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名古屋市が「幼保を超えた」公立施設の大再編へ

執筆者の写真: 吉田正幸
吉田正幸
12 分前
読了時間: 3分

少子化時代の幼児教育・保育は施設より機能をどう残すか


 会員ページの「ニュース解説」に「名古屋市が幼保を超えた公立施設の大再編へ!」を掲載しました。

 少子化が急速に進む中、全国の自治体で幼稚園、保育所、認定こども園の定員割れや施設再編が大きな政策課題になりつつあります。今回取り上げた名古屋市の動きで注目されるのは、単に公立幼稚園や公立保育所を統廃合するのではなく、幼稚園、保育所、認定こども園を一体的に捉え、地域全体の幼児教育・保育提供体制そのものを組み替えようとしている点です。

 名古屋市は2027年度から2036年度までの10年間を計画期間として、「教育」「福祉」という従来の枠組みを超え、「量の拡大」から「質の向上」への転換を進めようとしています。

 計画では、公立の幼保連携型認定こども園を6園設置し、地域の「基幹園」として位置づけます。このうち5園は市立幼稚園と公立保育所を統合し、1園は公立保育所から単独移行します。

 一方、市立幼稚園は10園を存続させ、5園を閉園。公立保育所についても約62園の運営を継続する一方、10園程度を民間移管または統合によって再編する方針です。

 しかし、今回の再編でより重要なのは「何園減らすか」ではなく、「残る公立施設にどのような機能を持たせるか」です。基幹園には、通常の教育・保育に加え、実践・研究、地域の幼児教育・保育施設への支援、子育て家庭への支援、インクルーシブ教育・保育、特別な配慮を必要とする子どもの受入れなどを担わせます。つまり、公立施設を「自園の子どもを教育・保育する施設」から「地域の園と子育て家庭を支える拠点」へ転換する構想です。

 さらに名古屋市は、2027年度に「幼児教育・保育支援センター(仮称)」を設置することを目指しています。教育委員会と子ども青少年局が連携・協働し、幼稚園だけでなく、保育所、認定こども園を含めた市全体の幼児教育・保育の質を支援します。

 併せて、公私幼保の関係団体や学校関係者が参画する「名古屋市幼児教育・保育指針(仮称)」を策定。施設類型を超えた「横の連携」と、乳幼児期から学齢期までの「縦の接続」を進める考えです。

 言い換えれば、今回の動きは公立施設だけの問題ではありません。同市では今後、幼児教育・保育支援センター、基幹園、市立幼稚園、公立保育所と、地域の私立幼稚園・保育所・認定こども園、さらに小学校や関係機関を結ぶ新しい地域ネットワークが形成されていく可能性があります。

 これについてニュース解説では、こうした名古屋市の政策を、単なる「統廃合」や「縮小」ではなく、少子化を前提とした幼児教育・保育システムの「再構築」という視点から分析しました。

 今後、乳幼児人口の減少と定員割れが全国で本格化すれば、多くの自治体が同じ問題に直面します。そこで問われるのは、「どの施設を残すか」だけではなく、「地域に必要な教育・保育機能を、どのような施設・ネットワークによって維持するか」という視点です。

 名古屋市の取り組みは、その一つのモデルケースとなる可能性があります。今回のニュース解説では、「量から質へ」「施設から機能へ」「個々の園から地域ネットワークへ」という3つの転換に着目し、今後の幼児教育・保育提供体制を考える上での意味を詳しく解説しています。

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