することを推奨しています。

