top of page

保育所・認定こども園の4割強が職員不足と回答!

  • 執筆者の写真: 吉田正幸
    吉田正幸
  • 11 分前
  • 読了時間: 2分

人材紹介会社に施設当たり200万円以上の手数料を支払い!


 福祉医療機構がこのほど、2025年度保育所・認定こども園の人材確保に関する調査結果をとりまとめたところ、これら施設の4割強が職員不足であると回答していることが分かりました。また、計画通り正規職員を採用できたと答えた施設は、新卒・中途ともに3割程度にとどまるなど、依然として保育人材の確保に苦労している様子が読み取れました。

 このうち中途採用の場合は、人材紹介会社に頼らざるを得ないケースが多いと考えられますが、その満足度を聞くと、「紹介の迅速さ」について「とても満足」「やや満足」が約63%と比較的高い割合を示した一方、「保証期間・返戻保証率」や「紹介手数料」に関してはそれぞれ約1割に過ぎず、「紹介される人材の質」や「採用した職員の定着」についても5割程度にとどまっていました。

 人材紹介会社に支払った1年間(2024年度)の紹介手数料については、1施設当たり約203万円にも及んでいました。調査報告によると、「これは1施設当たりのサービス活動収益に対して0.98%に相当し、決して安いとはいえない」としています。

 退職に関する状況をみると、2024年度に正規職員の退職者がいた施設は約65%に及び、退職者がいた施設の1施設当たり退職者数は2.4人となっていました。退職理由について、職員の充足状況別(職員が充足している施設と不足している施設)にみてみると、「保育業界への転職」については、職員が充足している施設の約26%に対して、職員が不足している施設は約40%となっており、職員が不足している施設の場合、退職した職員は他の保育施設に転職するケースが相対的に多いことが分かります。

 それ以外の退職理由については、「保育業界以外への転職」がいずれも約28~31%、「体調不良」が26%前後、「転居」が25~27%など、職員の充足状況に大きな差は見られませんでした。ということは、職員が不足している施設で正規職員の退職者がいる場合、保育職が嫌になって辞めるのではなく、勤めている施設で仕事を続けることが嫌になって辞めるケースが多いのではないかと考えられます。

 このほか、2025年4月1日時点で処遇改善等加算を算定している施設は、区分1、区分2、区分3を問わず、いずれの区分についても9割以上の施設で算定していました。その意味では、職員に対する処遇改善は一定レベルで行われていることになりますが、それにもかかわらず保育人材が十分に確保できないということは、処遇以外の要因についても見直すべき課題があると言えそうです。


*このニュースについては、近日中に会員ページの「ニュース配信」「ニュース解説」で詳しく取り上げる予定です。

bottom of page