予想された出生数70万人割れの現実!
- 吉田正幸
- 5 日前
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少子化のトレンド反転は果たして可能か?
昨年1年間の出生数は約68万6000人、合計特殊出生率は1.15。厚生労働省がこのほど、令和6年人口動態統計月報年計(概数)を公表したところ、こんな厳しい現実が明らかになりました。その背景には、やはり未婚化・非婚化、晩婚化・晩産化の傾向が影響していると考えられ、子どもを産み育てる世代の人口が減少していることと相まって、少子化の進行にブレーキをかけるのは容易ではないと言えそうです。
厚生労働省が発表した人口動態統計月報年計(概数)によると、出生数をはじめとした人口動態に関して、次のようなデータが明らかになっています。
〈全体の概要〉
◇出生数:前年より4 万1227 人少ない68 万6061 人と、9年連続で過去最少。
◇合計特殊出生率:前年より0.05ポイント低い1.15と、9年連続で過去最低。
◇出生率(人口千対):前年より0.3ポイント低い5.7と、9年連続で過去最低。
◇婚姻件数:前年より1 万322 組多い48 万5063 組で、婚姻率(人口千対)は前年より0.1ポイント高い4.0。ただし、婚姻件数は、戦後二番目に低い水準となっている。
◇平均初婚年齢:夫が前年と同じ31.1 歳、妻が0.1歳上がって29.8 歳。
◇死亡数:前年より2 万9282 人多い160 万5298 人で、4年連続で過去最多。
◇自然増減数:前年より7 万509 人減って91 万9237 人。自然増減率(人口千対)は前年より0.6ポイント減少して7.6となり、数・率ともに18年連続で減少している。全ての都道府県で自然増減数が減少している。
◇母の年齢(5歳階級)別出生数:30~34歳が約25.3万人で最も多く、次いで25~29歳の17.8万人、35~39歳の16.3万人、40~44歳の4.3万人などとなっており、全ての年齢階級で前年より減少している。
◇第1子出生時の母の平均年齢:前年と同じ31.0歳で、約50年前の1975年の25.7歳と比べると、第1子出生時の平均年齢が4.4歳も上がっている。
◇都道府県別の合計特殊出生率:福井県(前年と同じ1.46)を除く全ての都道府県で前年より減少に転じている。出生率が高いのは、沖縄県(1.54)、福井県(1.46)、鳥取県・島根県・宮崎県(1.43)、佐賀県(1.41)など。逆に、低いのは、東京都(0.96)、宮城県(1.00)、北海道(1.01)、秋田県(1.04)などとなっており、総じて西高東低の傾向がうかがえる。
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