高市首相の指示書に「少子化対策」登場せず

「保育」「子育て支援」の文言も使われず
第2次高市改造内閣が発足した同じ日、18人の閣僚に指示書が手渡されました。この指示書は、法的根拠のある文書ではありませんが、各省庁にとっては予算や法案を検討する際の判断材料になると言われています。指示書に明確に盛り込まれていれば、省庁内の優先順位が上がり、逆に書かれていなければ、所管の重点事項から外される可能性もあると考えられます。
こうした視点からみると、人口減少への対応はについては、城内実・内閣府特命担当大臣(経済財政政策 規制改革)に対して「人口総合戦略を策定し、関係閣僚と連携し、必要な取組を検討し進める」と書かれているだけで、こども政策や少子化対策などを担当する中司宏内閣府特命担当大臣や、上野賢一郎・厚生労働大臣に対する支持には含まれていません。
中司大臣に対しては、こども政策や少子化対策に関して、次のような指示が出されているだけです。指示書全体を見渡しても、「少子化対策」や「子育て支援」「保育」という文言は一言も登場しません。
◇「こどもまんなか社会」を実現するための司令塔機能を担う。関係大臣と協力して、こども・若者の意見表明や社会参画を促進しつつ、その健全育成に取り組む。
◇「若い世代の所得を増やす」「社会全体の構造や意識を変える」「全ての世代をライフステージに応じて切れ目なく支援する」という三つの基本理念に基づき、厚生労働大臣をはじめ関係大臣と協力して、スピード感をもって施策を実行する。2030年代初頭までに、国の関係予算の倍増を目指す中で、厚生労働大臣をはじめ関係大臣と協力して、特に、子育て世代の生活の安定・質の向上のための施策を更に拡充・強化する。
◇関係大臣と協力して、こどもの貧困対策や児童虐待防止対策等を推進する。
そうした中で目を引くのは、上野厚労大臣に対する指示として、「日本成長戦略担当大臣や内閣府特命担当大臣(こども政策)をはじめ関係大臣と協力して、育児・子供の不登校・介護等が原因の離職を減らすため、ベビーシッターや家事支援サービスの利用促進等、負担軽減に取り組む」よう求めていることです。
これは、第1次高市内閣でも見られたことです。その結果、こども家庭庁のベビーシッター関連の施策・事業の拡充が図られたほか、ベビーシッター利用の税制優遇が来年度税制改正要望に入るなど、踏み込んだ施策が講じられようとしています。
こうしたことを考え合わせると、「少子化対策」や「子育て支援」「保育」(「幼児教育」も)が指示書に書かれなかったことが、こども政策や保育政策にどう影響するのか(あるいは影響しないで済むのか)、今後の動向が気になるところです。
なお、人口減少や少子化に関しては、かろうじて「物価高や税・社会保険料負担で苦しむ中低所得者の負担を軽減するとともに、人口減少・少子化を乗り切り、ライフステージごとの課題に対する支援を充実させる」という文言がありますが、これは全く同じ文章が複数の閣僚に示され、「関係大臣と協力して」という曖昧な表現にとどまっています。

