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人口減少社会に挑む飛騨市の先駆的実践!

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 1 時間前
  • 読了時間: 4分

予防的発達支援モデルとしての保育園作業療法とは


 

 全国認定こども園協会のトップセミナーがこのほど開かれ、行政説明や基調講演のほか、都筑淳也・飛騨市長、西岡隆・臼杵市長、吉田・弊研究所代表によるディスカッションが行われました。

 この中で、都筑飛騨市長の話には、「消滅可能性」を「持続可能性」に変えるヒントがたくさん見られました。

 そこで、ディスカッションの中から筑飛騨市長の話に絞って、そのエッセンスをお届けします。

 ちなみに、都筑飛騨市長は、こども家庭庁幼児期までのこどもの育ち部会委員も務め、「はじめの100か月の育ちビジョン」作成にも関わっっています。

 

 飛騨市長の話の核心は、「人口減少を不可逆なものとして受け入れ、人口増を目指すのではなく、住民一人ひとりの幸福(ウェルビーイング)の向上に舵を切る」という明確なパラダイムシフトにあります。

 主要なポイントを以下の4つの軸に整理しました。

1. 基本姿勢・政策理念:人口減少を前提とした「ウェルビーイング」の追求

○人口回復への過度な期待を捨てる: 人口減少は不可避かつ不可逆的な現実であり、人口増を目標に据えるのは非現実的であると断言しています。

○「個々の幸福」への転換: 政策目標を人口の「量」から、一人ひとりの幸福度(ウェルビーイング)を高める「質」へと明確に転換しています。

○小規模自治体の強みを活かす: 人口が少ないからこそ実現できる「顔の見える関係性」を最大の強みと捉え、きめ細かな支援を目指しています。

2. 独自の子育て支援:全員参加型の予防的発達支援モデル

 飛騨市では「子どもを選別しない」という哲学のもと、非常にユニークな発達支援を展開しています。

○作業療法士(OT)の常駐: 作業療法士が保育園や学校に常駐する「学校作業療法」「保育園作業療法」を実践しています。

○「全員参加型」の予防的介入: 問題が発生した後に対応したり、気になる子どもだけを抽出して待つのではなく、すべての乳幼児・子どもを対象に、体の使い方や環境調整を通じて発達を促す予防的支援を行います。

○リフレーミングの重視: 子どもの特性を排除するのではなく、例えば「多動 → 行動力がある」のように強みとして捉え直す(リフレーミング)アプローチを重視し、将来的な不登校などの予防に繋げています。

○人材の横展開: この先進的なモデルを、地域おこし協力隊制度を活用して他地域へ展開するための人材育成も行っています。

3. 人口構造の変化がもたらす現場のリアル(複合的課題)

 都筑市長は、人口減少に伴う地域コミュニティやサービスの「複雑な変化(逆説)」を指摘しています。

○未満児保育の需要急増: 子どもの数は減少しているものの、女性や高齢者の就業率が上昇したことで、祖父母による育児サポートが減少。結果として3歳未満の保育需要が急増し、保育士不足が深刻化しています。

○介護現場の変化: 要介護認定者の減少により施設待機者は減っているものの、今度は介護人材の不足からベッドが稼働できないという、予測困難な事態に直面しています。

4. 持続可能な地域づくりへの挑戦

 生活インフラや支援体制を維持するため、ユニークな人材確保や仕組みづくりに挑戦しています。

○多様な人材の確保: 外国人留学生を介護福祉士として計画的に育成する仕組みや、地域の移動販売に最低賃金を保証するモデルなどを導入し、地域の担い手を確保しています。

○多職種連携(バイオサイコソーシャル・モデル): 身体・心理・社会性の3つの側面から多職種が連携し、全世代・全課題に対応する相談体制の整備を進めています。専門職と連携することで、現場(保育士など)の負担軽減にも繋げています。

総括

 都筑飛騨市長のアプローチは、人口減少を悲観するのではなく、「バイオサイコソーシャル(身体・心理・社会)」の視点を取り入れた予防的介入や、持続可能な仕組みづくりによって、規模が小さいからこそできる「誰も取り残さないウェルビーイングな伴走型支援」を体現していると言えます。

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