誰でも通園の利用は対象児童のわずか1%!
- 吉田正幸

- 14 時間前
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ここまで低調な要因はどこにあるのか?
こども家庭庁はこのほど、こども誰でも通園制度の実施状況等に関するデータを取りまとめました。それによると、利用認定を受けた子ども数は5万3068人、このうち実際に利用した人数は1万1744人にとどまっていることが分かりました。0~2歳児の未就園児が120万人近くいることを考えると、実利用人数はその1%にも満たないことになります。年度当初の実績とはいえ、かなり低調であったと言えます。
この新しい制度の実施に向けて、令和5年度に行われた「保育所の空き定員等を活用した未就園児の定期的な預かりモデル事業」から、令和6・7年度の2年間にわたって取り組んだ試行的事業を経て、満を持して今年度から本格実施されたにもかかわらず、対象となる未就園児の1%にさえ達しない状況となりました。
これは、単純に利用ニーズがなかったからだとは考えられません。利用者からは似た事業と誤解されがちな一時預かり事業をみると、一般型の延べ利用児童数は令和5年度で378万7496人、余裕活用型は6万8377人となっており、延べ利用人数とはいえ一定の利用状況が見られます。
これに対して、こども誰でも通園制度(『誰通』)がわずか5.3万人の認定、1.2万人の実利用しかなかったのは、ニーズ以外の要因があったと言わざるを得ません。保育現場の声や市区町村の動向などを見ていると、『誰通』が予想以上に低調であった要因としては、①事業を担う保育人材が十分に確保できなかったこと、②月10時間という利用時間が不十分であったこと、③事業を運営するための給付額が施設・事業者にとって十分でなかったこと、④通常の保育利用の定員が一杯で未就園児を受け入れる余裕のない施設が多かったこと、⑤市区町村がこの事業に理解がなく消極的であったことなど、いろいろな要因が考えられます。
ほかには、①幼稚園が実施する場合、2歳児だけ、あるいは1・2歳だけという形で、受け入れる対象年齢に制限があったこと、②余裕活用型の場合、せいぜい数名程度の受け入れで利用しづらかったこと、③『誰通』に取り組む施設・事業者が少なく、地域全体をカバーできていなかったこと、④市区町村の広報や周知が不十分で保護者に伝わっていなかったことなど、様々な要因が絡み合っていた可能性もあります。
いずれにしても、『誰通』が本来の役割を果たすためには、何が利用拡大のボトルネックになっているのかを探り、利用促進に向けた改善策を講じる必要がありそうです。
なお、実施状況等の調査によると、平均利用時間は0歳児が5.9時間、1歳児が6.2時間、2歳児が7.3時間と、年齢が上がるとともに利用時間も増えています。ただ、どの年齢においても、月10時間の利用上限時間よりかなり少なくなっています。これについても、10時間で十分であったのか、定期利用するには逆に10時間では足りなかったのか、それ以外の要因は何かあったのか、といったことを探る必要がありそうです。
ちなみに、月10時間の利用可能時間について、令和8~9年度は経過措置として自治体が条例を定めることで、3時間以上10時間未満の間で設定が可能とされています。この経過措置条例制定状況をみると(月10時間未満の自治体)、令和8年度は月3時間が20自治体、4時間が4自治体、6時間が2自治体。令和9年度(予定)は、3時間が11自治体、4時間が6自治体、5時間が1自治体、6時間が4自治体となっています。

