補助単価や実施施設、人員・設備基準など気になる点も
こども家庭庁のWEBに掲載されている「こども誰でも通園制度」に関する最近の資料から、来年度(令和7年度)の事業内容を改めて整理しておきます。
来年度は、子ども・子育て支援法の地域子ども・子育て支援事業に位置づけられることから、今年度のような試行的事業という表現は使わず、「乳児等通園支援事業(こども誰でも通園制度)」という法律に基づく事業として実施されます。
とはいえ、本格実施となる令和8年度からは、補助事業ではなく「乳児等支援給付」という時間単位の給付、つまり公定価格となるため、令和7年度は今年度の試行的事業に近い補助事業として実施されることになります。
保育現場から見て気になる点は、①子ども1人当たり補助単価が年齢によって違うとはいえ1000円程度であること、②実施施設が施設型給付や地域型保育給付を受ける施設・事業者のほかに企業主導型保育事業所や認可外保育施設も可能であること(対象施設を限定しないこと)、③曜日や時間を固定した定期利用か、保護者の希望に任せた自由利用かは法令上規定しないこと、④人員配置や設備の基準について、一般型は一時預かり事業と同様、余裕活用型は各施設・事業の基準でいいこと、などです。
令和7年度「乳児等通園支援事業」の概要は以下の通り。
◇対象児童:保育所、幼稚園、認定こども園、地域型保育事業所等に通っていない0歳6か月~満3歳未満の未就園児
◇実施施設:保育所、幼稚園、認定こども園、家庭的保育事業所、小規模保育事業所、地域子育て支援拠点、企業主導型保育事業所、認可外保育施設、児童発達支援センターなど
◇利用可能時間:保育人材確保の状況等を踏まえ月10時間
◇実施方法:空き保育室等を使った余裕活用型、及び一般型(在園児合同または専用室独立型)
◇補助単価:0歳児が1300円、1歳児が1100円、2歳児が900円、障害児加算が400円
要支援家庭のこども加算が400円、医療的ケア児加算が2400円
◇補助割合:国:3/4 市町村:1/4
◇人員配置:年齢・人数に応じた配置とし、うち保育士2分の1以上
◇実施自治体:300自治体を想定
なお、本格実施となる令和8年度からの事業内容は、令和7年度の事業をおおむね踏襲すると考えられますが、単価や上限時間などの見直しが行われるかどうかは現時点で不明です。
また、安全性や専門性を担保するため、こども誰でも通園制度の従事者に対する研修を実施することとしており、その内容や実施方法については引き続き検討を行うそうです。
市町村は、令和7年度からの第3期子ども・子育て支援の中に量の見込みを記載し、提供体制を確保することが求められています。広域利用の在り方については、今後さらに検討される予定です。